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いわて健康経営認定は9月14日締切|優良法人2027は10月16日

いわて健康経営認定は9月14日締切|優良法人2027は10月16日

岩手県内の事業者にとって、健康経営の申請窓はいま2つ同時に開いています。県の「いわて健康経営認定事業所」第2回申請は2026年9月14日(月曜日)17時00分まで、国の「健康経営優良法人2027(中小規模法人部門)」は2026年10月16日(金曜日)17時まで。どちらも受付開始は同じ8月17日で、県は無料の電子申請、国は認定申請料15,000円(税込16,500円)/件です。

県の第2回は締切まで残り約1週間しかありませんが、慌てる必要はありません。書くのは前年度(令和7年度)の取り組みで、これから何かを新しく始める必要はないからです。すでにやっていることを、決められた5つの基準に沿って言葉にするだけ。逆に言えば、この記事で扱うのはほぼ全部が「文章仕事」であり、生成AIで時間を縮められる領域です。

岩手の健康経営の3層構造と2026年9月14日・10月16日の2つの申請締切を示した時系列図
岩手の健康経営の3層構造と2026年9月14日・10月16日の2つの申請締切を示した時系列図

この記事の要点

  • 岩手県「いわて健康経営認定事業所」第2回申請は2026年8月17日8時30分〜9月14日17時00分。無料。岩手県電子申請・届出サービスから申請する。
  • 国「健康経営優良法人2027(中小規模法人部門)」は2026年8月17日〜10月16日17時。申請料は15,000円(税込16,500円)/件。
  • 令和8年度の県の認定事業所は731事業所(令和8年4月1日認定時点)。認定の有効期間は1年で、毎年申請し直す。
  • 令和8年4月1日付で認定を受けている事業所は、今回の第2回は対象外。次は令和9年1月頃の受付を待つ。
  • 国の中小規模法人部門は、事前に健康宣言事業への参加が必要。岩手では協会けんぽ岩手支部の「いわて健康経営宣言」が該当する。
  • 県の5基準と国の認定要件は重なる部分が大きい。県用に書いた説明はそのまま国の申請書の材料になる。
  • AIに任せてよいのは推進計画の下書き・健康情報の配信文・研修資料・振り返り文。個人の健診結果とストレスチェック結果は入れない

対象読者

  • 岩手県内で事業活動を行う企業・法人・団体の、総務/人事/労務の担当者。
  • 「いわて健康経営認定事業所」を今年度まだ申請していない事業所(4月1日付の認定を受けていない事業所)。
  • 健康経営優良法人の認定を初めて取りにいく中小企業の経営者。
  • 採用の場面で「働きやすさ」を客観的に示す材料を探している事業所。

読了後にできること

  • 県の認定と国の認定の違い(実施主体・費用・締切・有効期間)を社内に説明できる。
  • 自社が今年どちらに申請できるのか/できないのかを判断できる。
  • 国の認定要件を「必須項目+2・2・4」という数え方で理解し、自社の不足項目を特定できる。
  • 申請書類の説明文をAIで下書きし、どこを人が判断すべきかを線引きできる。

結論|岩手の健康経営は「9月14日」と「10月16日」の2本立て

2026年9月6日時点で、岩手の事業者が向き合う健康経営の締切は次の2つです。

項目 いわて健康経営認定事業所 健康経営優良法人2027(中小規模法人部門)
実施主体 岩手県(保健福祉部 健康国保課) 日本健康会議(経済産業省が推進、事務局は日本経済新聞社)
対象 岩手県内において事業活動を行う企業、法人及び団体 中小規模法人(大規模法人部門とは別区分)
今回の受付 2026年8月17日8時30分〜9月14日17時00分(第2回) 2026年8月17日〜10月16日17時
費用 記載なし(申請自体に費用の記載はない) 認定申請料 15,000円(税込16,500円)/件
申請方法 岩手県電子申請・届出サービス(郵送は例外扱い) 専用サイトで認定申請書をアップロード
認定の時期 審査9月中旬、認定書交付10月上旬 内定2027年2月下旬頃、発表2027年3月
有効期間 令和9年3月末まで(1年間・毎年申請) 次年度の認定まで(毎年申請)
事前条件 特になし 健康宣言事業への参加が必要

出典は岩手県「令和8年度「いわて健康経営認定事業所」の第2回認定申請の受付について」(令和8年8月21日更新)経済産業省「「健康経営銘柄2027」・「健康経営優良法人2027」の申請受付を開始しました」(2026年8月17日)ACTION!健康経営「中小規模法人部門の申請」(2026年9月6日確認)です。

最終確認日: 2026年9月6日

なお「健康経営」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。県も経済産業省も公表資料に同じ注記を入れています。

いわて健康経営認定事業所とは|県が定める5つの基準

「いわて健康経営認定事業所」は、働き盛り世代の健康づくりを進めるために岩手県が創設した、県独自の認定制度です。次の5つの認定基準をすべて満たしている事業所を県が認定し、認定証とロゴマークステッカーを交付します。県と協会けんぽ等が、認定事業所の健康づくりの取り組みを協働して支援します。

基準 県が求めている中身
1. 定期健診受診率 実質100% 労働安全衛生法の定期健康診断受診率100%、未受診者への受診勧奨の取組
2. 受診勧奨の取組 再検査、精密検査等が必要とされた従業員への受診を促すための取組又は制度
3. 食生活の改善、運動機会の増進などに向けた取組 健康課題を把握し、食生活改善や運動機会の増進などの継続的な取組。社内健康イベントの開催又は社外健康イベントへの組織としての参加
4. 受動喫煙対策に関する取組 健康増進法に基づく必要な措置(敷地内禁煙、建物内禁煙又は喫煙専用室設置等)
5. 健康情報の定期提供 健康をテーマとした研修会の実施又は社外研修等への参加、月1回の全従業員への健康情報の提供

令和8年度は県内731事業所が認定されています(令和8年4月1日認定時点)。認定の有効期間は1年間なので、毎年申請し直す制度です(岩手県「いわて健康経営事業所の募集(第2回)について」(令和8年8月21日更新)いわて健康情報ポータルサイト「いわて健康経営認定事業所について」)。

基準1と2は、要するに定期健康診断をきちんと回しているかという話です。10月1日から7日までの全国労働衛生週間の準備と重なる領域なので、全国労働衛生週間2026|岩手企業が9月にやる準備とAI活用と合わせて9月中に一度整理しておくと二度手間になりません。

基準5の「健康をテーマとした研修会の実施又は社外研修等への参加」は、社内勉強会の形でも満たせます。研修の設計そのものは岩手のAI研修・社内勉強会を始める完全ガイド2026の進め方がそのまま流用できます。

県のページでは「認定事業所」と「事業所」の2つの表記が出てくる

細かい点ですが、県のページでは制度名が「いわて健康経営認定事業所」「いわて健康経営事業所」の両方で書かれています。実施要綱の名称は「いわて健康経営事業所認定制度実施要綱」、第2回受付の案内ページの見出しは「令和8年度「いわて健康経営認定事業所」の第2回認定申請の受付について」です。社内で検索するときは両方の表記で探してください。同じ制度です。

第2回申請の流れ|9月14日17時までにやること

県が示している手続きは4段階です。

  1. 健康経営の取組状況をチェックする。 評価シートで5つの基準への適合状況を確認します。ここで書くのは前年度(令和7年度)の取組状況です。今年度これから始めることではありません。
  2. 認定申請する(9月14日締切)。 「岩手県電子申請・届出サービス」から必要事項を入力して申請します。電子申請で出す場合は、認定申請書と評価シートを別途作成する必要はありません。メールアドレスが必要です。
  3. 県が審査する(9月中旬)。 5つの認定基準をすべて満たしている事業所を認定します。
  4. 認定書が交付される(10月上旬)。 「いわて健康経営認定事業所」としての認定書が交付されます。

社内ネットワークのセキュリティ設定などでやむを得ず電子申請システムが使えない場合に限り、様式第1号(認定申請書)と様式第2号(評価シート)をダウンロードして郵送できます。提出先は岩手県盛岡市内丸10-1 岩手県保健福祉部 健康国保課で、令和8年9月14日(月曜日)当日消印有効。メール・ファクスでの申請は受け付けられません。

今回だけの注意点が2つある

  • 令和8年4月1日付けで認定されている事業所は、今回は申請対象外です。次回の令和9年度認定の受付でお申し込みください、と県が明記しています。すでに認定証を持っている事業所が二重に出す必要はありません。
  • 令和8年度から受付が年1回→年2回に拡充されました。本来の第2回は「8月上旬〜9月上旬」の設計ですが、令和8年度は周知期間確保のため8月17日〜9月14日になっています。来年度以降は日程が前倒しになる可能性があるので、毎年8月には県ページを確認する運用にしておくと安全です。

健康経営優良法人2027(中小規模法人部門)とは|10月16日17時締切

「健康経営優良法人」は、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、健康の保持・増進につながる取組を戦略的に実践している法人を、日本健康会議が認定する制度です。平成28年度から「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」の2部門で運営されており、制度運営は日本経済新聞社が事務局を務めています。

2027年版のスケジュールは次のとおりです。

時期 内容
2026年8月17日〜10月16日17時 中小規模法人部門 認定申請期間
2026年8月17日〜10月9日17時 令和8年度健康経営度調査 回答期間(大規模法人部門の基礎情報)
2026年11月上旬頃 請求書送付(振込期限12月31日)
2027年2月下旬頃 内定
2027年3月 健康経営優良法人 発表
2027年4月中旬頃 評価結果送付

中小規模法人部門では、上位500社までが「ブライト500」、上位501位から1500位までが「ネクストブライト1000」として認定されます。ブライト500に申請した法人には評価順位や偏差値等を記載したフィードバックシートが交付され、そのフィードバックシートをホームページ上で開示することが、ブライト500・ネクストブライト1000の認定要件になっています。

申請の前に「健康宣言事業」への参加が要る

ここが初めて申請する事業所の最大のつまずきポイントです。中小規模法人部門への申請には、事前に「健康宣言事業」への参加が必要です。

  • 協会けんぽ・健康保険組合に加入している場合は、加入している保険者が実施している健康宣言事業に参加する。岩手で協会けんぽに加入している事業所であれば、協会けんぽ岩手支部が実施している「いわて健康経営宣言」がこれに当たります。登録方法と現在の様式は協会けんぽ岩手支部に直接確認してください(協会けんぽは令和8年3月18日にサイトを刷新しており、古いリンクは切れています)。
  • 国保組合・共済組合・その他の保険者に加入している場合は、その保険者が健康宣言事業を実施しているかを確認する。実施していなければ、各自治体が実施する健康宣言事業への参加、または自社独自の健康宣言の実施をもって代替できます。

申請自体の手順は、(1)認定申請書をダウンロード、(2)必要事項を記入、(3)専用サイトへアップロード、の3段階です。初めて申請する場合は新規ID発行(登録)が必要で、登録できるのは申請期間中だけです。10月16日直前に慌てないよう、ID発行は先に済ませておいてください。

認定要件の数え方|必須項目と「2・2・4」の選択項目

健康経営優良法人2027(中小規模法人部門)の認定要件は、必須項目をすべて満たしたうえで、選択項目を規定数以上満たすという構造です。公表されている認定要件を整理すると次のようになります。

大項目 評価項目 中小規模法人部門の基準
1. 経営理念・方針 健康宣言の社内外への発信及び経営者自身の健診受診 必須
2. 組織体制 健康づくり担当者の設置/(求めに応じて)40歳以上の従業員の健診データの提供 いずれも必須
3-(1) 健康課題の把握 健康経営の具体的な推進計画 必須
3-(1) 健康課題の把握 ①定期健診受診率(実質100%)/②受診勧奨の取り組み/③50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施 ①〜③のうち2項目以上
3-(2) 土台づくり ④教育機会の設定/⑤ワークライフバランス/⑥仕事と育児または介護の両立支援/⑦コミュニケーションの促進/⑧がん等の私病に関する復職・両立支援/⑨女性の健康保持・増進/⑩高年齢従業員の健康や体力の状況に応じた取り組み ④〜⑩のうち2項目以上
3-(3) 具体的対策 ⑪保健指導の実施または特定保健指導実施機会の提供/⑫食生活の改善/⑬運動機会の増進/⑭長時間労働の予防と事後対応/⑮心の健康保持・増進/⑯感染症予防/⑰喫煙率低下 ⑪〜⑰のうち4項目以上
3-(3) 喫煙対策 受動喫煙対策に関する取り組み 必須
4. 評価・改善 健康経営の取り組みに対する評価・改善 必須
5. 法令遵守・リスクマネジメント 定期健診の実施、50人以上の事業場でのストレスチェック実施、労働基準法または労働安全衛生法に係る違反により送検されていないこと等(自主申告) 必須

出典は健康経営優良法人認定事務局「健康経営優良法人2027(中小規模法人部門)認定要件」(PDF)です。

ポイントは3つあります。

  • 選択項目の数え方は「2・2・4」。①〜③から2つ、④〜⑩から2つ、⑪〜⑰から4つ。ここを勘違いすると、集めた資料が足りません。
  • 小規模法人特例では、⑪〜⑰の要件が4項目以上ではなく2項目以上に緩和されます。従業員数が少ない事業所は、この特例に当たるかどうかを先に確認してください。
  • ブライト500・ネクストブライト1000は、①〜⑰のうち16項目以上が必要です。通常の認定(2+2+4=最低8項目)とは要求水準がまったく違います。初年度は通常認定を確実に取りにいくのが現実的です。

県の5基準と国の認定要件はどこが重なるか

県と国、両方に出す価値があるのは、同じ材料が使い回せるからです。県の5基準と国の評価項目を突き合わせると次のようになります。

県の認定基準 国の対応する評価項目 使い回しの可否
1. 定期健診受診率 実質100% ①定期健診受診率(実質100%)/5. 法令遵守(定期健診の実施) ほぼそのまま使える
2. 受診勧奨の取組 ②受診勧奨の取り組み ほぼそのまま使える
3. 食生活の改善、運動機会の増進などに向けた取組 ⑫食生活の改善/⑬運動機会の増進 1つの取組を2項目に分けて書き直す
4. 受動喫煙対策に関する取組 受動喫煙対策に関する取り組み(必須) ほぼそのまま使える
5. 健康情報の定期提供(研修会の実施、月1回の健康情報提供) ④管理職または従業員に対する教育機会の設定 研修部分は使える。月1回の情報提供は県独自
いわて健康経営認定事業所の5つの基準と健康経営優良法人2027の評価項目の対応を示した表
いわて健康経営認定事業所の5つの基準と健康経営優良法人2027の評価項目の対応を示した表

逆に、国にしかない項目が申請の山場になります。⑤ワークライフバランス、⑥仕事と育児または介護の両立支援、⑦コミュニケーションの促進、⑧がん等の私病に関する復職・両立支援、⑨女性の健康保持・増進、⑩高年齢従業員の健康や体力の状況に応じた取り組み、⑭長時間労働の予防と事後対応、⑮心の健康保持・増進、⑯感染症予防。この9項目は県の5基準には出てきません。

そして、これらの多くはすでに社内でやっているのに書類化されていないだけというケースが多い領域です。育児・介護の相談に個別対応している、朝礼で声かけをしている、インフルエンザの予防接種費用を補助している。やっていることを制度として言語化する作業が、そのまま申請書になります。

申請書類の準備をAIで軽くする5つの作業

健康経営の申請でAIが効くのは、「やっていることを、審査する側の言葉に翻訳する」部分です。逆に、何をやるか・いくら使うか・誰が担当するかという判断は人が決めます。

作業 AIに頼む内容 人が決めること
1. 健康経営の推進計画の下書き 健康課題・目標・実施内容・担当・時期の骨格を文章化する 健康課題の特定と優先順位、予算
2. 月1回の健康情報の配信文 12か月分のテーマ案と、1本300字程度の配信文の下書き 自社の健康課題に合っているか、公的情報と矛盾しないか
3. 健康研修の資料と告知文 研修レジュメ、社内周知メール、参加記録の様式 講師の手配、実施日、対象者
4. 評価・改善の振り返り文 前年度の取組と結果を、評価→課題→次年度の改善の形に整理する どの結果を成果とみなすか
5. 評価シート・申請書の記述欄 箇条書きのメモを、基準の文言に沿った説明文に書き直す 事実と違う表現になっていないかの最終確認
健康経営の申請準備で生成AIに任せてよい作業と入力してはいけない要配慮個人情報を対比した図
健康経営の申請準備で生成AIに任せてよい作業と入力してはいけない要配慮個人情報を対比した図

そのまま使えるプロンプト例

推進計画の骨格を作る場合。

あなたは中小企業の健康経営を支援する社会保険労務士です。
以下の条件で「健康経営の具体的な推進計画」の下書きを作ってください。

【会社の状況】
- 業種: [自社の業種]
- 所在地: 岩手県[市町村名]
- 従業員数: [人数]人(うち40歳以上 [人数]人)
- 定期健康診断の受診率: [数値]%
- 現在やっていること: [箇条書きで3〜5個]

【出力形式】
1. 把握している健康課題(3つまで・根拠となる社内の事実も添える)
2. 今年度の目標(数値で書けるものは数値で)
3. 実施内容(課題ごとに1〜2件)
4. 担当と実施時期
5. 評価の方法

【条件】
- 事実として確認できない数値は書かず「[要確認]」と置いてください
- 医学的なアドバイスや診断は書かないでください
- 全体で800字以内

月1回の健康情報を作る場合。

岩手県内の[業種]の事業所で、全従業員に月1回配る健康情報の年間テーマ案を12か月分作ってください。

【条件】
- 岩手県の気候(冬季の積雪・寒暖差、夏季の熱中症リスク)と、
  屋外作業/屋内作業の割合を踏まえた季節配分にしてください
- 各テーマは「タイトル」「なぜこの時期か(1文)」「配信文の骨子(3行)」の形式
- 治療法・薬・診断に踏み込む内容は書かず、公的機関の情報を参照する導線にとどめてください
- 特定の商品・サービス名は出さないでください

書いた文章はそのまま提出せず、必ず社内の事実と突き合わせてから使ってください。AIは「それらしい取組」を勝手に足すことがあります。実施していない取組が申請書に載れば、それは虚偽記載です。

AIに入れてはいけない情報|健診結果とストレスチェックは別扱い

健康経営の申請準備でAIを使うとき、扱う情報の性質上、入力してよいものと絶対にいけないものがはっきり分かれます。

入力しないもの

  • 個人が特定できる健康診断の結果(氏名・社員番号と紐づいた数値、有所見の内容)
  • ストレスチェックの個人結果
  • 病名、通院歴、服薬内容、診断書の写し
  • 産業医面談の記録
  • 特定保健指導の個人記録

これらは個人情報保護法上の要配慮個人情報にあたり、本人の同意なく第三者へ提供することが原則として禁じられています。外部の生成AIサービスへの入力は、この「第三者提供」に当たり得るという前提で運用してください。ストレスチェックの結果は労働安全衛生法でも取扱いが厳しく定められています。

入力してよいもの

  • 受診率、実施回数、参加人数などの集計済みの数値
  • 実施した取組の内容(イベント名、研修テーマ、配布物の種類)
  • 制度・規程の文面
  • 公表されている公的資料

つまり「田中さんの血圧が」ではなく「定期健診の受診率は98%、未受診2名に個別勧奨を実施」という粒度に落としてから使う、ということです。

社内でこのルールを1枚にまとめておくと、健康経営に限らず全部の業務で使えます。書き方は岩手の中小企業がAIで経理・総務・社内文書を軽くする方法で扱っている社内文書の整理と同じ考え方です。

9月14日/10月16日までのチェックリスト

県の第2回(9月14日17時まで)

  1. 令和8年4月1日付けで認定を受けていないか確認する(受けているなら今回は対象外)。
  2. 様式第2号の評価シート(記載内容例あり)で、5つの基準への適合を前年度=令和7年度の取組で確認する。
  3. 定期健診の受診率と、未受診者・要再検査者への勧奨の記録を集める。
  4. 受動喫煙対策の現状(敷地内禁煙/建物内禁煙/喫煙専用室)を確認する。
  5. 月1回の健康情報提供と研修の実施記録を集める。
  6. 岩手県電子申請・届出サービスから申請する(メールアドレスが必要)。

国の中小規模法人部門(10月16日17時まで)

  1. 健康宣言事業に参加済みかを確認する。未参加なら先に手続きする。
  2. 初申請なら新規ID発行(登録)を済ませる(申請期間中しか登録できない)。
  3. 認定申請書をダウンロードし、「認定基準適合書&申請にあたって保存すべき資料」シートで自己チェックする。
  4. 選択項目を「①〜③から2/④〜⑩から2/⑪〜⑰から4」で数え、不足を洗い出す。
  5. 不足項目のうち、すでに実施しているが書類化されていないものを言語化する。
  6. 申請料15,000円(税込16,500円)/件の支払い(請求書は2026年11月上旬頃、振込期限12月31日)を経理に共有する。
  7. 専用サイトへアップロードする。

秋は最低賃金や年末調整の準備とも重なります。県内の事務カレンダー全体は岩手県最低賃金2026は1,090円へ|発効は12月1日見通しと併せて組んでください。

よくある失敗3パターン

パターン1: 今年度の取組を書いてしまう

県の第2回申請は「前年度(令和7年度)の取組内容を記載」と明記されています。今年の4月以降に始めた新しい取組を書いても、審査の対象にはなりません。逆に言えば、去年やっていたことを思い出せば足ります。

パターン2: すでに認定済みなのに第2回に申請する

令和8年4月1日付けで認定されている事業所は今回対象外です。認定証の日付を確認してから作業を始めてください。次は令和9年1月頃の受付が予定されています。

パターン3: 国の申請で「健康宣言事業への参加」を後回しにする

中小規模法人部門は、健康宣言事業への参加が申請の前提条件です。加えて、初めて申請する法人の新規ID発行は申請期間中しかできません。10月16日の締切だけを見ていると、この2つの前工程で足止めされます。9月のうちに、加入している保険者に健康宣言事業の有無を確認しておいてください。

いわて健康経営アワード2025の受賞事業所は何をやっていたか

岩手県と関係団体による「いわて健康経営アワード」には、2025年に県内24事業所が応募し、6事業所が受賞しました。表彰式は令和8年1月19日に盛岡市内で開催されています。実際に何をやっている事業所が評価されたのかを見ておくと、申請書に書く粒度がつかめます。

  • 株式会社栄組(遠野市・建設業/岩手県知事賞): 年間の健康施策の方向性を示した「健康経営プラン」を策定して年度初めに全社員へ共有。健康につながる行動をポイント化する「ウェルネスポイント制度」、月2回の朝礼ストレッチ、1人当たり年5,000円の運動・健康活動補助。
  • 株式会社アイオー精密(花巻市・製造業/優秀賞): 各工場の食堂に1食100円の設置型健康社食自動販売機を導入。任意参加だった朝のラジオ体操を就業時間内に組み入れて全員参加に。定期健診の結果をポイント換算して手当を支給。
  • キオクシア岩手株式会社(北上市・製造業/優秀賞): 各種がん検診・婦人科検診・歯科検診を敷地内の健診会場で就業時間内に自己負担なしで実施。社員食堂の全メニューに塩分量を表記。
  • 信幸プロテック株式会社(矢巾町・建設業/優秀賞): 全社員が作成する「自己啓発計画書」の重点取組課題3つのうち1つを健康維持・向上の課題にする運用。全社員向けに健康経営優良法人の取組目的と申請内容の勉強会を実施。
  • 宮古ヤクルト販売株式会社(宮古市・小売業/優秀賞): 健康サポートインストラクターを配置し、支店・営業所・各センターを毎月巡回してストレッチやセルフケアを指導。
  • 株式会社総合土木コンサルタンツ(一関市・学術研究、専門・技術サービス業/脳卒中予防対策特別賞): 特定保健指導と労災保険二次健診の受診を就業時間として認定し、受診率100%を実現。上長が受診完了を確認する体制を整備。

出典は岩手県「いわて健康経営アワード2025受賞事業所の決定及び表彰式の開催」(令和8年3月3日更新)です。

共通しているのは、特別なことをしていないという点です。ストレッチ、社食、健診の受診勧奨、ポイント制度。どれも小さな仕組みで、そのかわり「誰が」「いつ」「どうやって」が決まっています。申請書に書けるのはこの粒度です。

岩手が健康経営に力を入れている理由

このアワードには「脳卒中予防対策特別賞」という枠があります。県が公表している理由は明快で、岩手県の脳卒中年齢調整死亡率は男女とも全国ワースト1位であり、脳卒中は要介護となる主な原因で健康寿命にも大きく影響するためです。県の健康づくり計画「健康いわて21プラン(第3次)」でも、「脳卒中死亡率の全国との格差の縮小」が全体目標のひとつに掲げられています。

つまり岩手で健康経営に取り組むことは、単なる制度対応ではなく、働き盛り世代がいきなり欠けるリスクを下げる話でもあります。少人数の事業所ほど、1人が長期離脱したときの打撃は大きくなります。人手不足の構造的な対策については岩手の人手不足をAIで補う完全ガイド|少人数でも現場を回す実践法も参考にしてください。

認定を取ると何が変わるか(と、確認できていないこと)

県の認定を受けると、認定証とロゴマークステッカーが交付され、県と協力保険者等が健康づくりの取り組みを協働して支援します。国の認定を受けると、認定ロゴマークを名刺・自社サイト・求人票などに使えます。求人や取引先への説明で、働きやすさを第三者の認定という形で示せるのが実務上の効き所です。

一方で、2026年9月6日時点で確認できていないこともはっきり書いておきます。

  • 岩手県の県営建設工事の入札における加点: 岩手県「令和7年度の入札制度改正概要について」(令和7年4月11日更新)の本文には「健康経営」の記載がありません。総合評価落札方式の技術評価基準の詳細までは追い切れていないため、加点の有無は確認できていません。加点を狙う場合は、発注機関(岩手県出納局や各市町村)に直接確認してください。
  • 県の制度融資での優遇: 岩手県制度融資の案内に、健康経営認定を条件とする金利優遇の記載は見つけられませんでした。取引金融機関に確認してください。

全国の記事では「入札で有利になる」「金利が優遇される」といった書き方をよく見かけますが、自治体ごとに扱いが違います。岩手で通用するかどうかは、公表資料か発注者への確認で裏を取ってから社内説明に使ってください。

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出典・参考

本記事の情報は2026年9月6日時点で各公式ページを確認したものです。受付期間・要件・費用は変更されることがあります。申請前に必ず各実施機関の最新の公表資料をご確認ください。「健康経営」はNPO法人健康経営研究会の登録商標です。

よくある質問

いわて健康経営認定事業所の申請はいつまでですか?

令和8年度の第2回認定申請は、2026年8月17日(月曜日)8時30分から9月14日(月曜日)17時00分までです。郵送で提出する場合は9月14日当日消印有効です。次回の令和9年度認定の受付は令和9年1月頃が予定されています。

健康経営優良法人2027に申請するにはどうすればいいですか?

先に、加入している保険者が実施する健康宣言事業へ参加します。そのうえで、初申請の場合は申請期間中に新規ID発行(登録)を行い、事務局から案内される専用サイトで認定申請書をダウンロード・記入・アップロードします。中小規模法人部門の申請期間は2026年8月17日から10月16日17時までです。

健康経営優良法人の申請料はいくらですか?

中小規模法人部門の認定申請料は15,000円(税込16,500円)/件です。請求書の送付は2026年11月上旬頃で、振込期限は12月31日とされています。なお岩手県の「いわて健康経営認定事業所」については、県の案内に申請費用の記載はありません。

健康経営の認定は毎年申請が必要ですか?

どちらも毎年の申請が必要です。いわて健康経営認定事業所の認定の有効期間は1年間で、令和8年度の認定は令和9年3月末までです。健康経営優良法人も年度ごとの認定制度です。

中小企業が健康経営優良法人になる条件は何ですか?

必須項目(健康宣言の社内外への発信と経営者自身の健診受診、健康づくり担当者の設置、健康経営の具体的な推進計画、受動喫煙対策、評価・改善、法令遵守など)をすべて満たしたうえで、選択項目を①〜③から2項目以上、④〜⑩から2項目以上、⑪〜⑰から4項目以上満たすことが必要です。小規模法人特例に該当する場合、⑪〜⑰は2項目以上に緩和されます。

県の認定と国の認定は両方取る意味がありますか?

材料の大半が共通しているため、両方申請する負担は見た目ほど大きくありません。定期健診受診率、受診勧奨、受動喫煙対策、研修の実施記録は、県の5基準にも国の評価項目にも使えます。県の認定は10月上旬に交付されるので、国の申請(10月16日締切)の直前に社内の資料が揃っている状態になります。

健康経営の認定を取ると入札で有利になりますか?

自治体・発注機関によって扱いが異なります。2026年9月6日時点で、岩手県の「令和7年度の入札制度改正概要について」の本文には健康経営に関する記載を確認できませんでした。加点を狙う場合は、発注機関に直接確認してください。

健診結果を生成AIに入力して申請書を作ってもいいですか?

個人が特定できる健診結果やストレスチェックの個人結果は入力しないでください。これらは要配慮個人情報にあたり、外部サービスへの入力は第三者提供に当たり得ます。AIに渡してよいのは、受診率・実施回数・参加人数といった集計済みの数値と、実施した取組の内容や制度の文面です。