令和8年度(2026年度)の全国労働衛生週間は、10月1日(木)から10月7日(水)までの7日間で、その前の9月1日から9月30日までが準備期間です。今年で第77回、スローガンは「ひとりひとりが貴重な人材 心も体も健やかに みんな生き生き健康職場」に決まりました。準備期間にやることは厚生労働省の実施要綱で「日常の労働衛生活動の総点検」と明記されています。つまり9月は、新しい取り組みを始める月ではなく、すでにやっているはずのことが本当に回っているかを確かめる月です。そして岩手の場合、その総点検にはっきりした照準があります。岩手労働局が2026年8月24日に公表した令和8年1〜7月の労働災害発生状況(速報値)では、死傷者数775人のうち転倒によるものが286人(36.9%)で最多、その転倒災害の74.5%を50代以上が占めています。「うちは製造ラインの機械が危ない」ではなく、「うちは通路とベテラン社員が危ない」というのが、いま岩手で起きている実際の姿です。
この記事の要点
- 令和8年度の全国労働衛生週間は10月1日〜7日、準備期間は9月1日〜30日。第77回で、主唱者は厚生労働省と中央労働災害防止協会。実施者は「各事業場」=自社であり、労働局が代わりにやってくれる行事ではない。
- 準備期間にやることは実施要綱で「日常の労働衛生活動の総点検」と定義されている。重点事項は健康保持増進、女性の健康課題、治療と就業の両立支援、メンタルヘルス、過重労働、熱中症、小規模事業場の産業保健、個人事業者等、化学物質、石綿の各項目。
- 岩手の令和8年1〜7月の労働災害は死傷者775人(前年同期比+32人、4.3%増)/死亡4人。事故の型は転倒286人(36.9%)が最多で、転倒の74.5%が50代以上。業種別では製造業171人(14.0%増)・保健衛生業97人(14.1%増)が伸びている。
- 岩手県内では9月29日(火)に第71回岩手県産業安全衛生大会が盛岡市の都南文化会館キャラホールで開かれる。今年度は「治療と仕事の両立支援」に関する特別講演が予定されており、週間の重点事項とそのまま重なっている。
- 準備期間の作業物である標語、朝礼スピーチ、職場巡視チェックリスト、衛生委員会の議事録、教育資料の5点は生成AIで下書きできる。ただし健康診断結果とストレスチェックの個人結果は要配慮個人情報であり、AIに入れてはいけない。
対象読者
- 岩手県内の中小企業で、総務・人事を兼任しながら安全衛生を見ている担当者
- 衛生委員会または安全衛生委員会の事務局を任されている方(常時50人以上の事業場)
- 製造業・建設業で職場巡視と安全衛生教育の段取りをしている現場責任者
- 病院・介護施設・保育施設など、県内の保健衛生業で職員の健康管理を担当している方
- 顧問先から「労働衛生週間って何をすればいいのか」と毎年9月に聞かれる社会保険労務士
読了後にできること
- 令和8年度の全国労働衛生週間の日程・スローガン・重点事項を、社内向けに正確に説明できる
- 全国安全週間(7月)との違いを説明でき、「7月にやったからいい」という誤解を解ける
- 準備期間の総点検を「体制・健康管理・働き方・現場環境」の4つに切り分け、自社の抜けを特定できる
- 標語の社内公募案、朝礼スピーチ、職場巡視チェックリスト、衛生委員会の議事録たたき台を生成AIで作り、担当者が推敲する状態まで持っていける
- AIに入れてよい情報とダメな情報の線引きを、社内ルールとして言語化できる

令和8年度の全国労働衛生週間はいつ・誰が・何をするのか
厚生労働省は2026年(令和8年)7月31日に、令和8年度の全国労働衛生週間の実施を発表しました。日程は次のとおりです。
| 区分 | 期間 |
|---|---|
| 準備期間 | 2026年9月1日〜9月30日 |
| 本週間 | 2026年10月1日(木)〜10月7日(水) |
全国労働衛生週間は昭和25年の第1回以来、毎年実施されていて、今年で第77回になります。今年度のスローガンは一般公募で集まった131作品の中から選ばれた「ひとりひとりが貴重な人材 心も体も健やかに みんな生き生き健康職場」です。
見落とされやすいのが役割分担です。実施要綱では、主唱者が厚生労働省と中央労働災害防止協会、協賛者が建設業労働災害防止協会・陸上貨物運送事業労働災害防止協会・港湾貨物運送事業労働災害防止協会・林業木材製造業労働災害防止協会、そして実施者は「各事業場」と書かれています。労働局が何かを配ってくれる行事ではなく、自社が主語です。
本週間中に各事業場で実施する事項として、実施要綱は次を挙げています。
- 事業者または総括安全衛生管理者による職場巡視
- 労働衛生旗の掲揚およびスローガン等の掲示
- 労働衛生に関する優良職場、功績者等の表彰
- 有害物の漏えいによる事故、酸素欠乏症等による事故等、緊急時の災害を想定した実地訓練等の実施
- 労働衛生に関する講習会・見学会等の開催、作文・写真・標語等の掲示、その他労働衛生の意識高揚のための行事等の実施
そして準備期間中に実施する事項は「下記の事項について、日常の労働衛生活動の総点検を行う」の一文です。9月は新規施策を立ち上げる月ではありません。健康診断の事後措置は回っているか、ストレスチェックの結果は職場改善に使われているか、去年の夏の熱中症対策は振り返ったか——そういう「やっているはずのこと」を棚卸しする月です。
なお岩手労働局は2026年8月28日に、県内向けの取り組みとして、①関係機関・団体への活動要請と局長メッセージの発信、②労働局・各労働基準監督署による準備期間を中心とした集団指導、③9月29日の岩手県産業安全衛生大会の開催(岩手労働局後援)を発表しています。
全国安全週間との違い|7月と10月で見る対象が違う
「7月にも似たようなことをやった」という声がよく出ます。それは全国安全週間です。同じ年度に2つあり、内容が違います。
| 全国安全週間 | 全国労働衛生週間 | |
|---|---|---|
| 令和8年度の本週間 | 7月1日(水)〜7月7日(火) | 10月1日(木)〜10月7日(水) |
| 令和8年度の準備期間 | 6月1日〜6月30日 | 9月1日〜9月30日 |
| 回数 | 第99回 | 第77回 |
| 令和8年度スローガン | 多様な人材 全員参加 みんなで育てる安全職場 | ひとりひとりが貴重な人材 心も体も健やかに みんな生き生き健康職場 |
| 主に見るもの | 労働災害(けが)の防止 | 労働者の健康管理・職場環境 |
ざっくり言えば、7月は「けがをさせない」、10月は「健康を損なわせない」です。転倒や墜落は7月側、健康診断・メンタルヘルス・化学物質による健康障害は10月側の話題になります。ただし実務上はきれいに割れません。たとえば転倒災害は「けが」ですが、その背景にある高年齢労働者の体力低下や健康状態は労働衛生の領域です。実際、岩手労働局は労働衛生週間の準備期間を中心とした集団指導で「高年齢労働者が安心して安全に働ける職場環境づくり」を働きかけ、それによって転倒災害の防止を推進すると明記しています。今年の岩手では、10月の週間が転倒対策の受け皿になっていると理解しておくと、社内の説明がしやすくなります。

岩手の労働災害データが指す「今年の総点検ポイント」
岩手労働局が2026年8月24日に公表した「令和8年1月〜7月分の労働災害発生状況(速報値)」は、9月の総点検をどこに向けるかを決める材料になります。
全体像はこうです。
- 死亡者数 4人(前年同期比+1人)。業種は製造業・建設業・運輸交通業・農林業がそれぞれ1人
- 死傷者数(休業4日以上) 775人(前年同期比+32人、4.3%増)
事故の型で見ると、上位はこうなっています。
| 事故の型 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 転倒 | 286人 | 36.9% |
| 墜落・転落 | 115人 | 14.8% |
| 動作の反動・無理な動作 | 79人 | 10.2% |
| はさまれ・巻き込まれ | 63人 | 8.1% |
| 飛来・落下 | 49人 | 6.3% |
| 激突 | 41人 | 5.3% |
年齢別では、50代以上が467人で全体の60.2%を占めます。さらに転倒災害に限ると286人中213人(74.5%)が50代以上です。転倒は「ドジな人が転ぶ」現象ではなく、就業構造の高齢化がそのまま数字に出た現象だと読むほうが正確です。
業種別の増減も、自社が該当するかどうかで9月の重点が変わります。
- 増えた業種: 製造業171人(+21人、14.0%増)、保健衛生業97人(+12人、14.1%増)、畜産水産業43人(+11人、34.4%増)、接客娯楽業49人(+10人、25.6%増)、商業115人(+3人、2.7%増)
- 減った業種: 運輸交通業77人(−16人、17.2%減)、建設業83人(−14人、14.4%減)
製造業と保健衛生業がそろって1割強伸びているのが今年の岩手の特徴です。製造業については岩手の製造業がAIで書類仕事を減らす実践ガイド、介護・医療の人手側の事情は岩手の介護人材不足×AI活用ガイドでそれぞれ扱っています。
岩手労働局は今後の取り組みとして、第14次労働災害防止計画(令和5年度〜令和9年度)に基づく取り組みの推進、5月から9月まで展開中の「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」、労働衛生週間の準備期間を中心とした集団指導による転倒災害防止、そして9月29日の岩手県産業安全衛生大会を挙げています。熱中症キャンペーンは9月いっぱいまで続いている点は見落とされがちです。夏の対策を9月に振り返るのは、実施要綱の重点事項でも「本年夏季に実施した各熱中症予防対策の取組に関する確認」として明記されています。夏の運用の記録が残っているうちに振り返ってください。具体的な進め方は岩手の熱中症対策×AI活用ガイドにまとめています。
9月29日「第71回岩手県産業安全衛生大会」を社内の起点にする
準備期間のちょうど終盤に、県内の大きな行事があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 第71回 岩手県産業安全衛生大会 |
| 日時 | 2026年9月29日(火)13:30〜16:00(開場12:00) |
| 会場 | 都南文化会館キャラホール(盛岡市永井21-10-1) |
| 主催 | 岩手労働災害防止団体連絡協議会(県内10団体) |
| 後援 | 岩手労働局、岩手県、盛岡市 ほか |
| 規模 | 県内各事業場の産業安全・労働衛生の関係者約500人 |
プログラムは大会式典(表彰・来賓祝辞)、事例発表、特別講演の構成です。今年度の特別講演は「あなたの部下ががんになったら〜私傷病の治療と仕事の両立を考える」で、NPO法人日本がんサバイバーシップネットワーク代表理事の髙橋都氏が登壇します。事例発表は盛岡市に本社を置く建設会社による「モチベーションアップにつながる働き方改革」です。あわせて安全衛生保護具などを展示するミドリ十字展・パネル展も開かれます。
この大会のテーマは、実施要綱の重点事項の1つである「治療と就業の両立支援」とそのまま重なります。がん、脳卒中、糖尿病などを抱えながら働く従業員への対応は、多くの中小企業で「その時が来たら考える」状態になっています。9月29日の講演を1人でも聞きに行かせて、10月の衛生委員会でその報告をさせる。それだけで「うちには関係ない」という空気は変わります。
なお、報道機関の取材は事前申込不要と公表されていますが、一般参加の申込方法や参加費については岩手労働局の報道発表と開催要綱に記載がなく、2026年9月3日時点で公式に確認できていません。参加を検討する場合は、主催の岩手労働災害防止団体連絡協議会またはその構成団体(公益財団法人岩手労働基準協会、建設業労働災害防止協会岩手県支部、林業・木材製造業労働災害防止協会岩手県支部、岩手産業保健総合支援センターなど)に直接確認してください。
準備期間の総点検を4つに切り分ける
実施要綱の重点事項は項目数が多く、そのまま読み上げても社内で動きません。体制・健康管理・働き方・現場環境の4つに翻訳すると、担当者を割り振れる形になります。
1. 体制(誰が何を見ているか)
- 衛生委員会または安全衛生委員会が毎月開かれているか。議事の概要が労働者に周知されているか
- 産業医・衛生管理者の選任と、実際の関与状況(名前だけになっていないか)
- 労働者が産業医や産業保健スタッフに直接相談できる仕組みがあるか
- 常時50人未満の事業場は、地域産業保健センターの産業保健サービスを使えることを知っているか
2. 健康管理(健診とストレスチェックが回っているか)
- 一般健康診断を実施し、異常所見者について医師の意見を聴き、事後措置まで完了しているか(実施しただけで止まっていないか)
- ストレスチェックを実施し、結果の労働基準監督署への報告を済ませているか
- ストレスチェックの集団分析を行い、職場環境改善に使っているか
- がん検診、女性の健康課題への対応、口腔の健康、眼科検診など、健康診断以外の産業保健の取り組みを周知しているか
3. 働き方(長く働かせすぎていないか)
- 労働時間の状況を把握し、長時間労働者への医師の面接指導を実施しているか
- 時間外・休日労働の削減、年次有給休暇の取得促進、勤務間インターバル制度の導入を検討しているか
- 治療と仕事の両立支援について、事業者としての基本方針を表明し、労働者に周知しているか
- 両立支援に関する休暇・勤務制度、相談窓口、社内の情報管理ルールが整っているか
4. 現場環境(今年の夏と化学物質の振り返り)
- 今年の夏に実施した熱中症対策の取り組みを確認したか(WBGT値の把握、早期発見のための連絡体制など)
- ラベル表示・SDSで危険有害性を把握し、リスクアセスメントとその結果に基づく対策を実施しているか
- 塗料の剥離作業、石綿を含む建築物の解体・改修など、特別規則の対象作業をやっていないか
化学物質の管理は2026年10月1日に個人ばく露測定の義務化が重なる年でもあります。該当する可能性がある製造業の方は岩手の製造業×AI|化学物質の個人ばく露測定義務化2026年10月対応ガイドを先に読んでください。
もう1つ、9月の暦として押さえておきたいのが自殺予防週間(9月10日〜9月16日)です。実施要綱では、この週間をとらえて職場のメンタルヘルス対策に積極的に取り組むことが挙げられています。労働衛生週間の準備期間の中に自殺予防週間が入っている構造なので、9月前半にメンタルヘルス、9月後半に総点検の締め、という組み方ができます。
衛生委員会が9月に調査審議すべきこと
常時50人以上の労働者を使用する事業場には衛生委員会(安全委員会も必要な場合は安全衛生委員会に一本化可)の設置義務があり、毎月1回以上の開催が必要です。衛生委員会の調査審議事項には、健康診断の結果とその対策、作業環境測定結果とその対策、長時間労働による健康障害防止対策、メンタルヘルス対策、化学物質の自律的な管理の実施状況などが含まれます。つまり上の総点検4項目は、そのまま9月の衛生委員会の議題になります。
運営面で漏れやすいのが記録と周知です。
- 委員会の開催の都度、①委員会の意見と、その意見を踏まえて講じた措置の内容、②議事で重要なものを記録し、3年間保存する
- 議事の概要は開催の都度、遅滞なく労働者に周知する。方法は「各作業場の見やすい場所への掲示・備え付け」「書面の交付」「電子媒体に記録し、各作業場に労働者が常時確認できる機器を設置」のいずれか
「議事録は作っているが周知はしていない」「保存年限を意識していない」という事業場は珍しくありません。9月の総点検で真っ先に見るべきはここです。

準備物5点を生成AIで下書きする
準備期間の作業は「考える仕事」よりも「文章を用意する仕事」の割合が高くなります。ここは生成AIの下書きが効きます。以下はそのまま貼って使えるプロンプト例です。出てきた文章は必ず担当者が読み直し、自社の事実と合っているかを確認してから使ってください。
1. 標語(社内公募のたたき台)
「労働衛生週間 標語」は毎年9月に検索が伸びる語で、「標語 自動作成」という検索まで存在します。ただし丸投げすると当たり障りのない標語しか出てきません。自社の実態を条件に入れるのがコツです。
あなたは製造業の安全衛生担当者です。
社内の労働衛生標語コンテストに出す案を15個作ってください。
条件:
- 今年度の全国労働衛生週間スローガンは
「ひとりひとりが貴重な人材 心も体も健やかに みんな生き生き健康職場」
- 当社の課題は、通路の段差・こぼれた水による転倒と、ベテラン社員の
体調変化に周囲が気づきにくいこと
- 五七五を基本にするが、字余りは許容
- 精神論だけで終わらせず、具体的な動作(見る・拾う・声をかける)を入れる
- 説教くさい言い回しは避ける
15個を「転倒防止」「体調の声かけ」「作業環境」の3グループに分けて出力してください。
出てきた案をそのまま採用するのではなく、社内公募の呼び水として掲示する使い方を勧めます。従業員から集めた案を衛生委員会で審査する形にすると、参加意識の面で効果が出ます。
2. 朝礼・大会報告のスピーチ原稿
9月の朝礼で、全国労働衛生週間の準備期間について3分(約900字)で話す原稿を
作ってください。
前提として必ず入れる事実:
- 本週間は10月1日から7日、準備期間は9月1日から30日
- 今年で第77回、スローガンは
「ひとりひとりが貴重な人材 心も体も健やかに みんな生き生き健康職場」
- 準備期間にやることは「日常の労働衛生活動の総点検」
聞き手: 20代から60代までの製造現場の従業員
トーン: 上から指導する調子にせず、事実を淡々と伝えたうえで
「今週は足元を見る」という具体的な行動を1つだけ依頼する
禁止: 事実として確認していない数字を足さないこと
「禁止: 確認していない数字を足さないこと」の一行は必ず入れてください。これを書かないと、AIは説得力を出そうとしてそれらしい統計を創作します。
3. 職場巡視チェックリスト
労働衛生週間の職場巡視で使うA4一枚のチェックリストを作ってください。
対象の職場: 食品製造の工場(従業員60名・二交替)
確認する観点は次の4つに分けること
1. 体制(衛生委員会・産業医・相談窓口)
2. 健康管理(健康診断の事後措置・ストレスチェックの集団分析)
3. 働き方(長時間労働者への面接指導・有給取得)
4. 現場環境(今年の夏の熱中症対策の振り返り・SDS とリスクアセスメント)
各観点5項目以内。すべて「はい/いいえ」で答えられる文にすること。
末尾に「気づいた点」の自由記入欄と、巡視者・実施日の記入欄を付けること。
4. 衛生委員会の議事録・議事概要
衛生委員会の議事録を清書してください。
【入力】以下は会議のメモです(実名・個人が特定できる情報は含みません)
(ここにメモを貼る)
【出力形式】
1. 開催日時・場所・出席者の役割(氏名は「衛生管理者」「産業医」等の役割名のみ)
2. 議題ごとの「委員会の意見」と「意見を踏まえて講じた措置の内容」
3. 次回までの宿題(担当と期限)
4. 上記とは別に、掲示用の議事概要を400字以内で作成
注意: メモに書かれていない事実を補わないこと。
不明な点は「(要確認)」と明記すること。
議事録は「委員会の意見」と「講じた措置の内容」を分けて書く形が求められます。この構造をプロンプトで指定しておくと、毎回の清書が安定します。
5. 安全衛生教育の資料
15分の社内向け安全衛生教育の資料構成を作ってください。
テーマ: 転倒災害を減らす
受講者: 50代以上が中心の製造現場の従業員
制約:
- スライド8枚以内
- 各スライドは見出し1行+箇条書き3行まで
- 「注意しましょう」で終わらせず、明日から変える動作を必ず1つ入れる
- 統計や数値は、私が後から入れるので【数値を入れる】と空欄で残すこと
最後の「数値は空欄で残す」指定が重要です。岩手の実数(転倒286人・36.9%など)は自分で公表資料から入れる。AIに数字を書かせないのが、この種の資料での鉄則です。
AIに入れてはいけない情報
労働衛生の実務は、扱う情報の性質が普段の総務業務と違います。ここは線引きを間違えると取り返しがつきません。
入れてはいけないもの
- 健康診断の結果(数値・所見・診断名)
- ストレスチェックの個人結果、高ストレス者の氏名や部署
- 産業医面談の記録、医師の意見書
- 私傷病・治療内容・通院状況に関する個人の情報
- 労災の被災者名や、個人が特定できる災害発生状況
- 家族の病状など、両立支援の相談で出た私的な事情
これらは個人情報保護法上の要配慮個人情報にあたるものが多く、取得・第三者提供に本人同意が必要です。実施要綱でも、治療と就業の両立支援の項目に「個人情報保護のための適切な情報管理」が明記されています。外部の生成AIサービスに貼り付ける行為は、社内ルールの整備なしにやってよい操作ではありません。
入れてよいもの
- 公表されている制度・法令・指針の文章
- 個人が特定できない状態まで抽象化した課題(「通路の段差で転倒が起きやすい」など)
- 自社が作った様式・テンプレートの雛形
- 会議のメモのうち、役割名だけに置き換えた部分
実務としては、「AIには枠を作らせて、中身は人が入れる」という運用にするのが安全です。チェックリストの項目名はAIに作らせてよい。そのチェックリストに書き込んだ結果はAIに読ませない。この一線を社内ルールとして紙に書いておくと、担当者が変わっても崩れません。
やりがちな失敗パターン
1. 「ポスターを貼って終わり」にする
労働衛生旗の掲揚とスローガンの掲示は実施要綱に載っている正式な取り組みですが、それは本週間中の5項目のうちの1つです。準備期間の「総点検」を飛ばして掲示だけやると、翌年も同じ状態で9月を迎えます。掲示は結果であって、準備ではありません。
2. 健康診断を「実施した」で止める
労働安全衛生法が求めているのは実施だけではありません。実施要綱の重点事項にも「健康診断の適切な実施、異常所見者の業務内容に関する医師への適切な情報提供、医師からの意見聴取及び事後措置の徹底」と書かれています。受診率100%でも、事後措置が回っていなければ点検結果は「未達」です。
3. ストレスチェックの集団分析を眠らせる
実施と労働基準監督署への報告までは済ませていても、集団分析の結果を職場環境改善につなげていない事業場が多くあります。分析結果を衛生委員会の議題に載せる。それだけで「実施済み」が「活用済み」に変わります。
4. AIが出した数字をそのまま資料に載せる
生成AIは説得力を出そうとして、実在しない統計や古い年度の数値を混ぜます。岩手の労働災害の数字は岩手労働局の公表資料に載っているので、必ず一次資料から自分で転記してください。資料作成のプロンプトで「数値は空欄で残す」と指定しておくのが最も確実です。
5. 50人未満だから関係ないと考える
衛生委員会の設置義務は常時50人以上の事業場ですが、全国労働衛生週間の実施者は「各事業場」であって規模の限定はありません。実施要綱には「小規模事業場における産業保健活動の充実」という重点項目があり、地域産業保健センターの活用(長時間労働者・高ストレス者に対する医師の面接指導などの産業保健サービス)が挙げられています。使える外部資源があることを知らないまま「うちは対象外」と処理するのが一番もったいない状態です。
9月1日から30日までの進め方
残り日数から逆算した目安です。9月3日時点で始めるなら、この順番で無理なく回ります。
- 9月第1週: 昨年度の実施内容と衛生委員会議事録を引っ張り出す。総点検の4項目(体制・健康管理・働き方・現場環境)でチェックリストを作る(AIで下書き)。9月10日から16日の自殺予防週間にあわせて、相談窓口の掲示を更新する
- 9月第2週: 健康診断の事後措置とストレスチェックの報告・集団分析の状況を確認する。未完了があればここで担当と期限を決める
- 9月第3週: 9月の衛生委員会を開催。総点検結果を議題に載せ、意見と講じた措置を記録する。議事概要を掲示する。標語の社内公募を締め切る
- 9月第4週: 9月29日の岩手県産業安全衛生大会に参加者を出す(参加要領は主催団体に要確認)。10月1日からの本週間の段取り(職場巡視の日程、掲示物、教育の実施日)を確定する
- 10月1日〜7日: 事業者または総括安全衛生管理者による職場巡視、スローガンと標語の掲示、安全衛生教育の実施、優良職場・功績者の表彰
大事なのは、10月7日で終わらせないことです。準備期間の総点検で見つかった未完了項目は、そのまま10月以降の宿題になります。衛生委員会の議事録に期限つきで残しておけば、来年9月に同じ場所から始めずに済みます。
よくある質問
Q. 2026年度の全国労働衛生週間はいつからいつまでですか。
本週間は2026年10月1日(木)から10月7日(水)まで、準備期間は2026年9月1日から9月30日までです。厚生労働省が2026年7月31日に発表しています。
Q. 全国労働衛生週間の準備期間には何をするのですか。
実施要綱では「日常の労働衛生活動の総点検を行う」と定められています。健康保持増進、女性の健康課題、治療と就業の両立支援、メンタルヘルス、過重労働、熱中症、小規模事業場の産業保健、個人事業者等の安全衛生、化学物質、石綿の各重点事項について、自社の実施状況を点検します。
Q. 安全週間と労働衛生週間の違いは何ですか。
全国安全週間は7月1日から7日(準備期間6月)で、労働災害=けがの防止が中心です。全国労働衛生週間は10月1日から7日(準備期間9月)で、労働者の健康管理と職場環境が中心です。令和8年度は安全週間が第99回、労働衛生週間が第77回にあたります。
Q. 全国労働衛生週間は誰が主催しているのですか。
主唱者は厚生労働省と中央労働災害防止協会です。協賛者として建設業労働災害防止協会、陸上貨物運送事業労働災害防止協会、港湾貨物運送事業労働災害防止協会、林業・木材製造業労働災害防止協会が入ります。実際に実施するのは各事業場です。
Q. 第77回全国労働衛生週間のスローガンは何ですか。
「ひとりひとりが貴重な人材 心も体も健やかに みんな生き生き健康職場」です。一般公募で集まった131作品の中から選ばれました。
Q. 社内の標語をAIで作ってもいいのですか。
たたき台を作る用途であれば問題ありません。ただし自社の課題を条件として入れないと、当たり障りのない案しか出ません。出てきた案をそのまま採用するより、社内公募の呼び水として使い、従業員から集めた案を衛生委員会で審査する形が実務的です。
Q. 従業員50人未満でも何かやる必要がありますか。
全国労働衛生週間の実施者は「各事業場」で、規模による限定はありません。衛生委員会の設置義務は常時50人以上ですが、実施要綱には「小規模事業場における産業保健活動の充実」という重点項目があり、地域産業保健センターによる産業保健サービスの活用が挙げられています。
Q. 岩手県内で参加できる行事はありますか。
2026年9月29日(火)13時30分から、盛岡市の都南文化会館キャラホールで第71回岩手県産業安全衛生大会が開催されます。主催は岩手労働災害防止団体連絡協議会、後援は岩手労働局・岩手県・盛岡市ほかです。ただし一般参加の申込方法・参加費は公表資料に記載がなく、2026年9月3日時点で公式に確認できていません。主催団体への確認が必要です。
岩手でAI導入・AI研修を進めたい方へ
労働衛生週間の準備で生成AIが効くのは、標語や議事録のような「文章を作る作業」です。ただし健康診断結果やストレスチェックの個人結果といった要配慮個人情報をどう扱うかを決めないまま導入すると、便利さより先にリスクが立ち上がります。
いわてAIでは、岩手県内の事業者向けに、業種ごとのAI活用の実例と、社内ルールの作り方をまとめています。他の業種の進め方は岩手のAI活用 完全インデックスから探せます。
FAQ
以下をFAQ schema(FAQPage)として出力する。
- 2026年度の全国労働衛生週間はいつからいつまでですか。 — 本週間は2026年10月1日(木)から10月7日(水)まで、準備期間は2026年9月1日から9月30日までです。厚生労働省が2026年7月31日に発表しています。
- 全国労働衛生週間の準備期間には何をするのですか。 — 実施要綱では「日常の労働衛生活動の総点検を行う」と定められています。健康保持増進、女性の健康課題、治療と就業の両立支援、メンタルヘルス、過重労働、熱中症、小規模事業場の産業保健、個人事業者等の安全衛生、化学物質、石綿の各重点事項について自社の実施状況を点検します。
- 安全週間と労働衛生週間の違いは何ですか。 — 全国安全週間は7月1日から7日(準備期間6月)で労働災害の防止が中心、全国労働衛生週間は10月1日から7日(準備期間9月)で労働者の健康管理と職場環境が中心です。令和8年度は安全週間が第99回、労働衛生週間が第77回です。
- 第77回全国労働衛生週間のスローガンは何ですか。 — 「ひとりひとりが貴重な人材 心も体も健やかに みんな生き生き健康職場」です。一般公募で集まった131作品の中から選ばれました。
- 社内の労働衛生標語をAIで作ってもいいのですか。 — たたき台を作る用途であれば問題ありません。自社の課題を条件に入れないと当たり障りのない案しか出ないため、社内公募の呼び水として使い、従業員から集めた案を衛生委員会で審査する形が実務的です。
- 従業員50人未満の事業場でも何かやる必要がありますか。 — 全国労働衛生週間の実施者は「各事業場」で規模による限定はありません。衛生委員会の設置義務は常時50人以上ですが、実施要綱には「小規模事業場における産業保健活動の充実」という重点項目があり、地域産業保健センターによる産業保健サービスの活用が挙げられています。