岩手県の景気はいま、県の月報の判断では「持ち直しの動きが続いている」です。ただし一言で言えるのはここまでで、6月の鉱工業生産指数は季節調整済153.6と全国の104.6を上回る一方、6月の小売業6業態販売額は6か月ぶりに前年を下回っています(岩手県ふるさと振興部調査統計課「岩手県の景況」令和8年9月7日公表)。
「岩手県の景況」は、県が毎月公表している景気の月報です。令和8年9月7日に公表された最新号の判断が、上の「県内景気は、持ち直しの動きが続いている」でした。ただし中身を開くと、指標ごとに向きが割れています。生産は伸び、日々の買い物は絞られ、建設投資は前年を上回る。「岩手の景気はいま良いのか悪いのか」に一言で答えられないのは、この割れ方のためです。
この記事では、岩手県ふるさと振興部調査統計課が令和8年9月7日に公表した「岩手県の景況」(令和8年6月・7月の指標を中心として)をもとに、県内の指標がいまどこを向いているのか、その数字を補助金や融資の申請書・価格交渉の資料にどう使うのか、生成AIに任せてよい作業はどこまでかを整理します。
この記事の要点
- 令和8年9月7日公表の「岩手県の景況」では、県内景気は「持ち直しの動きが続いている」と判断されました。
- 6月の鉱工業生産指数(速報値)は、季節調整済指数が153.6で前月比8.4%増、原指数が160.8で前年同月比22.4%増。全国の季節調整済指数は104.6です。
- 業種別に開くと、電子部品・デバイス工業は原指数368.8で前年同月比52.9%増、情報通信機械工業は55.0で26.9%減と、同じ月の中で向きが逆になっています。
- 6月の小売業6業態販売額(全店)は前年同月比2.3%減で、6か月ぶりに前年を下回りました。一方、7月の乗用車新車登録台数は7.2%増、6月の新設住宅着工戸数は9.8%増、7月の公共工事請負金額は7.6%増です(いずれも「岩手県の景況」令和8年9月7日公表による)。
- 6月の有効求人倍率(季節調整値)は1.12倍で全国の1.18倍を下回り、7月の盛岡市の消費者物価指数(総合)は前年同月比2.8%の上昇で全国の1.9%を上回っています。
- 月報の数字は、補助金・融資の申請書の外部環境欄や、価格転嫁の話し合いの前提資料にそのまま使えます。生成AIには数字を答えさせず、人が書き写した数字を文章に直す作業だけを任せます。
「岩手県の景況」は県が毎月出している景気の月報

「岩手県の景況」は、岩手県ふるさと振興部の調査統計課調査分析担当がまとめている月報です。県内の主要経済指標を1冊に集め、そのうえで県内景気の判断を一文で示しています。掲載先は県の統計サイト「いわての統計情報 イーハトーブ・データ館」で、PDF版・エクセル版・参考資料の3種類が同時に出ます。
令和8年9月7日に公表された号は、表紙に「令和8年6月・7月の指標を中心として」と書かれています。月報の名前は「9月」でも、中に載っているのは6月と7月の数字だという点は、最初に押さえておいてください。指標によって集計にかかる時間が違うため、同じ号の中に6月の数字と7月の数字が混在します。
月報に載っている主要経済指標
月報が追いかけているのは、次の指標です(値はすべて岩手県ふるさと振興部調査統計課「岩手県の景況」令和8年9月7日公表による)。
| 指標 | 直近の値(県) | 時点 |
|---|---|---|
| 小売業6業態販売額(全店) | 前年同月比2.3%減 | 令和8年6月 |
| 乗用車新車登録台数 | 前年同月比7.2%増 | 令和8年7月 |
| 新設住宅着工戸数 | 前年同月比9.8%増 | 令和8年6月 |
| 公共工事請負金額 | 前年同月比7.6%増 | 令和8年7月 |
| 鉱工業生産指数(季節調整済) | 153.6(前月比8.4%増) | 令和8年6月 |
| 有効求人倍率(季節調整値) | 1.12倍 | 令和8年6月 |
| 消費者物価指数(盛岡市・総合) | 前年同月比2.8%上昇 | 令和8年7月 |
| 企業倒産件数 | 9件(負債総額9億400万円) | 令和8年7月 |
個人消費、建設投資、生産活動、雇用情勢、物価、企業倒産という6つの面が、それぞれ別の指標で押さえられている形です。自社の商売がどの面に近いかで、先に見る行が変わります。
国の月例経済報告と並べて読む
月報には参考として、内閣府の「月例経済報告」の基調判断も載っています。令和8年8月27日に公表された国の判断は「景気は、緩やかに回復しているが、中東情勢や自然災害の影響を注視する必要がある」でした。国の判断は内閣府の月例経済報告のページで全文が読めます。
県の「持ち直しの動きが続いている」と、国の「緩やかに回復している」は、同じ向きを指していますが強さの表現が違います。取引先との会話や申請書で景気に触れるときは、どちらの判断を引いたのかを必ず書き添えてください。
鉱工業生産指数153.6と全国104.6の差はどこから来るのか

月報の中でいちばん目を引くのが、鉱工業生産指数です。6月の速報値は、季節調整済指数が153.6で前月比8.4%増、2か月連続で前月水準を上回りました。原指数は160.8で前年同月比22.4%増、こちらは13か月連続で前年水準を上回っています。同じ月の全国の季節調整済指数は104.6です。
令和2年を100とした指数であることを先に確認する
岩手県鉱工業生産指数は、令和2年(2020年)を100として作られています。153.6という値は「令和2年の生産水準を100としたとき、いまは153.6のところにいる」という意味です。全国は104.6ですから、令和2年からの伸び方が岩手と全国でまったく違うことになります。
この差は景気の強さそのものというより、県の産業構成の違いから来ています。指数は業種ごとのウェイト(構成比)で加重されており、岩手県の鉱工業10000のうち電子部品・デバイス工業が1474.3、生産用機械工業が1298.9を占めます。この2業種が動くと、県全体の指数が大きく振れます。県内の半導体関連の投資の流れは「フィジカルAIとは|岩手県のAI半導体クラスター計画を解説」でも取り上げています。
業種別に開くと向きが逆になる
令和8年6月の原指数を業種別に見ると、次のようになります(岩手県鉱工業生産指数、令和2年=100、速報値)。
| 業種 | 原指数 | 前年同月比 | ウェイト |
|---|---|---|---|
| 鉱工業(計) | 160.8 | 22.4%増 | 10000 |
| 電子部品・デバイス工業 | 368.8 | 52.9%増 | 1474.3 |
| 生産用機械工業 | 197.9 | 53.5%増 | 1298.9 |
| 輸送機械工業 | 131.6 | 6.9%増 | 792.1 |
| 化学工業 | 104.0 | 10.4%減 | 366.9 |
| 情報通信機械工業 | 55.0 | 26.9%減 | 132.6 |
| 電気機械工業 | 86.2 | 17.9%減 | 93.0 |
県全体は22.4%増ですが、情報通信機械工業は55.0まで落ちています。県の指数が伸びているからといって、自社の受注が伸びていないのはおかしい、という話にはなりません。自社がどの業種の下請けに入っているかで、見るべき行が変わります。
取引先に「業界全体は伸びているのに」と言われたときは、県計ではなく該当業種の行を出してください。同じ月報の同じ表から出た数字なので、相手も否定しにくくなります。
小売は6か月ぶりの前年割れ、車・住宅・公共工事は上向き

生産が伸びている一方で、県内の消費と投資は向きが分かれています。同じ月報の中に、前年を上回った指標と前年を下回った指標が並んでいる状態です。
個人消費は小売が下、車が上
6月の小売主要6業態販売額(全店)は前年同月比2.3%減で、6か月ぶりに前年を下回りました。全国は1.2%減ですから、岩手のほうが下げ幅が大きくなっています。業態別では、百貨店(既存店)が11か月連続で前年を下回り、スーパー(既存店)は3か月ぶりに前年割れ。コンビニは21か月ぶり、ドラッグストアは6か月ぶりに前年を下回りました。6業態のすべてで前年を下回った月です(岩手県ふるさと振興部調査統計課「岩手県の景況」令和8年9月7日公表)。
対照的に、7月の乗用車新車登録台数は前年同月比7.2%増で、4か月連続で前年を上回っています。軽乗用車は前年を下回りましたが、普通乗用車と小型乗用車が前年を上回りました。全国計は7.7%増です(同じく「岩手県の景況」による)。
日々の買い物は絞られているのに、価格の大きい耐久消費財は動いている。この組み合わせは、物価上昇局面でよく出る形です。小売・飲食の現場にいる方は、客数と客単価のどちらが落ちているのかを自社データで分けてから、この月報と突き合わせてください。
建設投資は住宅も公共工事も前年超え
6月の新設住宅着工戸数は前年同月比9.8%増で、2か月連続で前年を上回りました。利用関係別では持家が減少した一方、貸家と分譲住宅が上昇しています。全国計は18.6%増です(岩手県ふるさと振興部調査統計課「岩手県の景況」令和8年9月7日公表)。
7月の公共工事請負金額は前年同月比7.6%増で、こちらも2か月連続で前年を上回っています。全国計は2.6%増ですから、公共工事については岩手のほうが伸びが大きい月でした(出典は同じ「岩手県の景況」)。
建設・設備の関連業種であれば、この2つの行は見積もりや人員計画の根拠として使えます。ただし住宅は持家が減って貸家・分譲が増えたという内訳なので、自社の受注が持家中心なら県計とは逆の実感になり得ます。
有効求人倍率1.12倍と盛岡市の物価2.8%上昇
雇用と物価は、賃上げや価格改定の判断に直結する2つの指標です。
雇用は締まっているが全国よりは緩い
6月の有効求人倍率(季節調整値)は1.12倍で、2か月連続で前月水準を上回りました。同じ月の全国は1.18倍です。県内は求人が求職を上回る状態が続いていますが、全国よりは低い水準にあります。数字は岩手労働局が集計したものが月報に載る流れで、労働局の最新の資料は岩手労働局のサイトでも確認できます。
物価は全国より速く上がっている
7月の盛岡市の消費者物価指数(総合)は前年同月比2.8%の上昇で、2か月連続で前月の上昇率を上回りました。全国は1.9%です。県内の物価のほうが、全国より速く上がっている月が続いています。
7月の企業倒産は9件、負債総額は9億400万円でした。件数そのものより、自社の取引先が含まれる業種かどうかを見るための行です。
12月1日を挟んで人件費の前提が変わる
雇用が締まっていて物価が全国より速く上がっている、という2つが同時に成り立つと、賃金を上げないと人が採れず、原価は上がり続けるという挟み撃ちになります。令和8年度の岩手県の最低賃金は1,031円から1,090円へ改定される答申が出ており、発効予定日は2026年12月1日です(厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金の答申状況」。官報告示前の見通し)。この12月1日を挟んで、人件費の前提が変わります。
令和8年度の業務改善助成金を使って設備投資と賃上げを合わせる場合、申請と賃上げの期限は発効日の前日か11月30日の早いほうで、岩手県は11月30日にあたります(厚生労働省の資料)。改定の内容と県内企業の準備の順序は「岩手県の最低賃金改定と補助金の使い方の解説記事」にまとめています。
月報の数字を補助金・融資の申請書に写す手順

補助金の事業計画書や融資の申込書には、たいてい「外部環境」「市場動向」「事業を取り巻く状況」といった欄があります。ここを自社の印象だけで埋めると、審査側から見て検証できない文章になります。県の月報から数字を持ってくれば、出どころのある文章になります。
写す手順は6つ
手順は次のとおりです。
- 県の統計サイトから、最新号のPDF版とエクセル版を両方ダウンロードする。
- 自社の業種に対応する指標を1つか2つだけ選ぶ。製造業なら鉱工業生産指数の該当業種、小売・飲食なら小売業6業態販売額、建設なら新設住宅着工戸数と公共工事請負金額です。
- 選んだ指標の値・前年同月比・時点を、表から1行ずつ書き写す。
- 書き写した数字に、「岩手県ふるさと振興部調査統計課『岩手県の景況』令和8年9月7日公表」という出どころを添える。
- 自社の売上や受注のデータを、同じ期間で並べる。
- 県の動きと自社の動きがずれている場合は、そのずれの理由を1文で説明する。
県の動きと自社の動きがずれていてもよい
ずれを隠す必要はありません。「県全体の鉱工業生産指数は前年同月比22.4%増だが、当社が受注する情報通信機械工業は26.9%減であり、この差が当社の売上減の背景である」と書けるほうが、審査側には伝わります。
申請の準備そのものの流れは「【2026年度】岩手の補助金でAI・DX導入を実現する完全ガイド」に、事業継続力強化計画とセットで進める場合は「岩手の事業継続力強化計画×AI|補助金10月16日締切の準備」にまとめています。
価格転嫁の話し合いに景況の数字を持っていく
価格交渉では、「原材料が上がったので」という言い方だけでは通りにくくなっています。相手も同じことを言われ慣れているためです。ここで効くのが、自社の都合ではない第三者の数字です。
盛岡市の消費者物価指数(総合)が前年同月比2.8%の上昇で、全国の1.9%を上回っているという事実は、県内でコストが上がっていることの裏づけになります。最低賃金が1,031円から1,090円へ改定される予定であることも、人件費の前提が変わる根拠として同じ資料の中に置けます。
相手の受注が増えている局面かどうかも同じ月報で分かる
一方で、相手が公共工事や住宅関連であれば、公共工事請負金額が前年同月比7.6%増、新設住宅着工戸数が9.8%増という行も同じ月報にあります(岩手県ふるさと振興部調査統計課「岩手県の景況」令和8年9月7日公表)。相手の受注が増えている局面であることを共有したうえで交渉に入るほうが、話が進みます。
岩手県内の転嫁の実態と、交渉の準備の進め方は「価格交渉促進月間2026|岩手の転嫁率50.2%と交渉準備」で扱っています。毎年9月と3月は国が価格交渉促進月間としている時期なので、月報の最新号が出る時期とも重なります。
生成AIに月報を読ませるときの分担

月報はPDFで15ページ、エクセル版はさらに細かい表が並びます。これを毎月読むのは負担が大きいので、生成AIに任せたくなります。ただし任せ方を間違えると、かえって危険です。
やってはいけないのは、PDFをそのまま生成AIに渡して「岩手県の景気はどうなっていますか」と聞くことです。表の列がずれて読まれたり、全国の値と県の値が入れ替わったり、6月の数字と7月の数字が混ざったりします。月報は同じ号の中に6月と7月の数字が混在しているので、この取り違えは実際に起きます。
数字を読むのは人、文章に直すのが生成AI
安全なのは、次の分担です。
- 数字を読むのは人。PDFかエクセルの表から、値・前年同月比・時点を手で書き写します。
- 文章に直すのが生成AI。書き写した数字を渡して、申請書の外部環境欄や社内会議の説明文の下書きにしてもらいます。
- 書き上がったら、元の表と1行ずつ突き合わせる作業をもう一度人が行います。値だけでなく、時点(6月なのか7月なのか)と主体(県なのか全国なのか)も照合してください。
- 最後に、出どころと時点を文章に添えます。
この分担なら、生成AIが数字を作り出す余地がありません。県内の企業でどこまで生成AIが使われているかは「生成AI活用、中小企業は32.3%どまり|岩手の企業が今すぐやること」で取り上げています。
毎月の確認を業務のカレンダーに入れる

月報は毎月出ますが、待っていても通知は来ません。確認を業務の手順に組み込んでおくと、必要になったときに探す手間がなくなります。
月に一度回す4つの手順
おすすめは、月に一度、次の4つを回すことです。
- 県の統計サイトの「統計調査結果(最新)」を開き、最新号が出ているか確認する。
- 自社の業種に対応する指標の行だけを、社内の記録用シートに書き写す。
- 自社の売上・受注のデータを同じ期間で並べる。向きが同じか逆かを見ます。
- 向きが逆になった月は理由を1行で残す。
書き写す先は、表計算ソフトのシート1枚で十分です。1年ためると、申請書や金融機関への説明資料をつくるときに、そのまま貼れる形になります。
資料の入手先と問い合わせ窓口
資料の入手先は次の3か所です。最新号の一覧はいわての統計情報「統計調査結果(最新)」、過去分を含む「岩手県の景況」のバックナンバーは調査別のページ、県がどの統計をどこで公表しているかの案内は岩手県「調査統計課が公表する統計情報について」にあります。指数の作り方や品目別指数について問い合わせたい場合は、岩手県ふるさと振興部調査統計課が窓口です。
まとめ
令和8年9月7日公表の「岩手県の景況」は、県内景気を「持ち直しの動きが続いている」と判断しました。ただし一言でまとめられるのはここまでで、実務で使うのはその下の各指標の行です。
鉱工業生産指数は季節調整済153.6と全国の104.6を大きく上回る一方、小売業6業態販売額は6か月ぶりに前年割れ。業種別に開けば、電子部品・デバイス工業の368.8と情報通信機械工業の55.0が同じ月に並びます。県全体の景気がどうかではなく、自社が乗っている指標がどこを向いているかを見てください。
書き写した数字には、必ず時点と統計名を添えます。数字を読むのは人、文章にするのが生成AI。この分担を守れば、申請書も価格交渉の資料も、根拠のある形で軽くつくれるようになります。
よくある質問
Q. 「岩手県の景況」はいつ、どこで公表されますか。
岩手県ふるさと振興部調査統計課が毎月まとめ、県の統計サイト「いわての統計情報 イーハトーブ・データ館」で公表しています。直近の号は令和8年9月7日公表で、令和8年6月・7月の指標を中心とした内容です。PDF版、エクセル版、参考資料が同時に出ます。
Q. 鉱工業生産指数の153.6という数字は何を意味しますか。
令和2年(2020年)を100としたときの、令和8年6月の季節調整済指数です。前月比は8.4%増で、2か月連続で前月水準を上回りました。原指数は160.8で、前年同月比22.4%増、13か月連続で前年水準を上回っています。いずれも速報値です。
Q. 岩手の生産指数が全国より高いのは、岩手の景気が全国より良いということですか。
そうとは限りません。153.6と104.6の差は、令和2年からの伸び方の違いです。指数は業種ごとのウェイトで加重されており、岩手県の鉱工業10000のうち電子部品・デバイス工業が1474.3、生産用機械工業が1298.9を占めます。この2業種の動きが県全体の指数を大きく動かすため、県内のすべての業種が伸びていることを意味しません。
Q. 原指数と季節調整済指数は、どちらを見ればよいですか。
季節調整済指数は前月との比較など短期の動きを見るのに使い、原指数は前年同月との比較に使います。月報でも、前月比には季節調整済指数、前年同月比には原指数が使われています。社内資料で両方を並べる場合は、どちらの指数の値なのかを必ず書き添えてください。
Q. 小売が前年割れなのに乗用車新車登録台数が増えているのは矛盾していませんか。
矛盾ではありません。6月の小売業6業態販売額(全店)は前年同月比2.3%減、7月の乗用車新車登録台数は前年同月比7.2%増で、そもそも時点が違います(岩手県ふるさと振興部調査統計課「岩手県の景況」令和8年9月7日公表)。加えて、日々の買い物と購入サイクルの長い耐久消費財では動き方が異なります。月報では乗用車新車登録台数を耐久消費財としてとらえています。
Q. 有効求人倍率の1.12倍は、他の資料の数字と違うように見えます。
「岩手県の景況」に載っている1.12倍は、令和8年6月の季節調整値です。有効求人倍率には季節調整値のほかに実数の値があり、さらに受理地別と就業地別でも数字が変わります。どの区分の値なのかを確認したうえで比べてください。
Q. 申請書に月報の数字を書くとき、出どころはどう書けばよいですか。
「岩手県ふるさと振興部調査統計課『岩手県の景況』(令和8年9月7日公表)」のように、作成主体・資料名・公表日を並べます。そのうえで、値のうしろに時点(令和8年6月、令和8年7月など)を添えてください。速報値を使う場合は「速報値」であることも書きます。
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参考・出典
- 岩手県ふるさと振興部調査統計課「岩手県の景況」(令和8年9月7日公表、令和8年6月・7月の指標を中心として。県内景気の判断「持ち直しの動きが続いている」、小売業6業態販売額の前年同月比2.3%減、乗用車新車登録台数7.2%増、新設住宅着工戸数9.8%増、公共工事請負金額7.6%増、鉱工業生産指数の季節調整済153.6・原指数160.8、有効求人倍率1.12倍、盛岡市の消費者物価指数2.8%上昇、企業倒産9件・負債総額9億400万円はすべてこの資料による)
- 岩手県ふるさと振興部調査統計課「岩手県鉱工業生産指数」(令和2年=100。令和8年6月の業種別原指数と前年同月比、および鉱工業10000に対する業種別ウェイトはこの資料による)
- 岩手県「いわての統計情報 統計調査結果(最新)」(県が公表した最新の統計データの一覧。岩手県の景況、鉱工業生産指数、盛岡市消費者物価指数の最新期はここから確認できる)
- 岩手県「調査統計課が公表する統計情報について(掲載先のご紹介)」(県のどの統計がどこに掲載されているかの案内)
- 内閣府「月例経済報告」(令和8年8月27日公表分の基調判断「景気は、緩やかに回復しているが、中東情勢や自然災害の影響を注視する必要がある」は、岩手県の景況にも参考として掲載されている)
- 岩手労働局「岩手労働局」(有効求人倍率をはじめとする県内の雇用関係資料の公表元)
- 厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金の答申状況」(岩手県は1,031円から1,090円へ改定、発効予定日2026年12月1日。官報告示前の見通し)
- 厚生労働省「業務改善助成金の資料」(申請と賃上げの期限は発効日の前日か11月30日の早いほう。岩手県は11月30日)
- 厚生労働省「雇用関係助成金」(賃金の引き上げに関連する助成金の一覧。対象となる場合があります(要件審査あり・支給を保証するものではありません))