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岩手の職業別求人賃金2026|求人下限204,437円・希望210,396円

岩手の職業別求人賃金2026|求人下限204,437円・希望210,396円

岩手県内のハローワークに2026年7月に出たフルタイム求人は3,418件で、求人票に書かれた賃金の下限は平均204,437円、上限は平均259,227円でした。同じ月に求職者が希望した賃金の平均は210,396円です。岩手労働局が毎月公表している「職業別 新規求人・求職 平均賃金情報(常用)2026年07月」に載っている数字です。

求人票の賃金を決めるとき、多くの会社は「同業の知り合いに聞く」「求人サイトで似た求人を眺める」で済ませています。ところが岩手労働局の資料を見ると、職業ごとに、県内10か所のハローワークごとに、求人側が提示している賃金と求職者側が希望している賃金が、毎月そのまま数字で出ています。無料で、しかも自社が求人を出す職業の欄をそのまま読めば済みます。

この記事では、この資料の読み方、2026年7月の県計と職業別の数字、製造・介護・建設・運転・事務という県内の主要な職業への当てはめ方、ハローワーク別の違い、答申が出た最低賃金1,090円との関係、そして自社の求人票の賃金を決める手順を整理します。生成AIに任せてよい作業と任せてはいけない作業も最後にまとめます。

この記事の要点

  • 2026年7月の岩手県計(常用フルタイム)は、求人件数3,418件、求人の上限259,227円、求人の下限204,437円、求職希望賃金210,396円です。
  • 求職者の希望賃金は、ほとんどの職業で「求人の下限より高く、求人の上限より低い」位置にあります。県計では下限204,437円と上限259,227円の間に希望210,396円が入ります。
  • 前年同月(2025年7月)の下限は195,196円、希望は200,244円でした。下限も希望も1年で上がっています。
  • パートタイムの県計は、求人の上限1,209円、下限1,121円、求職希望賃金1,090円です。答申された改正後の岩手県最低賃金と同じ1,090円が、求職者の希望時給の平均になっています。
  • ハローワーク別の求人下限は、北上211,622円、久慈208,667円、盛岡206,930円が県計を上回り、釜石195,422円、宮古196,387円が低い側です。
  • 一般事務は求人242件に対して希望賃金を登録した求職者が623人、逆に自動車運転は求人166件に対して95人です。件数の欄を読むと、賃金だけでは埋まらない職業が分かります。
  • この資料の賃金は基本給と定期的に支払われる手当の合計で、通勤手当は含まず、新規学卒者は除かれています。高卒・大卒の初任給の目安には使えません。
  • 数字を写すのは人、自社の求人票と並べた説明文を作るのが生成AI、という分担なら安全に作業を軽くできます。

職業別新規求人・求職平均賃金情報は何を測っている資料か

岩手労働局は「岩手県の職業別新規求人・求職平均賃金情報」というページで、月ごとのPDFを公開しています。中身は、その月にハローワークが受け付けた新規求人の賃金と、その月に新しく求職登録した人が希望した賃金を、職業の分類ごとに平均したものです。県計の1枚と、盛岡・釜石・宮古・花巻・一関・水沢・北上・大船渡・二戸・久慈の10か所のハローワーク別の10枚で、合計11枚の表になっています。

資料の表にある5つの欄、求人件数・希望賃金件数・求人の上限・求人の下限・求職希望賃金を左から右に並べた図。
図1 表の5つの欄(フルタイムは月額、パートタイムは時給)

表の5つの欄

フルタイム、パートタイムのそれぞれに5つの欄があります。

  1. 求人件数(その月にハローワークが受理した新規求人の件数)
  2. 希望賃金件数(その月に希望賃金を登録した新規求職者の件数)
  3. 求人の上限(求人票に書かれた賃金の上限額の平均)
  4. 求人の下限(求人票に書かれた賃金の下限額の平均)
  5. 求職希望賃金(求職者が登録した希望賃金の平均)

フルタイムは月額(税込・円)、パートタイムは時給(税込・円)です。求人票の賃金は「200,000円から250,000円」のように幅で書かれることが多いので、上限と下限が別々に平均されています。求職者側の希望は1つの金額なので、欄は1つです。

「求人募集賃金」の定義

資料の注に「求人募集賃金は基本給+定期的に支払われる手当(通勤手当等含まず)、新規学卒者を除く」と書いてあります。つまりここに出てくる金額は、基本給に毎月決まって払う手当を足したもので、通勤手当や残業代、賞与は入っていません。自社の求人票の数字と比べるときは、同じ範囲に揃えてから比べる必要があります。

新規学卒者の求人は集計から除かれています。高校や大学を卒業する人向けの初任給の相場は、この資料では分かりません。高卒採用の求人票の作り方は「岩手の高卒採用×AI活用ガイド2026|求人票・職場見学・9月選考の準備」に分けて整理しています。

職業の分類は「日本標準職業分類」

職業の区分は平成21年12月改定の日本標準職業分類に基づいていて、A管理的職業からK運搬・清掃・包装等までの11の大分類と、その下の中分類で並んでいます。自社の求人がどの中分類に入るかは、岩手労働局の「掲載されている職業の内訳(2025年11月11日現在)」に職業例が書かれています。たとえば「25一般事務従事者」には庶務・医療事務員やコールセンターオペレーター、「36介護サービス職業従事者」にはホームヘルパーや看護助手、「52製品製造・加工処理従事者(金属製品)」には鋳物工やフライス盤工、マシニングセンターオペレーターが入ります。

2026年7月の県計|求人下限204,437円と希望賃金210,396円

2026年7月の県計(常用フルタイム)は次のとおりです。出典は岩手労働局「職業別 新規求人・求職 平均賃金情報(常用)2026年07月」です。

2025年7月の求人の下限195,196円・求職希望賃金200,244円と、2026年7月の求人の下限204,437円・求職希望賃金210,396円を左右2枚で比べた図。
図2 前年同月と2026年7月の求人下限と求職希望賃金(県計・フルタイム)
フルタイム(月額・円) パートタイム(時給・円)
求人件数 3,418 1,627
希望賃金件数 2,602 1,368
求人の上限 259,227 1,209
求人の下限 204,437 1,121
求職希望賃金 210,396 1,090

4つの月額の並び

フルタイムでは、求人の下限204,437円、求職者の希望210,396円、求人の上限259,227円の順に並びます。求職者が希望する額は、会社が提示する幅の中の下寄りにあります。「求人票の下限額だけを見て応募をやめる人がいる」という現場の実感は、この並びからも説明がつきます。

前年同月と前月との比較

前年同月と前月の県計を、同じ資料の別の月のPDFから並べます。出典は岩手労働局「職業別 新規求人・求職 平均賃金情報(常用)2025年07月」と「同 2026年06月」です。

求人件数 求人の上限 求人の下限 求職希望賃金
2025年7月 3,331 249,242 195,196 200,244
2026年6月 3,343 263,859 203,861 210,937
2026年7月 3,418 259,227 204,437 210,396

2025年7月から2026年7月にかけて、求人の下限は195,196円から204,437円に、求職希望賃金は200,244円から210,396円に上がりました。差はそれぞれ9,241円と10,152円で、出典の値どうしの単純な差です。会社側の提示も求職者側の希望も、1年でそれだけ上がっていることになります。

パートの時給は希望1,090円・求人下限1,121円

パートタイムは、求人の下限1,121円、求職希望賃金1,090円、求人の上限1,209円です。前年同月(2025年7月)は下限1,057円、希望1,017円、上限1,144円でした。パートは求職者の希望が求人の下限より低く、フルタイムとは並びが逆です。求人票の時給がすでに求職者の希望を上回っているのに応募が来ないなら、賃金以外(勤務時間帯・日数・通いやすさ)を見直す余地があるという読み方ができます。

職業大分類で見る求人賃金と希望賃金の差

11の大分類のフルタイム(2026年7月・県計)を並べます。出典は同じ「職業別 新規求人・求職 平均賃金情報(常用)2026年07月」です。

求人の下限204,437円、求職希望賃金210,396円、求人の上限259,227円が左下から右上へ並び、求職者の希望が求人の幅の中にあることを示した図。
図3 求人の下限・求職希望賃金・求人の上限の並び(県計・フルタイム)
大分類 求人件数 求人の上限 求人の下限 求職希望賃金
A管理的職業従事者 12 294,418 237,262 222,857
B専門的・技術的職業従事者 824 300,744 224,411 228,814
C事務従事者 404 228,254 191,343 198,058
D販売従事者 277 276,704 209,806 253,117
Eサービス職業従事者 527 231,276 194,559 199,858
F保安職業従事者 88 228,135 203,238 202,632
G農林漁業従事者 53 240,364 198,237 204,643
H生産工程従事者 564 242,967 192,111 206,651
I輸送・機械運転従事者 230 258,153 210,130 226,127
J建設・採掘従事者 257 293,904 206,223 232,105
K運搬・清掃・包装等従事者 182 215,335 192,205 197,428

希望が下限を上回る職業が大半

11の大分類のうち、求職希望賃金が求人の下限を上回っているのは9つです。下限のほうが高いのはA管理的職業(下限237,262円・希望222,857円)とF保安職業(下限203,238円・希望202,632円)だけで、Fはほぼ同額です。求人件数が多いB専門的・技術的職業、H生産工程、Eサービス、C事務では、いずれも希望が下限より高い位置にあります。

差が大きい職業

差がとくに大きいのはD販売従事者で、下限209,806円に対して希望が253,117円です。中を見ると「34営業職業従事者」の求職希望賃金が352,353円と突出していて、これが大分類の平均を押し上げています。営業の求人は193件に対して希望賃金を登録した求職者が51人と少ないので、少数の高い希望額が平均に強く出ています。J建設・採掘従事者も下限206,223円に対して希望232,105円で、差が大きい職業です。

件数が少ない欄の読み方

この資料は月ごとの新規分だけを平均しているので、件数が少ない欄は月によって大きく動きます。A管理的職業は求人12件・希望賃金件数7件しかなく、1件の求人で平均が変わります。中分類まで下りると「求人1件・希望1件」の欄も珍しくありません。件数が2桁に満たない欄は、その月の数字を単独で使わず、前後の月と並べてから使うのが安全です。

県内の主要な職業に当てはめる|製造・介護・建設・運転・事務

岩手の事業者から相談が多い5つの職業について、2026年7月の県計(フルタイム)を中分類で見ます。出典はすべて岩手労働局「職業別 新規求人・求職 平均賃金情報(常用)2026年07月」です。

H生産工程従事者192,111円、36介護サービス職業従事者188,751円、J建設・採掘従事者206,223円、61自動車運転従事者212,046円、25一般事務従事者188,510円という求人の下限を五段で示した図。
図4 5つの職業の求人の下限(県計・フルタイム・2026年7月)

製造業(H生産工程従事者)

H生産工程従事者は求人564件、求人の上限242,967円、下限192,111円、求職希望賃金206,651円です。中分類では「52製品製造・加工処理従事者(金属製品)」が求人103件・下限189,570円・希望215,870円、「53製品製造・加工処理従事者(金属製品を除く)」が求人143件・下限191,798円・希望198,598円、「55機械整備・修理従事者」が求人150件・下限194,986円・希望235,172円です。機械整備・修理は求人150件に対して希望賃金を登録した求職者が29人しかおらず、希望額235,172円は下限194,986円よりかなり高い位置にあります。

反対に「54機械組立従事者」は求人65件に対して希望賃金件数が131件と、求職者のほうが多い職業です。同じ製造業でも、賃金を上げれば集まる職業と、そもそも求職者がいない職業があります。製造現場の記録や手順書の整え方は「岩手の製造業がAIで品質記録・作業手順を整える方法」で扱っています。

介護(36介護サービス職業従事者)

36介護サービス職業従事者は求人235件、上限228,317円、下限188,751円、希望202,292円です。パートは求人154件、上限1,279円、下限1,111円、希望1,068円でした。資料には「福祉関連計」「介護関連小計」という欄もあり、介護関連小計は求人348件、下限192,282円、希望203,657円です。介護施設のシフトや記録の実務は「岩手の特養・老健・グループホームがAIで介護記録・シフト・見守りを効率化する実践ガイド」にまとめています。

建設(J建設・採掘従事者)

J建設・採掘従事者は求人257件、上限293,904円、下限206,223円、希望232,105円です。中分類では「66建設従事者(建設躯体工事従事者を除く)」が求人72件・下限204,614円・希望241,905円、「68土木作業従事者」が求人109件・下限201,977円・希望225,484円、「65建設躯体工事従事者」が求人35件・下限216,493円・希望208,571円です。技術者側の「09建築・土木・測量技術者」は求人152件、上限365,101円、下限243,569円、希望273,000円で、作業員とは別の水準にあります。建設業の書類仕事と人手不足の対策は「岩手の建設業×AI実践ガイド2026|書類仕事と人手不足対策の始め方」を参照してください。

自動車運転(61自動車運転従事者)

61自動車運転従事者は求人166件、上限256,888円、下限212,046円、希望236,316円です。前年同月(2025年7月)は求人149件、下限208,941円、希望212,819円で、希望賃金件数は149件でした。2026年7月は希望賃金件数が95件に減り、希望額は236,316円に上がっています。運転手を探す事業者が増える一方で、求職者の側は減って希望額が上がっている、という組み合わせです。運行日報や乗務員教育の実務は「岩手のタクシー・バス会社のAI活用ガイド|運行日報・乗務員教育・多言語案内を効率化」で扱っています。

一般事務(25一般事務従事者)

25一般事務従事者は求人242件、上限223,017円、下限188,510円、希望194,719円です。希望賃金件数は623件で、求人件数の2倍を超えています。パートも求人137件に対して希望賃金件数282件です。事務は県内で最も求職者が多い職業のひとつで、賃金を上げなくても応募が集まりやすい反面、応募者の中から選ぶ手間がかかります。経理・総務の仕事そのものを軽くする方法は「岩手の中小企業がAIで経理・総務・社内文書を軽くする方法」に整理しています。

ハローワーク別|盛岡・北上・一関で求人の下限はどう違うか

10か所のハローワークの職業計(2026年7月・フルタイム)を並べます。出典は同じ「職業別 新規求人・求職 平均賃金情報(常用)2026年07月」の2枚目以降です。

求人の下限が県計204,437円を上回るハローワークが北上211,622円・久慈208,667円・盛岡206,930円、低い側が釜石195,422円・宮古196,387円であることを二手に分けて示した図。
図5 求人の下限が県計204,437円を上回るハローワークと低い側のハローワーク
ハローワーク 求人件数 求人の上限 求人の下限 求職希望賃金
盛岡 1,387 262,874 206,930 217,187
釜石 148 237,094 195,422 196,063
宮古 188 249,571 196,387 200,828
花巻 266 265,909 204,424 220,091
一関 311 249,379 199,720 205,918
水沢 397 250,100 200,051 206,815
北上 350 274,513 211,622 218,866
大船渡 134 262,838 201,550 186,195
二戸 101 243,360 203,434 187,368
久慈 136 264,455 208,667 196,316

県計を上回るのは北上・久慈・盛岡

県計の求人下限204,437円を上回るのは、北上211,622円、久慈208,667円、盛岡206,930円の3か所です。北上は上限も274,513円で10か所の中で最も高く、生産工程従事者だけを見ても求人88件、下限206,019円、希望218,689円と、県計の生産工程の下限192,111円を上回ります。工場の集まる地域で求人賃金が高く出ている形です。

沿岸は下限が低く、希望も低い

釜石195,422円、宮古196,387円は下限が低い側で、求職希望賃金も釜石196,063円、宮古200,828円と県計より低くなっています。求人側の提示と求職者側の希望が、どちらも低い位置で近づいている地域です。大船渡は下限201,550円に対して希望が186,195円、二戸は下限203,434円に対して希望187,368円、久慈は下限208,667円に対して希望196,316円で、この3か所は求職者の希望が求人の下限より低い、県計とは逆の並びになっています。

同じ職業でも安定所で違う

一般事務を例にすると、盛岡は求人113件に対して希望賃金件数338件、下限189,324円、希望199,467円です。北上は求人17件・希望件数45件・下限187,963円・希望204,444円、一関は求人28件・希望件数54件・下限187,678円・希望188,519円でした。求人票の賃金を決めるときは、県計ではなく自社の事業所を管轄するハローワークの枚を読むほうが、応募する人の実感に近くなります。

最低賃金1,090円との関係|パート時給の下限を点検する

岩手地方最低賃金審議会は2026年8月31日、現行の岩手県最低賃金の時間額1,031円を59円引き上げて1,090円(引上げ率5.72%)とする答申を岩手労働局長に行いました。改正後の最低賃金は令和8年12月1日から発効される予定です(岩手労働局「令和8年度岩手県最低賃金の改正答申について」令和8年8月31日)。

現行の岩手県最低賃金1,031円、改正後の最低賃金1,090円、パート求人の下限1,121円、パート求人の上限1,209円が階段状に並ぶことを示した図。
図6 現行の最低賃金からパート求人の上限までの並び(時給)

パートの求人下限1,121円は改正後より上

2026年7月のパートタイム県計は、パート求人の下限1,121円、パート求人の上限1,209円でした。平均で見れば、7月時点の新規求人はすでに改正後の1,090円を上回る時給で出ています。ただし平均であって全件ではありません。中分類には下限が現行の最低賃金1,031円ちょうどの欄もあり(「34営業職業従事者」のパートは求人2件で下限1,031円)、求職者側でも「52製品製造・加工処理従事者(金属製品)」のパートの希望は1,031円です。現行の最低賃金に張り付いた求人と希望が、まだ残っていることが読み取れます。

求職者の希望時給が1,090円

パートの求職希望賃金の県計は1,090円で、答申された改正後の最低賃金と同じ額です。前年同月の希望は1,017円、前月(2026年6月)は1,075円でした。求職者の希望が改正額に先に追いついている状態なので、12月1日以降に最低賃金ちょうどで求人を出すと、求職者の希望と同額、下限の平均1,121円より低い求人票になります。

12月1日までに点検すること

  • 自社のパート求人票の時給が、改正後の1,090円を下回っていないか。
  • 時給1,090円台で出している求人が、同じ職業の求人下限の平均(県計1,121円)とどれだけ離れているか。
  • 月給制の従業員について、所定労働時間で割った時間額が1,090円以上になっているか。

最低賃金の改正手続きや官報公示後の確定額は、岩手労働局の「賃金関係」のページで確認してください。

求人票の賃金を決める手順|統計を自社の求人に落とす5手順

資料の数字をそのまま求人票に写すのではなく、自社の求人の位置を確かめる材料として使う手順です。

管轄のハローワークの枚を開き、自社の職業の中分類を決め、5つの欄を書き写し、自社の求人票の賃金を同じ範囲に直し、前年同月と並べるまでの5手順を左から右に並べた図。
図7 統計を自社の求人票に落とす5手順

手順1 管轄のハローワークの枚を開く

最新月のPDFを開き、県計ではなく自社の事業所を管轄するハローワークの枚を探します。10か所のどれに当たるかは、求人を出したことがあれば求人票の受理安定所名で分かります。

手順2 自社の職業の中分類を決める

「掲載されている職業の内訳」の職業例で、自社の求人がどの中分類に入るかを決めます。製造業なら「52」「53」「54」「55」のどれか、介護なら「36」、事務なら「25」か「26」です。迷ったら求人を受理したハローワークに聞くのが確実です。

手順3 5つの欄を書き写す

その中分類の求人件数、希望賃金件数、求人の上限、求人の下限、求職希望賃金の5つを、フルタイムとパートに分けて書き写します。件数が1桁の欄には印を付けておきます。

手順4 自社の求人票の賃金を同じ範囲に直す

自社の求人票の賃金から通勤手当と残業代を外し、基本給と毎月決まって払う手当だけにします。その額を、書き写した下限・希望・上限の並びのどこに置けるかを見ます。

手順5 前年同月と並べる

同じ中分類の前年同月の欄を横に置き、下限と希望がどれだけ動いたかを見ます。求人件数と希望賃金件数の比率も並べると、賃金で解決する職業か、そもそも求職者が少ない職業かが分かります。有効求人倍率のような県全体の数字は岩手労働局の「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」にあり、2026年7月の有効求人倍率(受理地別・季節調整値)は1.16倍でした。

生成AIに任せてよい作業と任せてはいけない作業

この資料は表だけのPDFなので、生成AIの使いどころは「数字を読む」ではなく「読んだ数字を説明に直す」側にあります。

生成AIに任せてよい作業は経営者向けの3行の要約と社内会議用の比較の文章、任せてはいけない作業はPDFをそのまま読ませて職業別の数字を拾わせること・資料にない職業や安定所の数字を推測させること・「相場」「平均年収」と言い換えさせることだと二手に分けて示した図。
図8 生成AIに任せてよい作業と任せてはいけない作業

任せてよい作業

  • 書き写した5つの欄と自社の求人票の賃金を渡して、経営者向けの3行の要約を作らせる。
  • 求人票の仕事内容の文章を、同じ中分類の職業例の言葉づかいに合わせて書き直させる。
  • 前年同月と今月の数字を渡して、社内会議用の比較の文章を作らせる。

任せてはいけない作業

  • PDFをそのまま読ませて、職業別の数字を拾わせる。表の列がずれて、上限と下限、求人と求職を取り違えたまま出てくることがあります。
  • 資料にない職業や安定所の数字を推測させる。
  • 「相場」「平均年収」と言い換えさせる。この資料は新規求人と新規求職の月ごとの平均で、在職者の賃金でも年収でもありません。

入力してはいけない情報

従業員個人の賃金、応募者の氏名や履歴書の内容は、生成AIに入力しないでください。渡すのは資料の数字と、自社の求人票に書く予定の賃金だけで足ります。

よくある質問

Q. この資料の賃金は、岩手県の平均給与と考えてよいですか。

いいえ。ここに出るのは、その月にハローワークが受け付けた新規求人の賃金と、新規求職者の希望賃金の平均です。在職者の給与ではありません。在職者の給与の統計は毎月勤労統計や賃金構造基本統計調査が別にあります。

Q. 毎月いつ更新されますか。

岩手労働局のページには月ごとのPDFが並び、2026年9月時点で最新は2026年7月分です。対象月から2か月ほど遅れて載る形なので、求人票を出す直前に最新月を確認してください。

Q. 新卒の初任給の相場は分かりますか。

分かりません。資料の注に「新規学卒者を除く」と書かれています。高卒・大卒の求人票は別の資料と手続きになります。

Q. 求人の下限より高い賃金を書けば応募は来ますか。

賃金だけでは決まりません。一般事務のように求人件数より希望賃金件数が多い職業は、賃金を上げなくても応募が集まります。機械整備・修理や自動車運転のように希望賃金件数が求人件数を大きく下回る職業は、賃金を上げても求職者そのものが少ない状態です。件数の欄を先に見てください。

Q. パートの時給はいくらにすれば最低賃金の改正に間に合いますか。

答申どおりなら令和8年12月1日から1,090円です。2026年7月の県内パート求人の下限の平均は1,121円、求職者の希望の平均は1,090円でした。官報公示後の確定額は岩手労働局のページで確認してください。

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参考・出典