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岩手の市町村別 事業所数・従業者数|経済センサスの早見表

岩手の市町村別 事業所数・従業者数|経済センサスの早見表

総務省の令和6年経済センサス‐基礎調査(2024年6月1日現在)によると、岩手県の民営事業所数は39,377、そこで働く従業者数は474,636人でした(総務省統計局「令和6年経済センサス‐基礎調査(民営事業所)確報集計結果」(令和7年12月24日))。市町村別では盛岡市が11,028事業所・133,652人で最も多く、従業者数の2番目は北上市の52,033人です。

市町村別の数字は、e-Statで公開されている確報の統計表(第1-1表と第7表)から取りました。どちらも2025年12月24日に公開された表で、市町村別の事業所数・従業者数として、いま公開されている最新の確報です。この記事の数字は、2026年10月12日にe-Statから取得した統計表で確かめています。

ここでは、33市町村の早見表、従業者数で並べたときの順位の入れ替わり、市町村ごとに従業者が最も多い産業、県全体の産業別・規模別の内訳、前回調査の数字と並べてはいけない理由、会社の資料での使い方、生成AIに表を扱わせるときの注意を順にまとめます。

この記事の要点

  • 令和6年経済センサス‐基礎調査(2024年6月1日現在・確報)で、岩手県の民営事業所数は39,377、従業者数は474,636人です。事業内容等不詳の事業所を含む事業所総数は44,095です。
  • この調査は、雇用者のいない個人経営の事業所を対象にしていません。令和3年の活動調査(民営事業所数54,598)とは対象の範囲が違うため、並べて「減った」とは読めません。
  • 事業所数・従業者数とも最も多いのは盛岡市(11,028事業所・133,652人)です。
  • 従業者数で並べ替えると、北上市(52,033人)が2番目に上がります。矢巾町は1,122事業所に18,753人、金ケ崎町は434事業所に10,019人が働いています。
  • 市町村ごとに従業者が最も多い産業を見ると、製造業が20市町村、医療、福祉が7市町村、卸売業、小売業が5市町、建設業が田野畑村です。
  • 岩手県の1事業所当たり従業者数は12.1人で、全国の14.0人より少なくなっています。
  • 生成AIには、書き写した表の並べ替えや説明文の下書きを任せます。数字の読み取りと、どの数字を使うかの判断は人がやります。

対象読者

  • 出店や営業エリア、採用の計画を立てるために、市町村ごとの事業所の数と働く人の数をつかみたい経営者・営業担当の方
  • 取引先の候補を、産業と地域で絞り込みたい卸売・製造・サービス業の方
  • 補助金の申請書や事業計画に、県内や市町村の産業の姿を出典付きで書きたい方
  • 自治体・商工団体・金融機関で、地域の事業所数を資料にまとめる方

読了後にできること

  • 岩手県と33市町村の事業所数・従業者数を、出典付きで自分の資料に書ける
  • 事業所総数・事業所数・従業者数の違いを説明できる
  • 事業所数の順と従業者数の順が違う理由を、産業の内訳から読める
  • 令和3年の活動調査の数字と混ぜずに扱える
  • 生成AIに表を扱わせる範囲と、自分で確かめる範囲を分けられる

岩手県の民営事業所は39,377|令和6年経済センサス‐基礎調査

経済センサス‐基礎調査は、事業所と企業の基本的な構造を全国と地域別に明らかにするために、総務省が行う調査です。令和6年調査は2024年6月1日を調査日として行われ、民営事業所を対象にした甲調査の確報が2025年12月24日に公表されました(総務省統計局「令和6年経済センサス‐基礎調査」)。

図: 令和6年経済センサス‐基礎調査で、岩手県の事業所総数44,095から事業内容等不詳を除いた事業所数は39,377、従業者数は474,636人。雇用者のいない個人経営の事業所は入っていない
図解1|事業所総数から事業内容等不詳を除いたものが事業所数(令和6年・岩手県)

3つの数字の違い

岩手県の統計表には、事業所の数が2種類、従業者の数が1種類載っています(e-Stat「民営事業所数及び従業者数(雇用者のいない個人経営の事業所を除く)-全国、都道府県、市区町村」)。

項目 岩手県 全国
事業所総数(事業内容等不詳を含む) 44,095 5,060,494
事業所数 39,377 4,023,941
従業者数 474,636人 56,285,043人

事業所総数は、事業所として存在しているものの、記入内容の不備などで事業内容がわからない事業所(事業内容等不詳)まで含めた数です。事業所数はそれを除いた数で、産業別や規模別の表はこちらを土台にしています。従業者数は、必要な事項の数値が得られた事業所を対象に集計されています。

資料に「事業所数」と書くときは、どちらの数かを添えてください。この記事の早見表は、産業別の内訳と足し合わせができる事業所数(39,377の側)を使っています。

雇用者のいない個人経営は入っていない

令和6年の基礎調査は、雇用者のいない個人経営の事業所を調査の対象にしていません。家族だけで営む商店や、ひとりで営む事業所は数に入っていない、ということです。ほかに、農業、林業と漁業に属する個人経営の事業所、家事サービス業、外国公務も対象外です。

従業者は、調査日にその事業所に所属して働いているすべての人で、他の会社へ出向・派遣している人も含みます。反対に、他の会社から派遣されてきて、その事業所から賃金を受け取っていない人は含みません。工場で派遣会社のスタッフが働いている場合、その人たちは工場ではなく、派遣元の事業所の従業者として数えられます。

1事業所当たり12.1人|東北6県の中での位置

総務省の都道府県別の表では、岩手県の1事業所当たり従業者数は12.1人で、全国の14.0人より少なくなっています。東北6県を並べると次のとおりです。

県 事業所総数 従業者数 1事業所当たり従業者数
青森県 44,310 452,349人 11.6人
岩手県 44,095 474,636人 12.1人
宮城県 88,936 1,006,762人 13.3人
秋田県 35,317 365,118人 11.7人
山形県 40,655 425,214人 11.8人
福島県 71,156 743,917人 12.3人

この表の事業所総数は事業内容等不詳を含む数なので、1事業所当たり従業者数は、従業者数を事業所総数で割った値とは必ずしも一致しません(総務省の注記)。岩手県と青森県は事業所総数がほぼ同じで、従業者数は岩手県のほうが多い、という読み方になります。

市町村別の早見表|事業所数の多い順

33市町村の早見表

下の表は、e-Statの第1-1表(事業所数・従業者数)と第7表(産業別)から、岩手県の33市町村を事業所数の多い順に並べたものです(e-Stat「令和6年経済センサス‐基礎調査 甲調査(民営事業所)事業所に関する集計 事業所数、従業者数」(2025年12月24日公開))。「圏域」は県の広域振興圏(県央・県南・沿岸・県北)の区分、「従業者が最も多い産業」は産業大分類で見た1位の産業と、その従業者数です。

市町村 圏域 事業所数 従業者数 従業者が最も多い産業(人)
盛岡市 県央 11,028 133,652 卸売業、小売業(29,376)
奥州市 県南 3,512 41,066 製造業(9,866)
一関市 県南 3,360 39,900 製造業(10,625)
北上市 県南 3,104 52,033 製造業(15,235)
花巻市 県南 2,867 34,927 製造業(7,996)
宮古市 沿岸 1,585 15,845 卸売業、小売業(3,290)
大船渡市 沿岸 1,325 12,535 製造業(2,726)
久慈市 県北 1,171 12,325 製造業(2,404)
釜石市 沿岸 1,165 13,325 製造業(4,066)
滝沢市 県央 1,155 13,307 卸売業、小売業(2,913)
矢巾町 県央 1,122 18,753 医療、福祉(5,040)
二戸市 県北 875 9,384 製造業(2,121)
遠野市 県南 828 8,676 製造業(2,593)
紫波町 県央 792 8,834 卸売業、小売業(1,780)
八幡平市 県央 752 8,409 製造業(1,917)
陸前高田市 沿岸 532 5,006 医療、福祉(1,258)
雫石町 県央 437 5,573 製造業(1,194)
金ケ崎町 県南 434 10,019 製造業(5,308)
山田町 沿岸 364 3,365 製造業(867)
洋野町 県北 350 2,998 医療、福祉(609)
一戸町 県北 336 3,551 医療、福祉(986)
岩手町 県央 326 3,417 製造業(918)
岩泉町 沿岸 294 2,680 製造業(716)
大槌町 沿岸 271 2,617 製造業(712)
平泉町 県南 254 2,389 卸売業、小売業(532)
軽米町 県北 217 2,230 製造業(447)
西和賀町 県南 187 1,308 医療、福祉(335)
葛巻町 県央 177 1,330 製造業(255)
九戸村 県北 142 1,404 製造業(442)
住田町 沿岸 135 1,361 製造業(564)
野田村 県北 114 967 医療、福祉(191)
田野畑村 沿岸 92 801 建設業(160)
普代村 県北 74 649 医療、福祉(206)
岩手県計 - 39,377 474,636 卸売業、小売業(90,059)

表の見方

事業所数は、事業内容等不詳を除いた数です。市町村の資料によっては、不詳を含む事業所総数を使っていることがあります。たとえば盛岡市の事業所総数は12,497で、早見表の11,028とは違います。数字が合わないときは、まずどちらの数かを確かめてください。

従業者数は、その市町村にある事業所で働く人の数です。住んでいる人の数ではないので、人口とは意味が違います。ほかの市町村に住んで盛岡市の事業所に通っている人は、盛岡市の従業者に入ります。

圏域の区分は、県が令和3年経済センサス‐活動調査の結果の概要で使っている広域振興圏の分け方に合わせました。住田町は沿岸広域振興圏に入ります。

従業者数で並べると順位が入れ替わる|北上市・矢巾町・金ケ崎町

事業所数の順と従業者数の順は一致しません。働く人の多い事業所がある市町村ほど、従業者数で順位が上がります。

図: 事業所数の順は盛岡市、奥州市、一関市、北上市。従業者数の順は盛岡市、北上市、奥州市、一関市で、北上市が4番目から2番目に上がる
図解2|事業所数では4番目の北上市が、従業者数では2番目になる

北上市は事業所数で4番目、従業者数で2番目

事業所数は盛岡市11,028、奥州市3,512、一関市3,360、北上市3,104の順です。従業者数で並べると、盛岡市133,652人、北上市52,033人、奥州市41,066人、一関市39,900人となり、北上市が2番目に上がります。

北上市で従業者が最も多い産業は製造業の15,235人です。製造業の事業所数は北上市が302、盛岡市が301でほぼ同じですが、従業者数は盛岡市の6,082人に対して北上市は15,235人です。

北上市で2番目に多いのは、サービス業(他に分類されないもの)の8,343人です。このうち職業紹介・労働者派遣業が33事業所・4,815人で、県全体の職業紹介・労働者派遣業(187事業所・9,982人)の中で最も多く、盛岡市の62事業所・3,520人を上回ります。派遣された人は派遣元の事業所で数えられるため、工場で働く人の規模をつかみたいときは、製造業と労働者派遣業をあわせて見る必要があります。

北上市には、キオクシアの北上工場があります。新しい製造棟の計画はキオクシア北上のK3(Fab3)とは|2029年度稼働・1.8兆円で扱っています。

矢巾町は医療、福祉と卸売業

矢巾町の事業所数は1,122で33市町村の中で11番目ですが、従業者数は18,753人で6番目です。産業別に見ると、医療、福祉が118事業所・5,040人、卸売業が218事業所・2,979人、運輸業、郵便業が103事業所・2,428人です。学校教育も8事業所に1,151人が働いています。

金ケ崎町は434事業所に10,019人

金ケ崎町の事業所数は434で18番目です。従業者数は10,019人で12番目に上がり、そのうち製造業が42事業所・5,308人です。製造品出荷額等で見ると、金ケ崎町は北上市を上回り、県内の市町村で最も大きくなっています。市町村別の出荷額は、経済構造実態調査をもとに岩手の製造品出荷額3兆4,231億円|市町村別と業種別の読み方にまとめています。

市町村ごとに従業者が最も多い産業|製造業が20市町村

早見表の右端の列を産業ごとにまとめると、33市町村は4つに分かれます。

図: 市町村ごとに従業者が最も多い産業は、製造業が20市町村、医療、福祉が7市町村、卸売業、小売業が5市町、建設業が田野畑村
図解3|従業者が最も多い産業で33市町村を分ける

製造業が最も多い20市町村

奥州市、一関市、北上市、花巻市、大船渡市、久慈市、釜石市、二戸市、遠野市、八幡平市、雫石町、金ケ崎町、山田町、岩手町、岩泉町、大槌町、軽米町、葛巻町、九戸村、住田町です(事業所数の多い順)。県南の市町だけでなく、沿岸の大船渡市・釜石市・山田町・大槌町、県北の久慈市・二戸市も製造業が1位です。県全体では、製造業の従業者は87,156人で、卸売業、小売業の90,059人に次ぐ規模です。

医療、福祉が最も多い7市町村

矢巾町、陸前高田市、洋野町、一戸町、西和賀町、野田村、普代村です。県全体で見ても、医療、福祉は4,559事業所に74,710人が働いています。事業所の数が少ない町村では、病院や介護の事業所が地域で最も大きな働き口になっていることが、この列から読み取れます。

卸売業、小売業の5市町と、建設業の田野畑村

卸売業、小売業が1位なのは、盛岡市、宮古市、滝沢市、紫波町、平泉町です。盛岡市は卸売業、小売業が29,376人、医療、福祉が22,758人、サービス業(他に分類されないもの)が15,584人と、3つの産業がいずれも製造業(6,082人)を上回ります。田野畑村は建設業が160人で最も多く、医療、福祉148人、宿泊業、飲食サービス業122人が続きます。

県全体の内訳|産業別・規模別・経営組織別

産業別の早見表

県全体の産業大分類別の内訳です(e-Stat 第5表「産業(大分類)、経営組織(4区分)、単独・本所・支所、従業者規模(9区分)別民営事業所数、従業者数及び常用雇用者数」)。

産業(大分類) 事業所数 従業者数
卸売業、小売業 10,070 90,059
医療、福祉 4,559 74,710
建設業 4,240 40,326
宿泊業、飲食サービス業 3,481 32,155
サービス業(他に分類されないもの) 3,415 40,969
製造業 2,751 87,156
生活関連サービス業、娯楽業 2,268 17,117
不動産業、物品賃貸業 1,807 8,041
学術研究、専門・技術サービス業 1,607 9,869
運輸業、郵便業 1,311 26,609
農林漁業 1,132 12,207
金融業、保険業 862 9,906
教育、学習支援業 796 12,246
複合サービス事業 475 5,482
情報通信業 418 5,334
電気・ガス・熱供給・水道業 134 1,902
鉱業、採石業、砂利採取業 51 548
全産業(公務を除く) 39,377 474,636

事業所数では卸売業、小売業が10,070で最も多く、医療、福祉4,559、建設業4,240が続きます。従業者数では卸売業、小売業90,059人、製造業87,156人、医療、福祉74,710人の3つが大きく、製造業は事業所数では6番目ですが、従業者数では2番目です。従業者のうち常用雇用者は432,738人です。

従業者規模別|事業所は1~4人、従業者は10~19人が最も多い

従業者規模 事業所数 従業者数
1~4人 17,727 42,834
5~9人 9,716 64,121
10~19人 6,526 87,445
20~29人 2,132 50,398
30~49人 1,560 58,618
50~99人 993 68,130
100~199人 297 39,267
200~299人 89 21,992
300人以上 71 41,831
総数 39,377 474,636

事業所の数で最も多いのは、従業者1~4人の17,727事業所です。一方、働く人の数で最も多いのは10~19人規模の事業所の87,445人で、300人以上の71事業所にも41,831人が働いています。総数の39,377には、調査日に従業者が0人だった事業所も含まれるため、規模別の事業所数を足しても総数とは一致しません。

個人・会社・会社以外の法人

経営組織別では、会社が26,809事業所・354,557人、会社以外の法人(医療法人、社会福祉法人、学校法人、協同組合など)が6,200事業所・92,014人、雇用者のいる個人経営が5,894事業所・25,710人、法人でない団体が474事業所・2,355人です。

事業所の形態で見ると、支所・支社・支店が16,422事業所で239,959人が働き、単独事業所の19,562事業所・153,716人を従業者数で上回ります。本所・本社・本店は2,919事業所・78,606人です。県外に本社がある会社の支店や工場も、支所・支社・支店に入ります。

前回の54,598と並べてはいけない理由

令和3年は活動調査、令和6年は基礎調査

県が公表している令和3年経済センサス‐活動調査の結果の概要では、2021年6月1日現在の岩手県の民営事業所数は54,598、従業者数は518,167人でした(岩手県ふるさと振興部「令和3年経済センサス‐活動調査(確報)産業横断的集計 結果の概要」(令和5年9月))。令和6年の39,377・474,636人と並べると大きく減ったように見えますが、そう読むことはできません。

図: 令和3年経済センサス‐活動調査の民営事業所数54,598と、雇用者のいない個人経営の事業所を除く令和6年経済センサス‐基礎調査の39,377は、調査対象の範囲が違うため並べて比べない
図解4|令和3年の活動調査と令和6年の基礎調査は、調査対象の範囲が違う

総務省は、令和6年の基礎調査は雇用者のいない個人経営の事業所を調査対象としておらず、令和3年の活動調査や令和元年の基礎調査をはじめとした過去の経済センサスとは調査対象の範囲が異なるため、比較には留意が必要だとしています。令和3年の数字には、ひとりで営む事業所なども入っています。

資料に「減った」と書かない

社内資料や申請書で過去と比べたい場合は、比べる2つの数字の範囲がそろっているかを先に確かめます。範囲がそろわないまま並べると、事業所が3年で大きく減ったという、統計にない話を作ってしまいます。どうしても並べる場合は、2つの数字を別の行に置き、「調査対象の範囲が違うため比較できない」と注記してください。

県の「いわての統計情報」の経済センサス‐基礎調査のページに載っているのは令和元年までの結果の概要で、令和6年の県版の概要は2026年10月12日時点で見当たりません。令和6年の数字は、総務省の公表資料とe-Statの統計表から取ってください。

会社の資料で使う手順

1. 商圏の市町村を決める

県全体の数字で語らず、商圏や営業エリアに入る市町村を先に決めます。盛岡市の店舗なら盛岡市・滝沢市・矢巾町・紫波町、北上市の工場の取引先なら北上市・奥州市・花巻市・金ケ崎町というように、実際に人や物が行き来している範囲で選びます。

2. 事業所数と従業者数を書き写す

早見表から、選んだ市町村の事業所数と従業者数を書き写します。取引先や訪問先の数を見たいときは事業所数、昼間にその地域で働く人の数を見たいときは従業者数を使います。人口と並べるときは、従業者数が「その市町村にある事業所で働く人」の数で、住む人の数ではないことを添えます。

3. 最も多い産業と規模を見る

営業先を絞るときは、市町村ごとの最も多い産業と、県全体の規模別の内訳を見ます。従業者1~4人の事業所が17,727と最も多い一方、働く人は10~19人規模の事業所に87,445人が集まっています。訪問の件数を重ねるのか、1件当たりの規模が大きい先を狙うのかで、見るべき層が変わります。

4. 調査名・調査日・範囲を書く

資料には「令和6年経済センサス‐基礎調査(2024年6月1日現在・確報)、民営事業所、雇用者のいない個人経営の事業所を除く」と書きます。この3点がないと、別の統計の数字と並べられたときに説明がつきません。統計の探し方全般は岩手県の統計データの探し方|国勢調査は9月29日公表予定にまとめています。

生成AIに早見表を扱わせるときの線引き

数字は人が統計表から書き写し、AIにはその表を使った作業を任せます。

図: 事業所数や従業者数そのものを答えさせることと、事業所総数と事業所数のどちらを使うかの判断はAIに任せない。書き写した早見表の並べ替え、説明文の下書き、読み手に合わせた書き分けは任せてよい
図解5|生成AIに任せない作業と任せてよい作業

任せてよい作業

  • 書き写した早見表の並べ替え(従業者数の多い順、圏域ごとなど)
  • 表から読み取れることの説明文の下書き
  • 社内向け・取引先向けなど、読み手に合わせた書き分け
  • 表の体裁や見出しの調整

任せない作業

  • 事業所数や従業者数そのものを答えさせること。統計表にない数字が返ってくることがあります
  • 令和3年と令和6年のように、対象の範囲が違う数字を並べさせて増減を語らせること
  • 事業所総数と事業所数のどちらを使うかの判断

プロンプトの例

あなたは岩手県内の中小企業の営業企画担当です。
次の表の数字だけを使い、営業エリアの説明文を300字で下書きしてください。
表にない数字を足したり、増えた・減ったと書いたりしないでください。

【出典】総務省「令和6年経済センサス‐基礎調査」(2024年6月1日現在・確報)
民営事業所、雇用者のいない個人経営の事業所を除く

市町村|事業所数|従業者数
北上市|3,104|52,033人
奥州市|3,512|41,066人
花巻市|2,867|34,927人
金ケ崎町|434|10,019人

出す前に確かめる3点

  1. 数字が渡した表のとおりか
  2. 令和3年など、範囲の違う調査との比較が混じっていないか
  3. 調査名・調査日・範囲が書かれているか

よくある質問

Q. 岩手県の事業所数はいくつですか。
A. 令和6年経済センサス‐基礎調査(2024年6月1日現在)で、事業内容等不詳を除く民営事業所数は39,377、不詳を含む事業所総数は44,095です。従業者数は474,636人です。

Q. 盛岡市の事業所数は11,028と12,497のどちらですか。
A. どちらも同じ統計表にある数字です。11,028は事業内容等不詳を除いた事業所数、12,497は不詳を含む事業所総数です。産業別の内訳とあわせて使うなら11,028を使い、資料にはどちらの数かを書いてください。

Q. 令和3年より事業所が減ったのですか。
A. この2つの調査は対象の範囲が違います。令和6年の基礎調査は雇用者のいない個人経営の事業所を対象にしていないため、令和3年の活動調査の54,598と並べて減ったとは言えません。

Q. 従業者数は市町村に住む人の数ですか。
A. 違います。その市町村にある事業所で働いている人の数です。ほかの市町村から通勤している人も含まれ、人口とは別の数字です。

Q. 役所の職員は入っていますか。
A. 入っていません。この記事の数字は民営事業所を対象にした甲調査の結果で、国と地方公共団体の事業所は乙調査で別に調べています。

Q. AIに市町村の事業所数を聞いてもよいですか。
A. 数字そのものは統計表から人が書き写してください。AIには、書き写した表の並べ替えや説明文の下書きを任せる形が安全です。

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参考・出典