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最低賃金の減額特例|岩手で12月から1,090円未満は許可が必要

最低賃金の減額特例|岩手で12月から1,090円未満は許可が必要

岩手県最低賃金は2026年12月1日から1,090円になり、年齢やパート・アルバイトなどの働き方にかかわらず、岩手県内の事業場で働くすべての労働者に適用されます(岩手労働局「岩手県最低賃金が1,090円になります」(令和8年10月2日))。試用期間中の人など、最低賃金法第7条と同法施行規則第3条が定める5つの区分の労働者に限り、使用者が岩手労働局長の許可(最低賃金の減額の特例許可)を受けると、1,090円から減額した額を最低賃金として扱えます(e-Gov法令検索「最低賃金法」)。

許可を受けないまま1,090円を下回る賃金を決めても、その労働契約は最低賃金未満の部分が無効です。最低賃金との差額は12月1日の発効日にさかのぼって請求でき、岩手県最低賃金の不払は50万円以下の罰金の対象です(岩手労働局「岩手県最低賃金が1,090円になります」報道発表資料(令和8年10月2日))。

減額できる率には区分ごとに上限があります。試用期間中の人は20%で、1,090円なら218円を減額した872円が下限です。許可を受けられる試用期間は最長6か月です(厚生労働省 記入要領「試の使用期間中の者」)。申請書は、事業場の所在地を管轄する労働基準監督署を経由して岩手労働局長に出します(e-Gov法令検索「最低賃金法施行規則」)。

この記事では、減額特例の仕組み、5つの区分と減額率の上限、1,090円での計算、申請の手順、岩手の窓口、12月1日までに確かめる手順、生成AIに任せる作業を順にまとめます。内容は、2026年10月16日に厚生労働省・岩手労働局・e-Gov法令検索・岩手県の公表資料を取得して確かめたものです。許可するかどうかは岩手労働局長が判断するため、申請の前に所轄の監督署に相談してください。

この記事の要点

  • 岩手県最低賃金は12月1日から1,090円です。県内のすべての特定(産業別)最低賃金を上回るため、12月1日以降は1,090円が適用されます。
  • 減額特例の対象は、精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者、試の使用期間中の者、基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受ける一定の者、軽易な業務に従事する者、断続的労働に従事する者の5つの区分です。
  • 許可を受けずに1,090円を下回る賃金は、最低賃金未満の部分が無効になり、差額は12月1日にさかのぼって請求できます。不払は50万円以下の罰金の対象です。
  • 減額率の上限は区分ごとに決まっています。試用期間中の人は20%、認定職業訓練の人は訓練時間の割合、断続的労働の人は手待ち時間をもとにした率、障害・軽易な業務の人は比べる労働者との差をもとにした率です。
  • 1,090円で減額率が20%なら、減額する額は218円、支払う額の下限は872円です。減額する額の1円未満は切り捨てます。
  • 申請書は区分ごとの様式第1号〜第5号で、2部を事業場の所在地を管轄する労働基準監督署に出します。岩手の監督署は盛岡・宮古・釜石・花巻・一関・大船渡・二戸の7つです。
  • すでに許可を受けている事業場は、許可書の期間と内容、1,090円をもとに計算した額を12月1日の前に確かめます。

対象読者

  • 12月1日に向けて賃金表を見直す岩手県内の事業者・人事労務の担当者
  • 試用期間中の時給を本採用より低く決めている小売・飲食・サービス・製造業の事業者
  • 障害のある人を雇う事業所、寮の管理人など断続的労働に従事する人を雇う事業所

読了後にできること

  • 自社に減額特例の対象になりうる人がいるかを、5つの区分で確かめられる
  • 1,090円で、減額率ごとの支払う額の下限を計算できる
  • 申請書の様式と、出す先の監督署を確かめられる

減額特例とは|許可があれば1,090円から減額できる

法第7条の仕組み

最低賃金法第7条は、使用者が都道府県労働局長の許可を受けたとき、5つの区分の労働者について、最低賃金額から「当該最低賃金額に労働能力その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める率を乗じて得た額」を減額した額を、最低賃金として扱うと定めています(e-Gov法令検索「最低賃金法」)。岩手県内の事業場なら、許可を出すのは岩手労働局長です。

左に許可を受けないまま下回った場合の無効・差額の請求・罰金、右に岩手労働局長の許可を受けた場合の扱いを並べた2列の比較図
図解1|許可を受けないまま1,090円を下回ると、最低賃金未満の部分が無効。岩手労働局長の許可を受けると、5つの区分の労働者に限り、1,090円から減額した額を最低賃金として扱える

岩手労働局のリーフレットも、断続的労働に従事する労働者などについては、岩手労働局長の許可(最低賃金の減額特例許可)を受けることで、最低賃金を減額した後の額が適用されると案内しています(岩手労働局「岩手県最低賃金」リーフレット(R8.1・1,031円の時点のもの))。

許可が無いまま下回ると

最低賃金を下回る賃金を労働者と使用者が合意して決めても、その部分は無効です。差額は発効日にさかのぼって請求でき、岩手県最低賃金の不払は50万円以下の罰金の対象です(岩手労働局 報道発表資料(令和8年10月2日))。許可は「受けたとき」に効くため、申請してから許可を受けるまでの間も、最低賃金(12月1日からは1,090円)以上を支払います。

12月1日から比べる最低賃金は1,090円

岩手労働局の報道発表資料(令和8年10月2日)は、岩手の特定(産業別)最低賃金として、鉄鋼業など(1,072円)、光学機械器具など(1,052円)、電子部品など(1,039円)、各種商品小売業(767円)、百貨店・総合スーパー(800円)、自動車小売業(1,068円)の6つを挙げています。そのうえで、改正後の岩手県最低賃金がすべての特定最低賃金を上回るため、12月1日以降は1,090円が適用されるとしています。

減額特例の申請書には、許可を受けようとするすべての最低賃金の件名と金額を書きます。最低賃金が複数ある場合は、最も高い額の最低賃金に対して支払う額を決めます(厚生労働省 記入要領「試の使用期間中の者」)。岩手では、12月1日以降はこの基準が1,090円になります。ただし、これは10月2日の発表時点の特定最低賃金と比べたものです。県内の特定最低賃金(鉄鋼業など4つ)は、前回は令和8年1月15日と2月1日に改正後の額が発効しています(岩手労働局「岩手県最低賃金」リーフレット(R8.1))。特定最低賃金の改正が発表されたら、その額とも比べ直します。

対象の5区分と減額率の上限

最低賃金法施行規則第5条は、区分ごとに減額できる率の上限を決めています。実際の減額率は、この上限の範囲で、職務の内容、職務の成果、労働能力、経験などを考えて決めます(e-Gov法令検索「最低賃金法施行規則」)。

中央の減額特例の対象から5つの区分の箱へ線を引き、下に減額率の上限は区分ごとに決まっていますの帯を置いた図
図解2|減額特例の対象は5つの区分。減額率の上限は区分ごとに決まっている
区分 申請書の様式 減額率の上限
精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者 様式第1号 比べる労働者の労働能率に対する本人の労働能率の割合を、100%から引いた率
試の使用期間中の者 様式第2号 20%
基礎的な技能及び知識を習得させるための職業訓練(認定職業訓練)を受ける者 様式第3号 1日あたりの職業訓練の時間を、1日あたりの所定労働時間で割った率
軽易な業務に従事する者 様式第4号 比べる労働者の業務の負担に対する本人の業務の負担の割合を、100%から引いた率
断続的労働に従事する者 様式第5号 所定労働時間から実作業時間を引いた時間に40%を掛け、所定労働時間で割った率

試の使用期間中の人

厚生労働省の記入要領は、試の使用期間中に最低賃金未満とすることに合理性がある場合に限って許可の対象になるとして、①申請した業種・職種の本採用の労働者の賃金水準が最低賃金額と同程度であること、②本採用の労働者と比べて、試の使用期間中の労働者の賃金を著しく低く決める慣行があることなどを挙げています。期間は業種・職種の実情から必要な最小限とし、最長でも6か月です。減額率の上限は20%です(厚生労働省 記入要領「試の使用期間中の者」)。

障害により著しく労働能力の低い人

記入要領は、単に障害があるだけでは許可の対象にならないとしています。障害が従事させる業務の遂行に直接支障を与えていることが明白で、その支障の程度が著しいこと(本人の労働能率が、比べる労働者の労働能率に達しないこと)が要ります。比べる労働者は、同じ事業場で同じか似た業務をして、最低賃金と同程度以上の賃金をもらっている人のうち、最も能力が低い人から選びます。たとえば比べる労働者の労働能率を100とし、本人が70なら、上限は30%です。許可を受けていても、許可された業務以外の業務をするときは、ほかの労働者と同じ最低賃金が適用されます(厚生労働省 記入要領「精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者」)。

申請書には、障害者手帳など障害の程度が客観的にわかる資料の写しを付けます。本人や家族の了解を得てから出します。障害者手帳などがなくても、障害が原因となって業務の遂行に直接著しい支障を与えることが明白だと思われるときは、所轄の監督署に相談します。

認定職業訓練を受ける人

対象は、職業能力開発促進法の認定を受けた職業訓練のうち、普通課程の普通職業訓練、基礎的な技能を習得させる短期課程の普通職業訓練、専門課程の高度職業訓練を受ける人で、職業を変えるために受ける人は除きます。1日の生産活動の時間が所定労働時間の3分の2程度以上になる訓練年度と、訓練期間が2年又は3年の訓練の最終年度は、原則として対象になりません。職業訓練の時間からは、使用者が一定の利益を受けることになる業務の遂行の過程内で行う職業訓練の時間を除きます。1日平均の所定労働時間が7時間、職業訓練の時間が3時間なら、上限は42.85%で、申請書に書ける減額率は42.8%までです(厚生労働省 記入要領「基礎的な技能及び知識を習得させるための職業訓練を受ける者」)。

軽易な業務・断続的労働の人

軽易な業務は、業務の進行や能率についてほとんど規制を受けない(決まりがほとんどない)物の片付けや清掃などで、事業場の本来の業務に属さず、同じ種類の労働者がほとんどいない例外的なものです。ほかの労働者の業務と比べて特に軽易な場合に限ります。常態として身体や精神の緊張の少ない監視の業務も当たりますが、その業務が事業場の本来の業務であったり、業務の進行や能率について規制を受けたり、精神的緊張が少なくなかったりする場合は対象になりません(厚生労働省 記入要領「軽易な業務に従事する者」)。

断続的労働は、常態として作業が間欠的に行われ、実作業と手待ちが繰り返されて一体となっている働き方です。1か月に数回程度ではなく、それが常態になっていることが要ります。手待ち時間が実作業時間を上回る人だけが対象です。休憩を何度も入れて人為的に断続的な形にした場合は対象になりません(厚生労働省 記入要領「断続的労働に従事する者」)。

岩手の1,090円で減額後の額を計算する

減額率ごとの早見表

申請書に書く減額率は小数点第2位以下を切り捨てて小数点第1位までにします。減額する額は「1,090円×減額率」で、1円未満は切り捨てます。四捨五入や切り上げをすると、定めた減額率を超えてしまうためです(厚生労働省 記入要領「試の使用期間中の者」)。支払う額の下限は「1,090円−減額する額」です。

岩手県最低賃金1,090円から、試用期間中の人の減額率20%、減額する額218円、支払う額の下限872円へ左から右に進む流れ図
図解3|岩手県最低賃金1,090円で減額率が20%(試用期間中の人の上限)なら、減額する額は218円(1円未満は切り捨て)、支払う額の下限は872円
減額率 減額する額 支払う額の下限
5% 54円 1,036円
10% 109円 981円
15% 163円 927円
20% 218円 872円

支払う額に入れられるのは、最低賃金の対象になる賃金だけです。臨時の賃金、1か月を超える期間ごとの賃金、時間外・休日・深夜の手当、精皆勤手当、家族手当、通勤手当は入れません(厚生労働省 記入要領「試の使用期間中の者」)。岩手県も、最低賃金の対象になる賃金は通常の労働時間・労働日に対して支払われた賃金に限り、精皆勤手当、通勤手当、家族手当、賞与は含まれないと案内しています(岩手県「岩手県の最低賃金」(令和7年11月26日更新))。

断続的労働の例

記入要領の例では、1日の所定労働時間が16時間、実作業時間が7時間15分(7.25時間)なら、上限は(16−7.25)×40%÷16=21.875%で、小数点第3位以下を切り捨てて21.87%です。申請書に書く減額率は小数点第2位以下を切り捨てて小数点第1位までにするため、この例で書ける減額率は21.8%までです。1,090円に当てはめると、1,090×21.8%=237.62円で、減額する額は237円、支払う額の下限は853円です(試算)(厚生労働省 記入要領「断続的労働に従事する者」)。実際の減額率は、この上限の範囲で職務の内容などを考えて決めます。

すでに許可を受けている事業場

法第7条の文では、減額した後の額は「最低賃金額」から計算します。12月1日からの岩手県最低賃金は1,090円なので、許可された減額率を1,090円に当てはめた額を下回らないかを確かめます。申請書の「支払おうとする賃金」の金額を1,031円をもとに書いている場合の扱いは、所轄の監督署に確かめてください。

許可には期間があります。群馬労働局は、許可期間は最長3年で、期間を過ぎると許可書の効力がなくなり、最低賃金以上の支払いが必要になると案内しています。続けて許可を受ける場合は、満了の15日以上前までに監督署へ申請するよう求め、許可書の「従事させようとする業務の種類」や「労働の態様」が変わった場合も効力がなくなるとしています(群馬労働局「最低賃金の減額の特例許可制度」)。岩手での期間と更新の扱いは、所轄の監督署に確かめます。

申請の手順|監督署へ2部

様式と書く項目

申請書の様式は、区分ごとに様式第1号から第5号まであり、厚生労働省のページからPDFとExcelで手に入ります(厚生労働省「最低賃金の減額の特例許可申請書様式・記入要領」)。岩手労働局の賃金関係のページも、ここへ案内しています(岩手労働局「最低賃金制度」)。試用期間(様式第2号)の記入要領では、主に次の欄を書きます。

等間隔の4段の階段に、様式第1号から第5号、申請書は2部作り、事業場の所在地を管轄する労働基準監督署、岩手労働局長を順に置き、下に12月1日以降、許可を受けるまでは1,090円以上を払いますの帯を置いた図
図解4|区分ごとの様式で申請書を2部作り、事業場の所在地を管轄する労働基準監督署を経由して岩手労働局長に出す(派遣労働者のときは派遣元の事業場を管轄する労働局長あて)。12月1日以降、許可を受けるまでは1,090円以上を払う
  • 事業の種類(日本標準産業分類の小分類)、事業場の名称と所在地
  • 許可を受けようとする労働者(1人ずつなら「個人」、複数をまとめるなら「包括」として名簿を付ける)
  • 許可を受けようとする試の使用期間、従事させようとする業務の種類、労働の態様(始業・終業の時刻、作業の内容や量)
  • 許可を必要とする理由、許可を受けようとする最低賃金の件名と金額
  • 支払おうとする賃金の金額と減額率、その減額率を決めた理由
  • 宛先は事業場を管轄する都道府県労働局長、申請は法人や個人企業を代表する権限のある人

出し方

申請書は2部作り、事業場の所在地を管轄する労働基準監督署に出します。対象が派遣労働者のときは、派遣元の事業場を管轄する労働局長あてに書き、派遣元を管轄する監督署に出します(厚生労働省「最低賃金の減額の特例許可申請書様式・記入要領」)。最低賃金法施行規則第4条は、電子情報処理組織(オンライン)で出す場合や、社会保険労務士が電子申請で代わりに出す場合の決まりも置いています。群馬労働局「最低賃金の減額の特例許可制度」は、e-Govでの電子申請もできると案内しています。岩手での受け付け方は、所轄の監督署に確かめます。

岩手の窓口|労働局賃金室と7つの監督署

問い合わせ先と申請先

最低賃金の問い合わせ先は、岩手労働局労働基準部賃金室(019-604-3008)と最寄りの労働基準監督署です(岩手労働局リーフレット)。申請書は、事業場の所在地を管轄する監督署に出します(最低賃金法施行規則第4条)。

7つの監督署の管轄と電話

岩手労働局の所在地一覧は、会社の所在地ごとに次の監督署を案内しています(岩手労働局「労働基準監督署所在地一覧」)。

監督署 管轄の市町村(所在地一覧の表記) 電話
盛岡 盛岡市、八幡平市、滝沢市、葛巻町、岩手町、雫石町、矢巾町、紫波町 019-604-2530
宮古 宮古市、田野畑村、岩泉町、山田町 0193-62-6455
釜石 釜石市、大槌町、遠野市(宮守町を除く) 0193-23-0651
花巻 花巻市、西和賀町、遠野市のうち宮守町、北上市、金ケ崎町、奥州市のうち水沢・江刺・胆沢 0198-23-5231
一関 一関市、平泉町、奥州市のうち衣川・前沢 0191-23-4125
大船渡 大船渡市、住田町、陸前高田市 0192-26-5231
二戸 二戸市、洋野町、軽米町、一戸町、九戸村、久慈市、野田村、普代村 0195-23-4131

盛岡は方面(監督)、花巻は監督課の番号で、ほかの5署は総合労働相談コーナーと同じ番号です。利用時間は8時30分から17時15分までで、土曜・日曜・年末年始・国民の祝日などを除きます。所在地一覧は、総合労働相談コーナー(相談は9時30分から17時まで、釜石は9時から16時30分まで)について、12時から13時までを除き、専門の相談員が不在の場合もあると注記しています。北上市と奥州市の水沢・江刺・胆沢は花巻、奥州市の衣川・前沢は一関、久慈市は二戸の監督署です。

12月1日までに確かめる手順

12月1日からの岩手県最低賃金1,090円を基準に、次の順で確かめます(岩手労働局「岩手県最低賃金が1,090円になります」)。

1,090円未満の人から5つの区分の門を通り、当たる人は減額率を決めて所轄の監督署へ、当たらない人は12月1日から1,090円以上へ分かれる図。右下にすでに許可を受けている人の確認の箱
図解5|1,090円未満の人が5つの区分に当たれば、減額率を決めて所轄の監督署に出す。当たらなければ12月1日から1,090円以上にする。すでに許可を受けている人は許可書を確かめる

1,090円未満の人を洗い出す

  • 手順1:全員の賃金を時間あたりの額に直し、1,090円未満の人を一覧にします。月給の人は、月給を1時間あたりに直して比べます。
  • 手順2:1,090円未満の人が5つの区分のどれかに当たるかを確かめます。当たらない人は、12月1日から1,090円以上にします。
  • 手順3:当たる人は、区分ごとの上限の範囲で減額率を決め、1,090円で支払う額の下限を計算します。

申請と、許可を受けている人の確認

  • 手順4:様式第1号〜第5号のうち当たる様式を2部作り、所轄の監督署に出します。12月1日以降、許可を受けるまでは1,090円以上を払います。
  • 手順5:すでに許可を受けている人は、許可書の期間・業務の種類・労働の態様と、1,090円で計算した額を確かめます。

事業場内で最も低い賃金を引き上げ、あわせて生産性を上げる設備投資などをする中小企業・小規模事業者は、業務改善助成金の対象となる場合があります(要件審査あり・支給を保証するものではありません)。岩手の申請期限と要件は、下の「あわせて読みたい」の記事で整理しています。

生成AIに任せる作業と任せない作業

計算に使う1,090円と、減額する額の1円未満を切り捨てる決まりは、岩手労働局と厚生労働省の資料のとおりです(厚生労働省 記入要領「試の使用期間中の者」)。生成AIには、決まった計算と文の下書きだけを任せます。

任せてよい作業

  • 給与ソフトから出したCSVで、時間あたりの額が1,090円未満の行に印を付ける式の下書き(氏名ではなく社員番号で扱う)
  • 減額率から「減額する額(1円未満切り捨て)」と「支払う額の下限」を出す計算表の作り方
  • 申請書の「労働の態様」の欄に書く、始業・終業の時刻や作業の流れの下書き(事実を確かめてから使う)

任せない作業

  • 5つの区分のどれに当たるか、許可が出るかの判断。許可するかどうかは岩手労働局長が判断します。
  • 障害の程度や労働能率の評価
  • 障害者手帳の内容や、氏名・生年月日などの個人情報を、外部の生成AIに入れること

プロンプトの例

次の条件で、Excelの計算表の作り方を手順で示してください。
・A列は社員番号、B列は減額率(%、小数第1位まで。小数第2位以下は切り捨て)
・岩手県最低賃金は1,090円
・C列の「減額する額」は、1,090×減額率の1円未満を切り捨てる
・D列の「支払う額の下限」は、1,090−減額する額
・式はExcelの関数で書き、切り捨てに使う関数名も示す
・減額率が許可を受けられるかどうかの判断はしない

出す前に確かめる3点

  • 減額率が、区分ごとの上限を超えていないか
  • 減額する額の1円未満を切り捨てたか
  • 様式の番号と、出す先の監督署が合っているか

よくある質問

Q. 試用期間なら、最低賃金より低い時給にしてよいですか。
A. 岩手労働局長の許可を受けた場合に限ります。減額率の上限は20%、期間は最長6か月で、最低賃金未満とすることに合理性がある場合に限られます。許可を受けていなければ、12月1日以降は試用期間中も1,090円以上を払います。

Q. 障害者手帳を持っている人なら、許可されますか。
A. 単に障害があるだけでは対象になりません。障害が従事させる業務の遂行に直接支障を与えていることが明白で、その支障の程度が著しいこと(本人の労働能率が、比べる労働者の労働能率に達しないこと)が要ります。減額率の上限は、比べる労働者との労働能率の差をもとに決まります。

Q. 許可を受けていれば、12月1日以降も今の金額のままでよいですか。
A. 法第7条では、減額した後の額は最低賃金額から計算します。12月1日からは1,090円をもとに計算した額を下回らないかを確かめ、許可書の扱いは所轄の監督署に確かめてください。

Q. 申請書はどこに出しますか。
A. 申請書を2部作り、事業場の所在地を管轄する労働基準監督署を経由して岩手労働局長に出します。派遣労働者のときは、派遣元の事業場を管轄する労働局長あてに書き、派遣元を管轄する監督署に出します。

Q. 電子申請はできますか。
A. 最低賃金法施行規則第4条は、電子情報処理組織(オンライン)で申請書を出す場合の決まりを置いています。群馬労働局はe-Govでの電子申請もできると案内しています。岩手での受け付け方は、所轄の監督署に確かめてください。

Q. 許可を受けずに1,090円未満で払っていた場合はどうなりますか。
A. 最低賃金未満の部分は無効で、差額は12月1日の発効日にさかのぼって請求できます。岩手県最低賃金の不払は50万円以下の罰金の対象です。

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参考・出典