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盛岡市の家計調査2026|7月の消費支出284,868円の内訳

盛岡市の家計調査2026|7月の消費支出284,868円の内訳

盛岡市の二人以上の世帯が2026年7月の1か月間に使ったお金は、1世帯あたり284,868円でした。同じ月の全国は301,245円です(岩手県ふるさと振興部調査統計課「いわての統計情報 統計調査結果(最新)」に掲載の家計調査報告「家計主要指標 1世帯当たり1か月間の収入と支出」令和8年7月分。原資料は総務省統計局)。

ただし、この1行だけを持ち帰っても商売には使えません。実際に効いてくるのは、その下の費目別の内訳です。外食は盛岡市が10,326円で全国が15,454円。逆に、仕送り金は盛岡市が18,887円で全国が3,526円。同じ「支出」でも、費目によって盛岡と全国の関係はまるで逆を向きます。

この記事では、岩手県が県の統計サイトに掲載している家計調査の最新月(2026年9月15日時点で令和8年7月分)をもとに、盛岡市の家計の中身、全国との差がはっきり出る費目、集計世帯数92世帯という規模をふまえた読み方、そして県内の小売・飲食・サービス業がこの数字を仕事に使う手順を整理します。生成AIをどこまで使ってよいかも最後にまとめます。

この記事の要点

  • 2026年7月の盛岡市(二人以上の世帯)の消費支出は284,868円、全国は301,245円でした。エンゲル係数は盛岡市30.8%、全国30.1%です。
  • 全国より金額が多い費目は光熱・水道19,916円、保健医療19,388円、その他の消費支出65,046円。全国より少ない費目は交通・通信32,138円、教養娯楽24,223円、被服及び履物6,579円です。
  • 盛岡市で特に差がはっきりしているのは、仕送り金18,887円(全国3,526円)、灯油などを含む他の光熱1,244円(全国340円)、保健医療サービス13,858円(全国9,399円)の3つです。
  • 勤労者世帯は別集計です。盛岡市の実収入は475,268円、非消費支出99,108円、可処分所得376,160円、消費支出320,121円でした。
  • この月の盛岡市の集計世帯数は92世帯(二人以上の世帯)です。市別・月別の数字は振れます。盛岡市の勤労者世帯の実収入は2026年6月が1,197,142円で7月が475,268円と、隣り合う月で大きく動いています。
  • 判断に使うときは年平均を併用します。盛岡市の勤労者世帯の実収入の年平均は2023年589,092円、2024年633,756円、2025年651,458円です。
  • 数字を写すのは人、文章に直すのが生成AI。この分担なら、販促の企画書や仕入れの相談資料を安全に軽くできます。

家計調査とは何か、盛岡市の数字はどこにあるのか

家計調査を中心に、食料・住居・光熱・水道・交通・通信・教養娯楽・その他の消費支出という6つの費目が放射状に並ぶことを示した図。
図1 家計調査が集めている消費支出の大きな費目

家計調査は、総務省統計局が毎月実施している統計調査です。統計法に基づく基幹統計「家計統計」を作成するための調査で、国民生活における家計収支の実態を把握することを目的としています(総務省統計局「家計調査の概要」)。

岩手県では、このうち盛岡市の結果を、岩手県ふるさと振興部調査統計課が県の統計サイト「いわての統計情報 イーハトーブ・データ館」に毎月載せています。掲載場所は統計調査結果(最新)の「【月報】」の並びで、資料名は「家計調査報告」、統計表の名称は「家計主要指標 1世帯当たり1か月間の収入と支出」です。過去分を含む一覧は家計調査の調査別ページにあります。

エクセル1つに3枚の表が入っている

県が載せているエクセルは、次の3枚のシートでできています。

  1. 家計主要指標(盛岡市と全国の実収入・消費支出・可処分所得などを、年平均と月ごとに並べた表)
  2. 1か月の家計(二人以上の世帯)(費目別の金額を盛岡市と全国で並べた表)
  3. 1か月の家計(二人以上世帯のうち勤労者世帯)(勤労者世帯だけを取り出した表)

商売に使うのは主に2枚目です。1枚目は「いま高いのか安いのか」を年平均と比べるときに使い、3枚目は給与所得者の世帯だけを見たいときに使います。

公表は調査月の翌々月上旬

家計調査の二人以上の世帯の結果は、原則として調査月の翌々月上旬に公表されます。年平均をまとめた「家計調査年報」は翌年6月ごろの刊行です(総務省統計局「家計調査の概要」)。県の掲載もこれに合わせて動くため、9月に見に行くと最新は7月分になります。全国の統計表そのものは、統計局の家計調査(家計収支編)統計表一覧からも取れます。

調査の対象から外れている世帯がある

家計調査は全国の世帯を対象としていますが、学生の単身世帯、病院・療養所の入院者等の世帯、料理飲食店・旅館・下宿屋を営む併用住宅の世帯、住み込みの営業上の使用人が4人以上いる世帯、外国人世帯などは調査を行っていません(総務省統計局「家計調査の概要」)。盛岡市内でも、学生向けの商売や外国人世帯向けの商売をしている場合は、この統計の外側にお客さんがいることになります。

2026年7月の盛岡市と全国を費目で並べる

2026年7月の盛岡市で、光熱・水道19,916、保健医療19,388、その他の消費支出65,046が全国より多い費目、交通・通信32,138、教養娯楽24,223、被服及び履物6,579が全国より少ない費目であることを二手に分けて示した図。
図2 盛岡市の金額が全国より多い費目と少ない費目

まず大きい枠から見ます。以下はすべて、二人以上の世帯の1世帯あたり1か月間の金額です(単位は円。岩手県ふるさと振興部調査統計課「いわての統計情報 統計調査結果(最新)」掲載の家計調査報告、令和8年7月分による)。

費目 盛岡市 全国
消費支出 284,868 301,245
食料 87,767 90,740
住居 13,289 17,289
光熱・水道 19,916 18,435
家具・家事用品 12,250 16,654
被服及び履物 6,579 9,816
保健医療 19,388 16,003
交通・通信 32,138 43,676
教育 4,270 7,208
教養娯楽 24,223 30,693
その他の消費支出 65,046 50,730

全国より多い費目

光熱・水道は盛岡市19,916円に対して全国18,435円。保健医療は盛岡市19,388円に対して全国16,003円。その他の消費支出は盛岡市65,046円に対して全国50,730円です。この3つは盛岡市のほうが金額が大きく出ています。

なお、同じ月の世帯の姿も押さえておいてください。盛岡市の世帯人員は2.76人、全国は2.86人。世帯主の年齢は盛岡市62.0歳、全国60.9歳です。世帯主の年齢が高めであることは、保健医療の金額を読むときの前提になります。

全国より少ない費目

交通・通信は盛岡市32,138円に対して全国43,676円。教養娯楽は盛岡市24,223円に対して全国30,693円。被服及び履物は盛岡市6,579円に対して全国9,816円です。

交通・通信の中身を開くと、自動車等関係費が盛岡市17,526円、全国26,903円でした。車社会と言われる地域で自動車等関係費が全国を下回っているのは、直感と合いにくいところです。この月にたまたま車検や買い替えが重ならなかった可能性もあり、1か月の数字だけで「盛岡は車にお金をかけない」と結論づけることはできません。後述する年平均との併用が要る典型的な費目です。

食料の中身は費目ごとに向きが割れる

食料全体は盛岡市87,767円、全国90,740円ですが、内訳は一方向ではありません。

食料の内訳 盛岡市 全国
穀類 7,933 7,916
魚介類 6,747 5,510
肉類 7,399 8,271
乳卵類 4,935 4,617
野菜・海藻 11,116 9,239
果物 3,607 3,380
油脂・調味料 4,841 4,009
菓子類 7,027 8,280
調理食品 12,332 13,860
飲料 6,860 6,638
酒類 4,642 3,566
外食 10,326 15,454

野菜・海藻、魚介類、酒類、油脂・調味料は盛岡市のほうが多く、外食、菓子類、肉類、調理食品は全国のほうが多いという並びです。エンゲル係数は盛岡市30.8%、全国30.1%でした。

家で食べる材料にお金が向き、店で食べる分が抑えられている形に見えます。県内で飲食店を営んでいる場合、この並びは「外食の単価を上げる」より「持ち帰り・総菜・素材売りの線を持つ」ほうに寄った材料です。ただし7月という月の性格(帰省・行事)も混ざるため、後述のとおり同じ月を複数年で並べてから判断してください。

盛岡市に目立つ3つの費目

2026年7月の盛岡市と全国で、仕送り金が18,887と3,526、他の光熱が1,244と340、保健医療サービスが13,858と9,399であることを三段の表形式で示した図。
図3 盛岡市と全国で開きが大きい3費目

盛岡市と全国の差が特にはっきり出ているのは、次の3つです。

費目 盛岡市 全国
仕送り金 18,887 3,526
他の光熱 1,244 340
保健医療サービス 13,858 9,399

仕送り金18,887円は県外に出た家族の分

仕送り金は、その他の消費支出の中の項目です。盛岡市18,887円に対して全国3,526円でした。二人以上の世帯のうち勤労者世帯だけで見ると、盛岡市32,796円、全国4,496円とさらに開きます。

進学や就職で子どもが県外に出ている世帯が一定数あれば、この費目は押し上げられます。県外進学・県外就職が多い地域では起こりやすい形ですが、この統計だけで理由までは確かめられません。県内で金融・保険・住宅・車の商売をしている場合、「家計に月々の固定的な県外送金がある」という前提で見積もりや提案を組むと、実態に近くなります。

他の光熱1,244円は灯油の分

他の光熱は、電気代・ガス代・上下水道料以外の光熱費で、灯油などが入ります。盛岡市1,244円に対して全国340円でした。7月でこの差ですから、暖房の季節に入ると差はさらに開く方向です。

県内の燃料店・住宅設備業にとっては、この1行が商売そのものです。灯油配達や検針の記録をどう軽くするかは「岩手の燃料店・LPガス販売店のAI活用ガイド」で扱っています。電気代は盛岡市10,139円、全国9,591円、ガス代は盛岡市4,114円、全国3,746円で、光熱・水道は全体としても盛岡市が上でした。

保健医療サービス13,858円は通院と世帯主の年齢

保健医療19,388円のうち、保健医療サービス(診察や治療などのサービス分)が13,858円を占めます。全国の保健医療サービスは9,399円です。医薬品は盛岡市2,522円、全国2,906円で、こちらは全国のほうが多くなっています。

薬を買う金額ではなく、医療機関にかかる金額が大きいという形です。前に触れたとおり、盛岡市の世帯主の年齢は62.0歳で全国の60.9歳より高く、この点も効いていると考えられます。送迎、待ち時間、付き添いといった周辺の需要が県内にあることを示す数字でもあります。

勤労者世帯の数字は分けて見る

盛岡市の勤労者世帯で、実収入475,268から非消費支出99,108を差し引いて可処分所得376,160となり、消費支出320,121を差し引いて黒字56,039となる流れを階段状に示した図。
図4 盛岡市の勤労者世帯の実収入から黒字までの流れ

給与で暮らす世帯だけを取り出したのが、3枚目のシートです。2026年7月の盛岡市の勤労者世帯は次のようになっています。

項目 盛岡市 全国
実収入 475,268 689,476
世帯主収入 332,232 530,620
世帯主の配偶者の収入 99,937 121,852
非消費支出 99,108 135,094
消費支出 320,121 322,866

可処分所得は実収入から非消費支出を引いたもので、盛岡市は376,160円でした。そこから消費支出320,121円を引いた黒字は56,039円、平均消費性向は85.1%、黒字率は14.9%、平均貯蓄率は11.0%です。

収入は全国より小さいのに消費支出は近い

実収入は盛岡市475,268円、全国689,476円と開いている一方で、消費支出は盛岡市320,121円、全国322,866円と近い値です。エンゲル係数は盛岡市28.8%、全国29.1%でした。

収入の差ほどには支出が縮んでいない、という形です。平均消費性向85.1%という値も、可処分所得の多くが月内に出ていっていることを示します。価格改定や新サービスの提案を県内向けに設計するときは、「所得が低いから安くする」ではなく「支出の枠は決まっていて、どの費目から動かすかの取り合いになる」と見るほうが、実態に近くなります。取引先との価格の話し合いについては「価格交渉促進月間2026|岩手の転嫁率50.2%と交渉準備」も合わせて確認してください。

非消費支出99,108円の中身

非消費支出99,108円の内訳は、直接税38,145円、社会保険料60,963円です。全国は直接税57,990円、社会保険料77,047円でした。手取りの計算をする場面では、この2行が効きます。勤労者世帯の集計世帯数は盛岡市47世帯、全国3,849世帯です。

月ごとの市別の数字を読むときの注意

盛岡市の勤労者世帯の実収入が2026年6月1,197,142と2026年7月475,268で大きく動く一方、年平均は2023年589,092・2024年633,756・2025年651,458と並ぶことを左右2枚で比べた図。
図5 1か月の値と年平均の値の見え方の違い

ここまでの数字には、必ず添えなければならない前提があります。この月の盛岡市の集計世帯数は、二人以上の世帯で92世帯、勤労者世帯で47世帯です。全国はそれぞれ7,127世帯、3,849世帯でした。

家計調査はもともと世帯数を絞った標本調査

家計調査は層化3段抽出法(第1段は市町村、第2段は単位区、第3段は世帯)による標本調査で、全国168市町村から二人以上の調査世帯8,076世帯、単身の調査世帯673世帯が選ばれています。都道府県庁所在市及び大都市は52市町村で、二人以上の調査世帯は5,472世帯です。調査世帯は二人以上の世帯で6か月継続して調査され、単位区は毎月12分の1ずつ入れ替わります(総務省統計局「家計調査の概要」)。

つまり、盛岡市の1か月分は、この仕組みで選ばれた数十世帯の家計簿を集計した結果です。県全体の平均でも、盛岡市の全世帯の平均でもありません。

隣り合う月でこれだけ動く

振れ幅は実際の数字で確かめられます。盛岡市の勤労者世帯の実収入は、2026年6月が1,197,142円、2026年7月が475,268円でした。賞与の入る月とそうでない月で、同じ市の同じ集計がこれだけ動きます。2025年12月は1,450,100円です。

1か月分だけを取り出して「盛岡市の世帯は月にこれだけ使う」と資料に書くと、根拠として弱くなります。使うなら、必ず時点と統計名を添えてください。

年平均を必ず併用する

判断に使うときは、年平均を隣に置きます。盛岡市の勤労者世帯の実収入の年平均は、2023年589,092円、2024年633,756円、2025年651,458円です。二人以上の世帯の消費支出の年平均は、盛岡市が2023年298,536円、2024年313,386円、2025年311,191円、全国が2023年293,997円、2024年300,243円、2025年314,001円でした。

単月で全国を下回っていても、年平均では近い年がある、といったことが見えます。統計局は家計調査についてのQ&Aを家計調査に関するQ&A(回答)にまとめており、集計や公表時期の疑問はここで確認できます。

数字を県内の商売に当てはめる手順

最新の家計調査報告をダウンロードし、自社の商品に対応する費目を選び、盛岡市と全国の金額を書き写し、年平均と並べて向きを確かめ、仮説を1つだけ立て、売上データで確かめるまでの6手順を左から右に並べた図。
図6 統計を売上で確かめるまでの6手順

費目の金額を眺めるだけでは仕事になりません。次の順で使います。

  1. 最新の家計調査報告をダウンロードする
  2. 自社の商品に対応する費目を選ぶ
  3. 盛岡市と全国の金額を書き写す
  4. 年平均と並べて向きを確かめる
  5. 仮説を1つだけ立てる
  6. 売上データで確かめる

費目と自社の商品を先に結びつける

いちばん大事なのは2番目です。産直や食料品店なら野菜・海藻11,116円と魚介類6,747円、酒販店なら酒類4,642円、総菜店なら調理食品12,332円と外食10,326円、燃料店なら他の光熱1,244円、薬局や整骨院なら保健医療サービス13,858円と医薬品2,522円、というように、自分の売り物が入っている行を先に決めます。

行が決まっていないまま統計を眺めると、どの数字も「なんとなく参考になる」で終わります。県内の小売店で発注や品ぞろえを考えるときの進め方は「岩手の小売店AI活用ガイド|発注・シフト・接客を効率化」にまとめています。

仮説は1つだけ立てて、売上で確かめる

盛岡市の外食10,326円は全国の15,454円より小さく、調理食品12,332円も全国の13,860円より小さい。一方で野菜・海藻と魚介類は全国より大きい。ここから立てられる仮説は、たとえば「7月は家で食べる比率が高い」です。

仮説を立てたら、必ず自社の売上データで確かめます。7月の自店の総菜と生鮮の構成比が、前年の7月とどう違ったか。統計と同じ向きなら打ち手を試す価値があり、逆を向いているなら、自店の商圏は統計の平均とは違う動きをしている、というそれ自体が有益な発見です。統計は答えではなく、確かめるべき問いを絞るための道具として使ってください。

市外・町村部の商売に当てはめるときの注意

家計調査で県内の数字が取れるのは盛岡市だけです。奥州市、一関市、北上市、宮古市といった他の市や町村の家計は、この調査からは直接読めません。

盛岡市の数字を市外の商売に当てはめるときは、盛岡市が県庁所在市であること、世帯主の年齢が62.0歳であること、家賃地代が7,283円(全国7,669円)であることなど、前提が自分の商圏と合っているかを1つずつ確かめてから使います。合わない前提が多ければ、その費目については使わないという判断が正解です。

生成AIに任せてよい範囲

費目・金額・時点を人が書き写して生成AIに渡し、説明文の下書きを作らせ、元の表と1行ずつ突き合わせるという分担を示した図。
図7 数字を写すのは人、文章に直すのが生成AI

家計調査の表を生成AIに読ませたくなりますが、任せてよい範囲ははっきりしています。

数字を写すのは人です。費目、金額、時点の3つは、必ず人が県のエクセルから直接書き写します。生成AIに「盛岡市の家計調査の消費支出を教えて」と聞いて出てきた数字を、そのまま資料に載せてはいけません。統計の値は年や基準で変わり、もっともらしい別の値が返ってくることがあります。

文章に直すのが生成AIです。人が書き写した表を貼ったうえで、「この表を、社内会議用に300字で説明する文章にしてください。表にない数字は足さないでください」と指示します。出てきた説明文の下書きは、元の表と1行ずつ突き合わせる。これで安全に時間が縮みます。

そのほかに任せてよい作業

  • 費目名の言い換え(「その他の消費支出」を社内で通じる言葉にする)
  • 自社の商品と費目の対応表のたたき台づくり
  • 仮説を5つ出させて、人が1つに絞る
  • 販促の企画書の構成案づくり

いずれも、事実の確定を伴わない作業です。県内の中小企業で生成AIの導入がどこまで進んでいるかは「生成AI活用、中小企業は32.3%どまり|岩手の企業が今すぐやること」で扱っています。

任せてはいけない作業

  • 統計の数字を思い出させること
  • 金額の差や比率を計算させること(表計算ソフトで計算する)
  • 出典やURLを生成させること
  • 「なぜこの費目が多いのか」の理由を断定させること

理由の説明は、統計の外側の話です。仕送り金が多い理由も、自動車等関係費が少ない理由も、この統計だけでは確かめられません。資料に書くなら「〜と考えられる」ではなく、「この月の数値はこうだった」までにとどめ、理由は自社で確かめた事実だけを書きます。

まとめ

2026年7月の盛岡市の消費支出は284,868円、全国は301,245円でした。全体の1行より、中身の並びのほうが仕事に効きます。外食10,326円と全国15,454円、仕送り金18,887円と全国3,526円、他の光熱1,244円と全国340円。費目ごとに、盛岡と全国の関係は逆を向きます。

そのうえで、この月の集計世帯数は92世帯です。1か月分だけで結論を出さず、年平均を隣に置いて向きを確かめる。自社の売り物が入っている費目を先に決めて、仮説を1つに絞り、自社の売上で確かめる。この順番を守れば、統計は判断の材料になります。

数字を写すのは人、文章に直すのが生成AI。この線を引いておけば、企画書も仕入れの相談資料も、根拠のある形で軽くつくれます。

よくある質問

Q. 岩手県の家計調査の数字は、どこで見られますか。

岩手県ふるさと振興部調査統計課が、県の統計サイト「いわての統計情報 イーハトーブ・データ館」に毎月掲載しています。統計調査結果(最新)の「【月報】」の中に「家計調査」の行があり、エクセル形式でダウンロードできます。過去分は家計調査の調査別ページから確認できます。

Q. 岩手県全体の家計の数字はありますか。

家計調査で市別の結果が公表されるのは都道府県庁所在市などで、岩手県では盛岡市です。県全体や他の市町村の家計の金額は、この調査からは直接読めません。盛岡市の数字を県全体に読み替えるときは、その旨を資料に明記してください。

Q. 集計世帯数92世帯というのは少なすぎませんか。

家計調査は層化3段抽出法による標本調査で、全国で二人以上の調査世帯8,076世帯、都道府県庁所在市及び大都市で5,472世帯が選ばれています(総務省統計局「家計調査の概要」)。設計上そうなっているため、市別・月別の値は振れます。振れを前提に、年平均と併用して使うのが正しい使い方です。

Q. 2026年6月の実収入1,197,142円は何かの間違いですか。

間違いではありません。盛岡市の勤労者世帯の実収入は、2026年6月が1,197,142円、2026年7月が475,268円です。賞与が入る月は実収入が大きくなります。2025年12月も1,450,100円でした。月をまたいだ比較をするときは、賞与月かどうかを先に確かめてください。

Q. 消費支出と実収入の違いは何ですか。

実収入は世帯に入ってくるお金、消費支出は生活のために出ていくお金です。実収入から非消費支出(直接税と社会保険料)を引いたものが可処分所得で、盛岡市の2026年7月は376,160円でした。可処分所得から消費支出320,121円を引いたものが黒字で、56,039円です。

Q. エンゲル係数30.8%はどう読めばよいですか。

消費支出に占める食料の割合です。2026年7月の盛岡市は30.8%、全国は30.1%でした。勤労者世帯だけで見ると盛岡市28.8%、全国29.1%です。世帯の姿(世帯人員や世帯主の年齢)が違えば水準も変わるため、他地域と比べるときは世帯人員2.76人という前提も一緒に見てください。

Q. この数字を補助金や融資の申請書に書いてもよいですか。

書けます。その場合は「総務省統計局『家計調査』(岩手県ふるさと振興部調査統計課が県の統計サイトに掲載、令和8年7月分)」のように、作成主体・資料名・時点を並べてください。市別の月次であることと、集計世帯数が92世帯であることも添えると、読み手が値の性格を誤解しません。

Q. 生成AIに家計調査の数字を直接聞いてもよいですか。

やめてください。統計の値は年や基準で変わるため、確認できない数字が返ってくることがあります。県のエクセルから人が書き写した表を貼ったうえで、その表の範囲で文章化させる使い方にとどめ、出てきた文章は元の表と1行ずつ突き合わせてください。

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参考・出典

  • 岩手県ふるさと振興部調査統計課「いわての統計情報 統計調査結果(最新)」(掲載資料名「家計調査報告」、統計表の名称「家計主要指標 1世帯当たり1か月間の収入と支出」、令和8年7月分。本文中の盛岡市・全国の消費支出284,868円/301,245円、費目別金額、エンゲル係数30.8%/30.1%、勤労者世帯の実収入475,268円・非消費支出99,108円・可処分所得376,160円・消費支出320,121円・黒字56,039円・平均消費性向85.1%、集計世帯数92世帯/47世帯、年平均の値はすべてこの資料による。原資料は総務省統計局)
  • 岩手県「いわての統計情報 家計調査」(調査項目・調査サイクル・発行資料名、岩手県の担当課がふるさと振興部調査統計課であることはこのページによる)
  • 総務省統計局「家計調査の概要」(統計法に基づく基幹統計「家計統計」であること、調査対象から除かれる世帯、層化3段抽出法、全国168市町村・二人以上の調査世帯8,076世帯・単身の調査世帯673世帯、都道府県庁所在市及び大都市52市町村・5,472世帯、調査世帯の継続期間、結果の公表が調査月の翌々月上旬であることはこの資料による)
  • 総務省統計局「家計調査(家計収支編)統計表一覧」(全国の統計表の入手先)
  • 総務省統計局「家計調査に関するQ&A(回答)」(調査方法・集計方法・公表時期に関する質問と回答)
  • 総務省統計局「家計調査」(調査の入口ページ。県が掲載しているエクセルにも参照先として記載されている)
  • 岩手県「調査統計課が公表する統計情報について(掲載先のご紹介)」(県のどの統計がどこに掲載されているかの案内)