先端設備等導入計画は、中小企業が新しい設備で労働生産性を上げる計画を作り、設備を置く市町村から認定を受ける制度です。認定を受ける計画に、給与総額(雇用者給与等支給額)を1.5%以上増やす賃上げ方針を従業員に表明したことを書いておくと、その計画で取得した対象設備(機械装置は160万円以上など)の固定資産税が3年間2分の1に、3%以上なら5年間4分の1になります。対象は令和9年3月31日までに取得した設備です(中小企業庁「『先端設備等導入計画』等の概要について」(令和7年4月))。
岩手県では、33市町村のうち32市町村がこの固定資産税の軽減を行っています(中小企業庁「先端設備導入に係る固定資産税の軽減措置を講じている市区町村」(令和8年3月31日現在))。令和7年度(2025年4月〜2026年3月)に県内で認定された新規の計画は32件でした(中小企業庁「『先端設備等導入計画』の認定状況(令和8年3月31日時点)」)。
年内に設備を入れる予定の会社が気をつける点は2つです。設備は認定を受けた後に取得すること、そして特例は1月31日までの償却資産申告で受けることです(盛岡市「先端設備等導入計画の申請受付について」(令和8年9月25日更新)、盛岡市「償却資産の申告について」)。12月1日の岩手県最低賃金1,090円への引き上げに合わせた時給や給与の引き上げも、給与総額の増加に入ります(岩手労働局「岩手県最低賃金が1,090円になります」(令和8年10月2日))。
この記事では、制度の仕組み、固定資産税の特例、岩手の市町村と認定実績、盛岡市の窓口と書類、年末に設備を買うときの順番、1,090円と賃上げ方針の関係、1月31日の償却資産申告、生成AIに任せる作業を順にまとめます。内容は2026年10月15日時点で、中小企業庁・盛岡市・岩手労働局の公表資料を確かめたものです。自社の設備が対象になるかは、認定経営革新等支援機関(商工会議所・商工会・金融機関など)と、設備を置く市町村に確かめてください。
この記事の要点
- 先端設備等導入計画は、労働生産性を年平均3%以上上げる設備投資の計画です。設備を置く市町村が認定します。
- 給与総額を1.5%以上増やす賃上げ方針を表明すると、計画で取得した設備の固定資産税が3年間2分の1、3%以上なら5年間4分の1になります。賃上げ方針がなければ、この軽減はありません。
- 対象は機械装置(160万円以上)、測定工具及び検査工具(30万円以上)、器具備品(30万円以上)、建物附属設備(60万円以上)で、中古は対象外です。令和9年3月31日までに取得した設備が対象です。
- 岩手県では32市町村が軽減を行っています(令和8年3月31日現在)。一覧に葛巻町は載っていません。
- 令和7年度の岩手の新規認定は32件で、月別では12月の7件が最も多い月でした。32件すべてに賃上げ方針がありました。
- 設備は認定の後に取得します。賃上げ方針を計画に書けるのは新規申請のときだけです。
- 特例は、1月31日までの償却資産申告で、認定書などの写しを付けて受けます。盛岡市の令和8年度分の提出期限は2月2日でした。
対象読者
- 年内から年度末にかけて機械や設備を入れる予定の、岩手県内の中小企業・個人事業主
- 12月1日の最低賃金1,090円に合わせて賃上げを予定し、設備投資の税負担も軽くしたい事業者
- 顧問先の設備投資や償却資産申告を手伝う税理士・認定経営革新等支援機関・金融機関の担当者
読了後にできること
- 自社の設備が固定資産税の特例の対象になるかを、設備の種類と取得価額で見分けられる
- 設備を置く市町村が軽減を行っているかを確かめられる
- 賃上げ方針の表明から認定、設備の取得、償却資産申告までの順番を、社内の予定に落とし込める
- 1,090円への引き上げで、賃上げ方針の1.5%や3%に届くかを見積もれる
- 申請書類の下準備で、生成AIに任せる作業と自分で確かめる作業を分けられる
先端設備等導入計画の仕組み|市町村が認定し固定資産税を軽減
認定までの流れ
先端設備等導入計画は、中小企業等経営強化法に基づく計画です。市町村が「導入促進基本計画」を作って国の同意を得ていると、その市町村で設備を入れる中小企業者が計画を出し、認定を受けられます。認定を受けると、固定資産税の軽減などの支援を使えます(中小企業庁「『先端設備等導入計画』等の概要について」)。

申請の前に、認定経営革新等支援機関(商工会議所・商工会・地域金融機関・士業の専門家など)に計画を見てもらい、確認書を受け取ります。中小企業者はこの確認書を付けて市町村へ申請します。本社と別の市町村にある工場に設備を入れる場合は、実際に設備を入れる市町村に申請します(中小企業庁「先端設備等導入計画 Q&A」)。
認定を受けられる中小企業者
計画の認定を受けられる中小企業者の範囲は、業種ごとに次のとおりです(盛岡市「先端設備等導入計画の申請受付について」)。
| 業種 | 資本金の額または出資の総額 | 常時使用する従業員の数 |
|---|---|---|
| 製造業その他 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| ゴム製品製造業(一部を除く) | 3億円以下 | 900人以下 |
| ソフトウェア業・情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
固定資産税の特例は、この表と規模の要件が違います。次の節で説明します。
計画の要件
計画期間は3年、4年、5年のいずれかです。基準年度(直近の事業年度末)と比べて、労働生産性が年平均3%以上上がる計画にします。労働生産性は、営業利益・人件費・減価償却費の合計を、労働投入量(労働者数、または労働者数に1人あたりの年間就業時間をかけたもの)で割って求めます(盛岡市「先端設備等導入計画の申請受付について」)。計画の目標に届かなかった場合の罰則はありません(中小企業庁「Q&A」)。
固定資産税の特例|1.5%で3年間2分の1、3%で5年間4分の1
特例の対象者
固定資産税の特例を受けられるのは、資本金1億円以下の法人、従業員1,000人以下の個人事業主などのうち、先端設備等導入計画の認定を受けた人です。大企業の子会社などは除きます(中小企業庁「『先端設備等導入計画』等の概要について」)。資本金が1億円を超える会社は、計画の認定を受けられても特例は使えません。資本金などの要件は、課税の基準日の1月1日時点で判断します(中小企業庁「Q&A」)。

対象設備と最低取得価格
特例の対象になる設備は、次の4種類です(中小企業庁「『先端設備等導入計画』等の概要について」)。
| 設備の種類 | 最低取得価格 |
|---|---|
| 機械装置 | 160万円以上 |
| 測定工具及び検査工具 | 30万円以上 |
| 器具備品 | 30万円以上 |
| 建物附属設備(家屋と一体となって効用を果たすものを除く) | 60万円以上 |
このほか、生産・販売活動などに直接使う設備であること、中古でないことが条件です。さらに、認定経営革新等支援機関の確認を受けた投資利益率5%以上の投資計画に載っている設備に限ります。投資利益率は、設備を取得した翌年度以降3年度の営業利益と減価償却費の増加額の平均を、設備投資額で割って求めます。対象になる設備の範囲は、市町村によって異なる場合があります(中小企業庁「『先端設備等導入計画』等の概要について」)。
盛岡市の計画では、認定の対象になる先端設備等にソフトウェアも入っています(盛岡市「先端設備等導入計画の申請受付について」)。ただし固定資産税の特例は、上の4種類の設備が対象です。
賃上げ方針がないと特例はない
固定資産税の特例を受けるには、賃上げ方針を従業員に表明したことを計画に書く必要があります(中小企業庁「『先端設備等導入計画』等の概要について」)。
| 賃上げ方針(給与総額の増加率) | 軽減の期間 | 課税標準 |
|---|---|---|
| 1.5%以上 | 3年間 | 2分の1 |
| 3%以上 | 5年間 | 4分の1 |
| 表明なし | 軽減なし | ー |
3年間(5年間)は、その設備に新たに固定資産税がかかる年から数えます(中小企業庁「先端設備等導入計画策定の手引き」(2025年4月版))。固定資産税は、課税標準額に税率1.4%をかけて求めます(盛岡市の場合)。課税標準が2分の1になれば、その設備にかかる税額も2分の1になります(盛岡市「令和8年度 償却資産申告の手引き」)。
岩手は32市町村が軽減の対象
一覧に載っている市町村
中小企業庁の一覧(令和8年3月31日現在)では、岩手県の33市町村のうち32市町村が、先端設備の導入に係る固定資産税の軽減を行っています(中小企業庁「先端設備導入に係る固定資産税の軽減措置を講じている市区町村」)。
- 市(14市): 盛岡市、宮古市、大船渡市、花巻市、北上市、久慈市、遠野市、一関市、陸前高田市、釜石市、二戸市、八幡平市、奥州市、滝沢市
- 町村(18町村): 雫石町、岩手町、紫波町、矢巾町、西和賀町、金ケ崎町、平泉町、住田町、大槌町、山田町、岩泉町、田野畑村、普代村、軽米町、野田村、九戸村、洋野町、一戸町
全国では1,640自治体が軽減を行っています(中小企業庁「『先端設備等導入計画』の認定状況について(令和8年3月31日現在)」(2026年8月24日))。
一覧に載っていない町で設備を入れる場合
同じ一覧に、葛巻町は載っていません。葛巻町の事業所に設備を入れる予定がある場合は、導入促進基本計画の有無と固定資産税の扱いを町に確かめてから計画を作ってください。一覧は認定状況の公表にあわせて更新されており、最新は令和8年3月31日現在の版(2026年8月24日公表)です(中小企業庁「先端設備等導入制度による支援」)。対象地域や対象業種は市町村の導入促進基本計画で決まるため、一覧に載っている市町村でも、設備を置く場所と業種が計画の範囲に入るかを確かめます。
岩手の認定実績|令和7年度は新規32件
県内の件数と設備の額
中小企業庁が市町村の報告をまとめた認定状況(令和8年3月31日時点)によると、令和7年度に岩手県内で認定された新規の先端設備等導入計画は32件でした。新規認定の設備は合計14億5,800万円、80台です。計画の変更認定は10件(3億3,000万円、19台)でした(中小企業庁「『先端設備等導入計画』の認定状況(令和8年3月31日時点)」)。
全国の新規認定は5,901件、設備投資の額は約4,245億円、設備の数量は18,723台です(中小企業庁「『先端設備等導入計画』の認定状況について」)。岩手の32件は、47都道府県のうち多い順で42番目です。県内の32件のうち、賃上げ方針の表明がなかった計画は0件で、全国では5,901件のうち305件が表明なしでした(中小企業庁「認定状況(令和8年3月31日時点)」)。
月別では12月が最多
令和7年度の岩手の新規認定を月別に並べると、12月の7件が最も多く、次が5月の5件でした(中小企業庁「認定状況(令和8年3月31日時点)」)。
| 月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 新規認定(件) | 4 | 5 | 4 | 3 | 1 | 2 | 1 | 0 | 7 | 2 | 2 | 1 |
年末に設備を受け取る予定なら、認定はその前に受ける必要があります。10月から11月が、認定支援機関と市町村に相談する時期になります。
東北6県との比較
令和7年度の新規認定件数を東北6県で比べると、次のとおりです(中小企業庁「認定状況(令和8年3月31日時点)」)。
| 県 | 新規認定(件) |
|---|---|
| 山形県 | 138 |
| 福島県 | 80 |
| 秋田県 | 53 |
| 青森県 | 45 |
| 岩手県 | 32 |
| 宮城県 | 26 |
件数は県内の事業所の数や業種の構成、市町村の案内のしかたでも変わります。件数の多い少ないだけで、制度の使いやすさは判断できません。
盛岡市の窓口と必要書類
盛岡市の導入促進基本計画
盛岡市は、導入促進基本計画を令和7年6月19日に更新しています。対象地域は市内全域、対象業種と対象事業は全業種・全事業で、先端設備等の種類は経済産業省令で定めるものすべてです。ただし、太陽光発電などの再生可能エネルギー発電設備は、発電した電気を自社の生産・販売・役務の提供に使う設備に限り、売電を目的とした設備は対象外です(盛岡市「先端設備等導入計画の申請受付について」(令和8年9月25日更新))。
申請に必要な書類
盛岡市では、申請書類1部を商工労働部ものづくり推進課に持参か郵送で出します。必要な書類は次のとおりです(盛岡市「先端設備等導入計画の申請受付について」)。
- 先端設備等導入計画に係る認定申請書と別紙(先端設備等導入計画)
- 先端設備等導入計画に関する確認書(認定支援機関確認書)の原本
- 直近の市税に係る納税証明書
- 先端設備等導入計画申請書提出用チェックリスト
- 郵送で認定書を受け取る場合は返信用封筒(A4の認定書を折らずに返送できるもので、切手を貼ったもの)
固定資産税の特例を受ける場合に足す書類
- 先端設備等に係る投資計画に関する確認書(認定支援機関確認書)の原本
- 従業員へ賃上げ方針を表明したことを証する書類の原本(表明を受けた従業員代表者の署名が必要)
認定の後に設備を変えたり足したりする場合は、計画の変更認定を受けます。変更申請では、賃上げ方針を計画に新しく書き加えることはできません(盛岡市「先端設備等導入計画の申請受付について」)。盛岡市以外で設備を入れる場合は、その市町村の担当課に提出先と添付書類を確かめてください。
設備は認定の後に買う|年末の発注で気をつける順番
順番を間違えると特例の対象外
先端設備等は、計画の認定を受けた後に取得することが必須です(中小企業庁「『先端設備等導入計画』等の概要について」)。認定の前に取得した設備は、特例の対象外です。設備の取得は認定の後と覚えておき、販売店との契約や納品の日を決めます。中小企業庁のQ&Aでは、取得は設備の所有権を得たこと(購入など)を指し、検収が終わっていない設備は引き渡しが済んでいないため、一般に未取得と考えられるとしています(中小企業庁「Q&A」)。契約を認定の前に結ぶ場合の扱いは、設備を置く市町村に確かめてください。

中小企業庁の資料にある流れを、社内の作業に置き換えると次の順番です。
- 賃上げ方針を決め、従業員(代表者でもよい)に表明する
- 認定経営革新等支援機関に、計画の事前確認と投資計画の確認を頼み、2つの確認書を受け取る
- 設備を置く市町村に計画を申請する
- 市町村から認定を受ける
- 設備を取得する
- 1月1日時点で持っている設備として、1月31日までの償却資産申告で特例を申告する
賃上げ方針を書けるのは新規申請のときだけ
賃上げ方針を計画に書けるのは新規申請のときだけで、変更申請では追加できません(中小企業庁「Q&A」)。最初の申請で賃上げ方針を書かなかった計画では、その計画で取得する設備に特例を使えません。表明は従業員全員でなく、従業員の代表者だけに行っても足ります(中小企業庁「Q&A」)。
認定までの日数を見込む
申請を受けてから認定するまでの日数は、市町村ごとに決めることになっています。中小企業庁のQ&Aは、国が認定する経営力向上計画の標準処理期間(30日)を参考に挙げています(中小企業庁「Q&A」)。年内に設備を受け取る予定なら、販売店の納期と認定支援機関の確認にかかる日数も含めて、早めに市町村に相談しておくと予定が立てやすくなります。
岩手の1,090円と賃上げ方針の1.5%・3%
増加率の計算式
賃上げ方針の増加率は、計画の申請日が属する事業年度か、その翌事業年度の雇用者給与等支給額(A)を、申請日が属する事業年度の直前の事業年度の雇用者給与等支給額(B)と比べて求めます。増加率は(A−B)÷Bです。Aに使えるのは、令和7年4月1日以後に開始する事業年度に限ります。雇用者給与等支給額は、国内雇用者に払う給料・賃金・賞与などの支給額です(中小企業庁「『先端設備等導入計画』等の概要について」)。国内雇用者にはパート・アルバイトも入りますが、役員(使用人兼務役員を含む)と、役員や個人事業主の親族などは入りません。役員報酬や、役員・事業主の親族に払う給与を上げても、増加率には数えません(中小企業庁「先端設備等導入計画策定の手引き」)。

1,090円の引き上げ分の試算
岩手県最低賃金は、12月1日に1,031円から1,090円へ59円上がります(岩手労働局「岩手県最低賃金が1,090円になります」、厚生労働省「令和8年度 地域別最低賃金 全国一覧」)。時給1,031円で月120時間働くパートを1,090円にすると、月の給与は123,720円から130,800円になり、1人あたり月7,080円増えます。
給与総額(B・令和7年度)が3,000万円の3月決算の会社で、時給1,031円のパート10人を12月1日に1,090円へ上げ、令和8年度中に申請する場合の試算です。
| Aに選ぶ事業年度 | 1,090円で払う月 | 引き上げ分の増加額 | Bに対する増加率 |
|---|---|---|---|
| 申請日が属する事業年度(令和8年4月〜令和9年3月) | 12月〜3月の4か月 | 283,200円 | 約0.94% |
| 翌事業年度(令和9年4月〜令和10年3月) | 12か月 | 849,600円 | 約2.83% |
この仮定では、引き上げ分だけで、翌事業年度を選べば1.5%(45万円)を超えますが、3%(90万円)には届きません。実際の増加率には、前年度に1,031円へ上げた分、ほかの社員の昇給、賞与、採用や退職による人数の増減も入ります。たとえば同じ10人が令和7年度の4〜11月に952円(令和6年10月27日からの岩手県最低賃金)で働いていた場合は、その8か月分の差(1人あたり月9,480円)も入り、申請日が属する事業年度でも増加額は1,041,600円(約3.47%)になります(厚生労働省「平成14年度から令和8年度までの地域別最低賃金改定状況」)。数字は説明用の仮定で、賃上げ方針の数字は自社の給与台帳で決めてください。
届かなかったとき
賃上げ方針どおりに賃上げできなかった場合でも、それだけで税の追納は発生しません。ただし中小企業庁は、表明した内容に沿って賃上げを行うことを想定しています。投資利益率が計画に届かなかった場合も、税制適用の取り消しはありません(中小企業庁「Q&A」)。
1月31日の償却資産申告で特例を受ける
申告の期限と書類
事業に使う機械や器具などの償却資産を持つ人は、毎年1月1日現在の状況を1月31日までに、資産のある市町村へ申告します。盛岡市は、前年までに申告した人や新しく償却資産を持つ見込みの人に、12月上旬から下旬に申告書類を送っています。電子申告(eLTAX)も使えます(盛岡市「償却資産の申告について」)。

盛岡市の令和8年度分の提出期限は、令和8年2月2日(月)でした(盛岡市「令和8年度 償却資産申告の手引き」)。令和9年度分は、2027年1月31日が日曜日にあたります。期限は12月に届く市町村の案内で確かめてください。
特例の書き方と添付
特例に当たる資産は、償却資産申告書の備考欄と、種類別明細書(増加資産・全資産用)の摘要欄に必要事項を書き、特例の内容を示す書類を添えて申告します。書類に不備があると特例を受けられない場合があるため、盛岡市は事前の問い合わせを案内しています(盛岡市「令和8年度 償却資産申告の手引き」)。先端設備の特例では、認定書などの写しの添付が必要です(盛岡市「先端設備等導入計画の申請受付について」)。
盛岡市では、計画の認定は商工労働部ものづくり推進課、償却資産の申告は財政部資産税課(償却資産係)と、窓口が分かれています(盛岡市「償却資産の申告について」)。
税率と免税点
盛岡市の固定資産税の税率は1.4%です。償却資産の課税標準額の合計が150万円未満なら課税されませんが、その場合も申告書は出す必要があります(盛岡市「令和8年度 償却資産申告の手引き」)。
生成AIに任せる作業と任せない作業
任せてよい作業
- 設備の見積書を貼り付けて、設備名・型式・数量・単価・金額を表に並べる
- 設備の種類(機械装置・器具備品など)と最低取得価格を並べた照合表を作る(当てはまるかの判断は自分で行う)
- 労働生産性(営業利益・人件費・減価償却費の合計÷労働投入量)を計算する表計算の枠を作る
- 従業員代表者に賃上げ方針を説明する文書の下書きを作る
- 盛岡市のチェックリストと手元の書類を突き合わせ、足りない書類を書き出す
任せない作業
- 設備が特例の対象設備に当たるか、中古に当たるかの判断(認定経営革新等支援機関と市町村に確かめる)
- 投資利益率と賃上げ方針の数字の決定
- 申請書への署名・押印、市町村への提出、償却資産申告の提出
- 個人ごとの給与やマイナンバーの入力(集計した合計額だけを使う)
プロンプトの例
あなたは中小企業の総務担当の補助です。
次の貼り付けは、設備の見積書3通です。
1. 設備名、型式、数量、単価、金額を表にしてください。
2. 各設備が「機械装置」「測定工具及び検査工具」「器具備品」「建物附属設備」のどれに近いか候補を挙げ、根拠になる語を見積書から原文のまま書き出してください。
3. 中古品と読める記載があれば、その文を原文のまま抜き出してください。
対象設備に当たるかどうかの判断はしないでください。
(ここに見積書を貼り付ける)
出す前に確かめる3点
- 設備の取得(引き渡し・検収)の日が、認定の日より後になっているか
- 賃上げ方針を新規申請の計画に書き、従業員代表者の署名をもらったか
- 償却資産申告書の備考欄と摘要欄に特例を書き、認定書などの写しを付けたか
よくある質問
Q. 中古の機械を買う場合も使えますか。
A. 使えません。固定資産税の特例は、中古資産を対象にしていません。
Q. 設備を買った後に計画を出しても間に合いますか。
A. 間に合いません。先端設備等は、計画の認定を受けた後に取得することが必須です。
Q. 本社は盛岡市、工場は北上市です。どちらに申請しますか。
A. 実際に設備を入れる工場がある北上市に申請します。北上市も固定資産税の軽減を行う市町村の一覧に載っています。
Q. 1.5%の賃上げ方針で認定を受けた後、3%に変えられますか。
A. 3%以上の賃上げ方針を書いた変更認定を受けられます。変更認定の前に取得した設備は2分の1のまま、変更認定の後に取得する設備は4分の1になります。賃上げ方針を書いていない計画に、変更申請で方針を足すことはできません。
Q. 賃上げ方針どおりに賃上げできなかったら、税を返すのですか。
A. それだけで税の追納は発生しません。ただし、表明した内容に沿った賃上げを行うことが前提の制度です。
Q. 個人事業主も使えますか。
A. 使えます。従業員1,000人以下の個人事業主なども、固定資産税の特例の対象者に入ります。ただし特例を受けるには、賃金台帳に載っている従業員(国内雇用者)に賃上げ方針を表明する必要があります。事業主の親族は国内雇用者に入らないため、家族だけで営んでいる場合や、直前の事業年度に従業員への給与の支払いがない場合は、賃上げ方針を書いた計画を申請できず、特例は使えません。
あわせて読みたい
- 業務改善助成金2026|岩手の申請期限は11月30日
- 岩手の省力化投資補助金×AI|第8回公募の要点と申請準備【2026】
- 岩手県の最低賃金2026は1,090円|59円上げ・12月1日発効予定
- 岩手のAIツール導入×デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)
運営元 Uravation より自社に近い業務から着手先を選ぶ材料として、業務別の生成AI活用事例50例を無料で公開しています。 生成AI活用事例 業務別50選を受け取る(無料)
参考・出典
- 中小企業庁「先端設備等導入制度による支援」
- 中小企業庁「『先端設備等導入計画』等の概要について」(令和7年4月)
- 中小企業庁「先端設備等導入計画策定の手引き」(2025年4月版)
- 中小企業庁「先端設備等導入計画 Q&A」(2025年4月1日更新)
- 中小企業庁「先端設備導入に係る固定資産税の軽減措置を講じている市区町村」(令和8年3月31日現在)
- 中小企業庁「中小企業等経営強化法に基づく『先端設備等導入計画』の認定状況について(令和8年3月31日現在)」(2026年8月24日)
- 中小企業庁「『先端設備等導入計画』の認定状況(令和8年3月31日時点)」
- 盛岡市「先端設備等導入計画の申請受付について」(令和8年9月25日更新)
- 盛岡市「償却資産の申告について」
- 盛岡市「令和8年度 償却資産申告の手引き」
- 岩手労働局「岩手県最低賃金が1,090円になります」(令和8年10月2日)
- 厚生労働省「令和8年度 地域別最低賃金 全国一覧」
- 厚生労働省「平成14年度から令和8年度までの地域別最低賃金改定状況」(Excel)