岩手県の完全失業率は、2026年4〜6月期平均で2.6%です。同じ期の全国の完全失業率も2.6%で、岩手は全国と同じ水準にあります。総務省統計局「労働力調査」の都道府県別結果(モデル推計値)で、2026年8月28日に公表された数字です。
一方で、同じ表の就業者は59万6千人(596千人)で、前年同期から1万4千人減っています。完全失業者は1万6千人で、前年同期から1千人減りました。失業している人も減り、働いている人も減っています。
この記事では、この表の読み方、岩手県の4〜6月期の実数、東北6県と全国との比較、4〜6月期で並べた7年分の推移、ハローワークの有効求職者数との違い、非労働力人口39万5千人の内訳、そして採用計画に落とすときの手順を整理します。生成AIに任せてよい作業と任せてはいけない作業も最後にまとめます。
この記事の要点
- 岩手県の2026年4〜6月期平均は、15歳以上人口100万7千人、労働力人口61万1千人、就業者59万6千人、完全失業者1万6千人、非労働力人口39万5千人、完全失業率2.6%です。
- 前年同期との差は、15歳以上人口が1万2千人減、労働力人口が1万5千人減、就業者が1万4千人減、完全失業者が1千人減、非労働力人口が3千人増、完全失業率が0.1ポイント低下です。
- 同じ期の全国の完全失業率は2.6%で、岩手県と同じ値です。東北6県では山形県2.3%が最も低く、宮城県3.1%が最も高い値でした。
- 4〜6月期の就業者を並べると、2019年68万人から2026年59万6千人まで、7年で8万4千人減っています(本記事で差し引き)。同じ期間に15歳以上人口は8万3千人減り、非労働力人口は2千人しか減っていません。
- 労働力調査の完全失業者1万6千人と、ハローワークの月間有効求職者数1万2,851人は、調べ方も対象も違う数字です。同じ「仕事を探している人」として足したり引いたりはできません。
- 岩手労働局の令和8年7月分の有効求人倍率は季節調整値1.16倍、原数値1.14倍で、月間有効求人数は1万7,020人でした。求人は増え、求職は横ばいです。
- 都道府県別の数値は時系列回帰モデルによる推計値で、標本誤差が全国結果より大きい点に注意が必要です。単月・単期の小さな動きを根拠に意思決定しないのが安全な使い方です。
- 数字を写すのと定義を判断するのは人、社内向けの説明文や採用計画の文章化は生成AI、という分担なら作業を軽くできます。
労働力調査は世帯を調べる統計|就業者と完全失業者の定義
労働力調査は、総務省統計局が毎月実施している統計です。事業所ではなく世帯を対象に、調査週間中の活動状態を聞き取って、15歳以上人口を就業者・完全失業者・非労働力人口に分けます。賃金構造基本統計調査や毎月勤労統計調査が事業所に聞く統計であるのに対して、労働力調査は世帯に聞く統計だという点が最大の違いです。

完全失業者は3つの条件をすべて満たす人
総務省統計局の「用語の解説」によると、完全失業者は次の3つの条件を満たす者と定義されています。
- 仕事がなくて調査週間中に少しも仕事をしなかった(就業者ではない)。
- 仕事があればすぐ就くことができる。
- 調査週間中に、仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた(過去の求職活動の結果を待っている場合を含む)。
3つ目の条件が効いています。働きたいと思っていても調査週間中に求職活動をしていなければ、完全失業者ではなく非労働力人口に入ります。同じ資料で、就業者は「従業者」と「休業者」を合わせたもの、従業者は調査週間中に収入を伴う仕事を1時間以上した者と定義されています。1時間でも働けば就業者です。
労働力人口・非労働力人口・完全失業率の関係
同じ用語の解説で、労働力人口は15歳以上の人口のうち就業者と完全失業者を合わせたもの、非労働力人口は15歳以上の人口のうち就業者と完全失業者以外の者、完全失業率は労働力人口に占める完全失業者の割合と定義されています。非労働力人口は通学・家事・その他(高齢者など)に区分されます。
ここで押さえておきたいのは、完全失業率の分母が15歳以上人口ではなく労働力人口だという点です。働く意思のある人が減って労働力人口そのものが縮むと、完全失業者が同じ人数でも完全失業率は上がります。逆に、求職活動をやめた人が非労働力人口へ移ると、分子も分母も減って失業率は下がります。失業率が下がったこと自体は、雇用が良くなった証拠にも悪くなった証拠にもなります。
都道府県別の数値はモデル推計値である
労働力調査は、都道府県別に表章するように標本設計を行っておらず(北海道及び沖縄県を除く)、標本規模も小さいことなどから、全国結果に比べ結果精度が十分に確保できないとされています。都道府県別の数値は、労働力調査の結果を都道府県別に時系列回帰モデルによって推計した値です。推計方法は統計局の「都道府県別結果(モデル推計値)について」に説明があります。
この注意書きは、都道府県別結果の表の欄外に毎回書かれています。岩手県の数値を扱うときは、前期比0.1ポイントや前年同期比数千人といった小さな差を単独の根拠にせず、数年分の向きで見るのが安全です。
岩手県の2026年4〜6月期|完全失業率2.6%と就業者59万6千人
岩手県の2026年4〜6月期平均(モデル推計値)は次のとおりです。岩手県調査統計課の「いわての統計情報」に掲載されている労働力調査結果(四半期平均、年平均)の表から取りました。県の資料には令和8年8月28日公表と記載されています。

| 項目 | 2026年4〜6月期 | 前年同期との差 |
|---|---|---|
| 15歳以上人口 | 1,007千人 | 12千人減 |
| 労働力人口 | 611千人 | 15千人減 |
| 就業者 | 596千人 | 14千人減 |
| 完全失業者 | 16千人 | 1千人減 |
| 非労働力人口 | 395千人 | 3千人増 |
| 完全失業率 | 2.6% | 0.1ポイント低下 |
失業率は下がり、働く人も減っている
完全失業率は前年同期から0.1ポイント下がりました。数字だけ見れば改善です。しかし同じ表で、就業者は1万4千人減り、労働力人口は1万5千人減っています。完全失業者が1千人減ったのに対して、労働力人口の減り方はその15倍です。
つまりこの0.1ポイントの低下は、仕事に就けた人が増えたからではなく、分母の労働力人口が縮んだことと、完全失業者が微減したことの合わさった結果です。前の節で触れた「分母が労働力人口である」という定義が、そのまま数字に出ています。
1〜3月期と比べると
同じ資料の2026年1〜3月期平均は、15歳以上人口101万1千人、労働力人口57万7千人、就業者56万3千人、完全失業者1万5千人、非労働力人口43万4千人、完全失業率2.6%でした。完全失業率は1〜3月期も4〜6月期も2.6%で変わっていません。
就業者が1〜3月期の56万3千人から4〜6月期の59万6千人へ3万3千人増えているのは、岩手県では例年見られる動きです。前年の2025年も1〜3月期57万7千人から4〜6月期61万人へ増えています。四半期平均の原数値には季節的な変動が含まれるため、前の期と比べるのではなく、前年の同じ期と比べるのが基本です。
東北6県と全国の比較|失業率が低い県ほど人が足りている、ではない
東北6県の実数と完全失業率
2026年4〜6月期平均の都道府県別結果(モデル推計値)から、東北6県を並べます。数値は政府統計の総合窓口 e-Statの「労働力調査 都道府県別結果(モデル推計値)」に収録されている参考表から取りました。

| 県 | 15歳以上人口 | 労働力人口 | 就業者 | 完全失業者 | 非労働力人口 | 完全失業率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 青森県 | 1,024千人 | 637千人 | 619千人 | 18千人 | 386千人 | 2.8% |
| 岩手県 | 1,007千人 | 611千人 | 596千人 | 16千人 | 395千人 | 2.6% |
| 宮城県 | 1,991千人 | 1,259千人 | 1,220千人 | 39千人 | 731千人 | 3.1% |
| 秋田県 | 794千人 | 478千人 | 465千人 | 13千人 | 316千人 | 2.7% |
| 山形県 | 885千人 | 570千人 | 557千人 | 13千人 | 313千人 | 2.3% |
| 福島県 | 1,527千人 | 966千人 | 941千人 | 25千人 | 559千人 | 2.6% |
同じ表の全国の完全失業率は2.6%です。岩手県2.6%は全国と同じ値で、東北6県の中では山形県2.3%に次いで低く、福島県2.6%と並んでいます。
都市部のある県ほど失業率が高く出る
東北6県で最も完全失業率が高いのは宮城県の3.1%です。宮城県は仙台市を抱え、東北6県で最も15歳以上人口が多い県でもあります。人が集まる地域では、転職の途中にある人や、条件を選んで探している人が相対的に多く数えられます。完全失業率の高さは、そのまま「仕事が少ない」ことを意味しません。
逆に山形県2.3%、岩手県2.6%、秋田県2.7%のような低い値は、求職活動をしている人が少ないことの裏返しでもあります。岩手県の非労働力人口39万5千人は15歳以上人口100万7千人の4割近くを占めており、秋田県(15歳以上人口79万4千人に対し非労働力人口31万6千人)と同様に、働いていないし探してもいない層が厚い構造です。
採用の難しさは失業率には出ない
県内で採用に苦労している事業者が「岩手の失業率は2.6%で全国と同じ」と聞いても、実感とは合わないはずです。完全失業率は、労働力人口の中で仕事を探している人の割合を測る指標であって、企業側の採用のしやすさを測る指標ではありません。採用のしやすさは、次の節で扱う有効求人倍率や、業種別の求人・求職の数を見る必要があります。人材確保の打ち手そのものは「岩手の人材不足×AI戦略|採用難を補う業種別実例と助成金【2026】」で業種別に整理しています。
7年で就業者が8万4千人減った|4〜6月期で並べた岩手の推移
4〜6月期だけを8年分並べる
季節変動の影響を避けるため、4〜6月期だけを縦に並べます。数値はいずれも岩手県の労働力調査結果(四半期平均:モデル推計値)からで、差し引きは本記事で行ったものです。

| 年(4〜6月期) | 15歳以上人口 | 労働力人口 | 就業者 | 非労働力人口 | 完全失業率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2019年 | 1,090千人 | 693千人 | 680千人 | 397千人 | 1.9% |
| 2020年 | 1,080千人 | 685千人 | 668千人 | 395千人 | 2.5% |
| 2021年 | 1,070千人 | 668千人 | 652千人 | 400千人 | 2.4% |
| 2022年 | 1,058千人 | 661千人 | 647千人 | 396千人 | 2.3% |
| 2023年 | 1,045千人 | 651千人 | 638千人 | 394千人 | 2.2% |
| 2024年 | 1,033千人 | 646千人 | 631千人 | 387千人 | 2.3% |
| 2025年 | 1,019千人 | 626千人 | 610千人 | 392千人 | 2.7% |
| 2026年 | 1,007千人 | 611千人 | 596千人 | 395千人 | 2.6% |
減ったのは就業者と15歳以上人口、非労働力人口は動いていない
2019年4〜6月期から2026年4〜6月期にかけて、就業者は68万人から59万6千人へ8万4千人減りました。同じ期間に15歳以上人口は109万人から100万7千人へ8万3千人減っています。就業者の減り方と、15歳以上人口の減り方がほぼ同じ大きさです。
一方で非労働力人口は、2019年4〜6月期39万7千人から2026年4〜6月期39万5千人へ、2千人しか減っていません。働いていないし探してもいない人の数はほとんど変わらず、働いている人だけが8万4千人減った、という形です。
この構造は、県内の事業者にとって重要な意味を持ちます。岩手県で人が採れないのは景気の波ではなく、母集団そのものが毎年1万人前後のペースで小さくなっているからです。来年の採用計画を今年と同じ前提で組むと、同じ求人を出しても応募が減る、という結果になります。
年平均で見ても同じ向き
四半期ではなく年平均でも確かめられます。岩手県の年平均(モデル推計値・令和8年5月29日公表)は、2019年が15歳以上人口109万人・就業者66万4千人・完全失業率1.9%、2022年が105万8千人・63万4千人・2.2%、2025年が101万9千人・59万9千人・2.4%です。
2019年から2025年までの6年で、年平均の就業者は6万5千人減り、完全失業率は0.5ポイント上がっています(いずれも本記事で差し引き)。四半期で見ても年平均で見ても、就業者が減りながら失業率が2%台前半から半ばで推移する、という同じ向きが出ています。
完全失業者1万6千人と有効求職者1万2,851人はなぜ違うのか
岩手県で「仕事を探している人」を表す数字は、少なくとも2つあります。労働力調査の完全失業者1万6千人と、ハローワークの月間有効求職者数です。この2つは近い値になりますが、別の調べ方で作られた別の数字です。

調べ方も対象も違う
労働力調査の完全失業者は、世帯への聞き取りに基づく推計値です。ハローワークに登録しているかどうかは関係なく、調査週間中に求職活動をしていれば完全失業者に数えられます。都道府県別の値は時系列回帰モデルによる推計値です。
これに対して職業安定業務統計の求職者数は、ハローワークの窓口に求職申込みをした人の実数です。登録していなければ数に入りませんし、登録していれば数に入ります。岩手労働局「岩手県の労働市場 令和8年7月分」によると、令和8年7月の月間有効求職者数は1万2,851人(学卒及びパートを除く・原数値)で、前年同月から8人の減少でした。パートタイムの月間有効求職者数は別に8,205人で、前年同月比3.3%・265人の増加です。
2つの数字を足したり、一方から他方を引いたりして「隠れ失業者」を出すような使い方はできません。用途で選ぶのが正しい使い方です。県全体の労働力の大きさを語るなら労働力調査、ハローワーク経由の採用の見込みを語るなら職業安定業務統計です。
求人側の数字は増えている
同じ令和8年7月分の資料では、新規求人数は6,168人で前年同月比8.6%・490人の増加、月間有効求人数は1万7,020人で6.1%・972人の増加でした。産業別の新規求人は製造業が29.5%増、サービス業が17.2%増、卸売業・小売業が14.8%減、医療・福祉が6.0%減です。
求人倍率(学卒を除きパートを含む)は、季節調整値で新規求人倍率1.86倍(前月を0.05ポイント下回る)・有効求人倍率1.16倍(前月を0.04ポイント上回る)、原数値で新規求人倍率2.02倍(前年同月を0.01ポイント上回る)・有効求人倍率1.14倍(前年同月を0.08ポイント上回る)でした。同じ資料の総括判断は「県内経済は、持ち直しつつある」、雇用情勢は「横ばいの状況にある」です。生産活動については、電子部品・デバイスでデータセンター向けが好調と記載されています。
求人が増え、求職が横ばいで、就業者が減っている。この3つが同時に起きているのが、いまの岩手県の状態です。
就職件数は減っている
同じ資料で、令和8年7月の就職件数は834件で前年同月比9.2%・85件の減少、パートタイムの就職件数は608件で4.9%・31件の減少でした。求人が増えているのに就職件数は減っています。募集を出す側が増えても、決まる数は増えていないということです。
求人票の条件が相場から外れていないかを確かめるには、同じ月の求人賃金と求職者の希望賃金を並べた資料が使えます。県内の職種別の水準は「岩手の職業別求人賃金2026|求人下限204,437円・希望210,396円」で整理しています。
非労働力人口39万5千人をどう見るか|岩手の制度と県の会議
岩手県の非労働力人口は2026年4〜6月期で39万5千人です。総務省統計局の用語の解説では、非労働力人口は通学・家事・その他(高齢者など)に区分されます。7年間ほとんど減っていないこの層は、県内の事業者にとって唯一まだ動かせる余地のある塊でもあります。

働く時間を抑えている人に効く制度が変わっている
家事のかたわらに働ける人が、あえて働く時間を抑えている場合があります。所得税の基礎控除の引き上げや、社会保険の適用範囲の見直しは、この判断に直接影響します。制度側の2026年の変更点は「岩手の年末調整2026×AI|基礎控除引き上げ・103万円の壁対応」と「岩手の社会保険適用拡大×AI|106万円の壁撤廃対応ガイド【2026】」で整理しています。
制度が変わったことを、パート・アルバイトを雇っている側が先に伝えられるかどうかで、シフトに入れる時間は変わります。労働力調査の数字だけを見ていても、この差は出てきません。
若い層は数が決まっている
非労働力人口の「通学」にあたる層は、卒業のタイミングで労働力人口に入ります。県内の高校卒業者をどう迎えるかは「岩手の高卒採用×AI活用ガイド2026|求人票・職場見学・9月選考の準備」に手順をまとめています。県内で学ぶ学生の進路の選択肢は「岩手でAIを学ぶ高校生・大学生の進路マップ|大学・高専・独学・地元就職【2026】」で扱っています。
ただし、この層は人数が先に決まっています。8万4千人減った就業者を高卒・大卒の採用だけで埋め戻すことはできません。
県は「いわてで働こう推進本部会議」で扱っている
岩手県は、雇用と人材確保を庁内横断で扱う「いわてで働こう推進本部会議」を設けています。令和8年度いわてで働こう推進本部会議は、2026年6月16日(火曜)11時00分から12時00分まで、県庁第一応接室で開催されたと県のページに記載されています。過去の年度分の開催状況も同じ「いわてで働こう推進本部会議」のページに並んでいます。
県の施策の方向を確かめたいときは、この会議のページと、県の産業・雇用の分野ページを見るのが早いです。自社の申請や相談の前に、県がどの課題をどの部署で扱っているかを把握しておくと、窓口を探す手間が減ります。
介護・医療は求人が減っても人は足りない
令和8年7月分の新規求人では医療・福祉が6.0%減でしたが、これは人が足りたという意味ではありません。募集を出しても決まらない状態が続けば、募集自体を控えることがあります。県内の介護現場の実情と、記録・シフト・採用の実務は「岩手の介護人材不足×AI|記録・シフト・採用の実務【2026】」でまとめています。
数字を自社の採用計画に落とす手順|生成AIに任せる作業と任せない作業
ここまでの数字を自社の計画に使うときの手順です。

5つの手順
- 前年同期と比べる。 四半期平均の原数値には季節変動が含まれます。前の期ではなく前年の同じ期と比べます。
- 母集団の向きを先に置く。 岩手県の15歳以上人口は4〜6月期で7年に8万3千人減りました。来年の応募数の前提を今年と同じにしないところから始めます。
- 失業率ではなく実数で見る。 完全失業率2.6%ではなく、就業者59万6千人・完全失業者1万6千人・非労働力人口39万5千人という実数で見ます。率は分母が動くと意味が変わります。
- 用途で統計を選ぶ。 県全体の労働力の大きさは労働力調査、ハローワーク経由の採用見込みは岩手県の労働市場、賃金の相場は賃金構造基本統計調査や職業別求人賃金です。
- モデル推計値であることを注記する。 社内資料や金融機関向けの資料に載せるときは「都道府県別はモデル推計値で標本誤差が大きい」旨を必ず添えます。
生成AIに任せてよい作業
- 県や統計局の表から抜き出した数値を、社内向けの説明文に書き換える。
- 数年分の推移を、部署ごとに読みやすい箇条書きに整理する。
- 採用計画の前提と根拠を、稟議書や事業計画書の文章に起こす。
- 用語の解説の定義を、面接官や現場管理職向けにかみ砕いた説明に直す。
- 会議資料の見出しや要約の候補を複数案つくる。
生成AIに任せてはいけない作業
- 統計表から数値を転記すること。桁と単位(千人・%・ポイント)の取り違えが起きやすく、検算できない形で資料に載ると後戻りが大きくなります。数値の転記は人が行い、出典のページと公表日を添えます。
- 完全失業者と有効求職者のどちらを使うかの判断。定義が違う数字なので、用途に応じて人が選びます。
- モデル推計値の解釈。0.1ポイントの差に意味があるかどうかの判断は、統計の性質を理解した人が行います。
- 公表されていない数値の推計。「岩手県の市町村別の完全失業率」のような、元の統計にない粒度の数字を生成AIに出させると、もっともらしい誤りが返ってきます。労働力調査の都道府県別結果に市町村別はありません。
県内の中小企業で生成AIの利用がどこまで進んでいるかは「生成AI活用、中小企業は32.3%どまり|岩手の企業が今すぐやること」で扱っています。統計の読み取りや資料づくりを含む事務作業の軽くし方は「岩手の中小企業がAIで経理・総務・社内文書を軽くする方法」にまとめています。
よくある質問
Q. 岩手県の完全失業率はどこで確認できますか。
岩手県調査統計課の「いわての統計情報」に、労働力調査結果(四半期平均、年平均)の岩手県分が掲載されています。全47都道府県を並べた表は、政府統計の総合窓口 e-Statの労働力調査 都道府県別結果(モデル推計値)にあります。全国の月次の数値は総務省統計局の労働力調査のページです。
Q. 完全失業率2.6%は、岩手の雇用が良いということですか。
そう読むのは早いです。完全失業率の分母は労働力人口で、2026年4〜6月期は前年同期から1万5千人減っています。完全失業者が1千人減った一方で、就業者も1万4千人減りました。率の低下は、仕事に就けた人が増えた結果とは限りません。
Q. 有効求人倍率と完全失業率は、どちらを見ればよいですか。
目的で分けます。採用のしやすさや求人の増減を見たいときは、岩手労働局が毎月出す有効求人倍率(令和8年7月分は季節調整値1.16倍)が向いています。県全体で働いている人・探している人・探していない人がそれぞれ何人いるかを見たいときは、労働力調査です。
Q. 8万4千人減ったという数字は、資料のどこに書いてありますか。
差そのものは資料に書かれていません。岩手県の労働力調査結果(四半期平均:モデル推計値)の表から、2019年4〜6月期の就業者680千人と2026年4〜6月期の596千人を取り、本記事で差し引いた値です。元の値はいずれも公表されている表の数字です。
Q. 市町村別の完全失業率はありますか。
労働力調査には市町村別の結果はありません。都道府県別でも時系列回帰モデルによる推計値で、標本誤差が全国結果より大きい点に注意が必要とされています。市町村単位で就業状態を見たい場合は、5年ごとの国勢調査の就業状態等基本集計を使います。
Q. 次の数字はいつ出ますか。
労働力調査の都道府県別結果(モデル推計値)は四半期平均で公表されます。2026年4〜6月期平均は2026年8月28日の公表でした。年平均の結果は毎年1〜3月期平均の公表時に過去にさかのぼって一部改定されるため、過去の数値を引用するときは取得した時点を控えておくのが安全です。
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参考・出典
- 総務省統計局「労働力調査」
- 総務省統計局「労働力調査(基本集計)月次結果」(2026年(令和8年)7月分結果・2026年8月28日公表)
- 総務省統計局「労働力調査 用語の解説」
- 総務省統計局「労働力調査 結果表の利用に関する参考資料」(最終更新2026年3月)
- 総務省統計局「都道府県別結果(モデル推計値)について」
- 政府統計の総合窓口 e-Stat「労働力調査 都道府県別結果(モデル推計値)」(2026年4〜6月期平均)
- 岩手県「いわての統計情報(統計調査結果 最新)」労働力調査結果(四半期平均、年平均)
- 岩手県「令和8年度いわてで働こう推進本部会議について」(2026年6月16日開催)
- 岩手県「いわてで働こう推進本部会議」
- 岩手労働局「岩手県の労働市場 令和8年7月分」
- 岩手労働局「岩手県の労働市場」