IWATE AI JOURNAL

記事を読む 岩手のAI活用・補助金・研修設計を実務で使う
業務改善

岩手の国勢調査2025|人口1,125,502人・7.0%減の読み方

岩手の国勢調査2025|人口1,125,502人・7.0%減の読み方

この記事の要点

  • 令和7年国勢調査による岩手県の人口は1,125,502人です。前回(令和2年)と比べて85,032人、7.0%の減少になりました。世帯数は486,376世帯で、6,060世帯・1.2%の減少です。
  • 人口は7.0%減っているのに、世帯数は1.2%しか減っていません。世帯あたりの人数が小さくなっているためで、商圏や需要を見るときは人口と世帯数を分けて見る必要があります。
  • 33市町村すべてで人口が減りました。減少数が大きいのは盛岡市・一関市・奥州市、減少率が大きいのは西和賀町・岩泉町・普代村です。一方で世帯数は北上市・紫波町・金ケ崎町など6市町で増えています。
  • 岩手県の減少率7.0%は、秋田県8.1%・青森県7.9%に次いで全国3番目です。人口密度73.7人/km²は北海道63.6人/km²に次いで低い水準になっています。
  • 同じ令和7年10月1日で比べると、毎月人口推計の1,126,813人と国勢調査速報の1,125,502人は1,311人ずれます。作り方が違う別々の数字で、どちらかが間違いというわけではありません。
  • ここまでの数値はすべて速報段階のものです。令和8年9月29日公表予定の「人口等基本集計」で確定数が出るため、社内資料に引用するときは調査名・時点・速報か確定かの3点を必ず添えます。

岩手県の人口は1,125,502人|前回から85,032人減

令和7年国勢調査による岩手県の人口は1,125,502人でした。前回の令和2年国勢調査の1,210,534人と比べると、85,032人・7.0%の減少です。世帯数は486,376世帯で、令和2年の492,436世帯から6,060世帯・1.2%減りました。

令和2年と令和7年の人口と世帯数を左右に並べ、減少率を矢印で示した図
令和2年と令和7年の岩手県の人口・世帯数(国勢調査)

県が4月に出した速報値と、国が5月に出した速報集計

同じ数字が2つの経路で公表されています。岩手県ふるさと振興部調査統計課が令和8年4月27日に「令和7年国勢調査による人口・世帯数(要計表の県集計による速報)」を公表し、総務省統計局が令和8年5月29日に「令和7年国勢調査 人口速報集計結果」を公表しました(岩手県「国勢調査」結果ページ/総務省統計局「令和7年国勢調査 人口速報集計結果 結果の概要」(令和8年5月29日))。

どちらも調査員が作成した世帯一覧(要計表)をもとにした集計で、岩手県の人口はいずれも1,125,502人です。県の速報のほうが1か月早く出るぶん、市町村別・内陸沿岸別・広域振興圏別まで細かく分かれています。全国や他県と並べたいときは総務省統計局の資料を使います。

世帯数は486,376|人口ほどは減っていない

人口が7.0%減ったのに対し、世帯数の減少は1.2%にとどまりました。世帯数の推移を長く見ると、令和2年の492,436世帯が昭和30年以降で初めての前回割れで、令和7年の486,376世帯はその流れの続きにあたります。

年次 人口 対前回増減率 世帯数 対前回増減率
平成27年(2015年) 1,279,594人 ▲3.8% 493,049世帯 1.9%
令和2年(2020年) 1,210,534人 ▲5.4% 492,436世帯 ▲0.1%
令和7年(2025年) 1,125,502人 ▲7.0% 486,376世帯 ▲1.2%

人口を世帯数で割ると、令和2年は1世帯あたり2.46人、令和7年は2.31人になります。同じ市町村で「お客さんの数」を推計するとき、世帯単位のサービス(住宅・保険・宅配・灯油配達・新聞など)と個人単位のサービス(飲食・理美容・通院など)では、減り方の前提を変えたほうが実態に近くなります。

全国の中での位置|減少率は3番目、人口密度は下から2番目

岩手県だけを見ていると「7.0%減は大きいのか」が判断できません。総務省統計局の人口速報集計結果には都道府県別の一覧表があり、そこで位置を確認できます。

秋田・青森・岩手・全国の人口減少率を階段状に並べた図
人口減少率の並び(令和2年→令和7年)と岩手県の位置

全国は1億2305万人・2.5%減

令和7年10月1日現在の全国人口は123,049,524人で、令和2年から3,096,575人・2.5%の減少でした。人口が増えたのは東京都(1.4%増)と沖縄県(0.1%増)の2都県だけで、45道府県が減少しています。

減少率7.0%は秋田・青森に次ぐ

減少率の高い順では、秋田県8.1%、青森県7.9%、岩手県7.0%と並びます。岩手県の人口順位は47都道府県中32位で、前回と同じです。人口密度は73.7人/km²で、北海道の63.6人/km²に次いで低く、全国平均329.9人/km²の4分の1以下になります。

項目 岩手県 全国
人口(令和7年) 1,125,502人 123,049,524人
対前回増減数 ▲85,032人 ▲3,096,575人
対前回増減率 ▲7.0% ▲2.5%
人口密度 73.7人/km² 329.9人/km²

「人口が減っている」はどの県でも言えますが、減り方の速さは倍以上違います。他県の本社や取引先に岩手の状況を説明するときは、全国2.5%減に対して岩手7.0%減という並べ方をすると、前提のずれが伝わりやすくなります。

毎月人口推計の1,126,813人と1,311人ずれる理由

岩手県は毎月人口推計も公表しています。こちらでは令和7年10月1日現在の人口が1,126,813人でした。国勢調査速報の1,125,502人とは1,311人の差があります。

毎月人口推計と国勢調査の人口を上下に並べ、差を示した図
同じ令和7年10月1日の2つの人口

同じ令和7年10月1日でも数字が違う

毎月人口推計は、直近の国勢調査の確定人口を出発点にして、その後の出生・死亡・転入・転出の届出を月ごとに足し引きして作ります。令和7年10月時点の出発点は令和2年国勢調査でした。一方の国勢調査は、その日に実際に住んでいる人を調べ直した数字です。5年分の積み上げと実地の調査で1,311人のずれが出た、という関係になります。

毎月人口推計の直近値や月ごとの動きは、岩手県の人口1,111,636人|7月は転入超過110人で市町村別まで整理しています。

どちらを資料に使うか

使い分けの目安は3つです。

  • 5年に1度の構造変化(世帯の大きさ、市町村ごとの減り方の差)を説明するなら国勢調査を使います。
  • 直近の月の動き(転入超過・転出超過)を説明するなら毎月人口推計を使います。
  • 1つの資料の中で両方を混ぜません。混ぜる場合は、表の欄外に調査名と時点を必ず書き分けます。

9月29日の人口等基本集計で「土台」が入れ替わる

ここまでの数値はすべて速報です。総務省統計局は、令和7年国勢調査の「人口等基本集計」を令和8年9月29日に公表する予定としています(総務省統計局「令和7年国勢調査 調査の結果」)。

速報集計から基本集計へ続く公表スケジュールを左から右に並べた図
令和7年国勢調査の集計と公表予定の並び

速報集計と基本集計の違い

速報集計は、市区町村が取りまとめた要計表をもとに男女別人口と世帯数だけを早く出すものです。基本集計は、調査票の記入内容を1枚ずつ審査したうえで集計します。総務省統計局も「後日公表する人口及び世帯数の確定数は、調査票の記入内容に基づいた審査を経て集計・公表するため、それとは必ずしも一致しない」と明記しています。つまり1,125,502人という数字自体が動く可能性があります。

基本集計で新しく分かること

基本集計では、人口・世帯に加えて、年齢別、住居の種類、外国人、高齢者世帯といった項目が出ます。速報段階では分からなかった「岩手県の年齢構成が5年でどう動いたか」がここで確定します。その後のスケジュールも公表されていて、労働力状態や産業・職業の大分類別構成は令和9年3月、移動人口は令和8年12月、産業・職業の小分類別の詳細は令和9年11月の予定です。

集計 主な内容 全国結果の公表予定
人口速報集計 男女別人口・世帯数 令和8年5月(公表済み)
人口等基本集計 人口、世帯、住居、外国人、高齢者世帯 令和8年9月
移動人口の男女・年齢等集計 転出入の状況 令和8年12月
就業状態等基本集計 労働力状態、産業・職業大分類別 令和9年3月
抽出詳細集計 産業・職業小分類別の詳細 令和9年11月

社内資料の差し替えが必要になるもの

基本集計が出ると、毎月人口推計の出発点も令和7年国勢調査に置き換わります。県が公表している高齢化率など、毎月人口推計を分母に使っている指標は、同じ日付のまま値が動くことがあります。前年の提案書や補助金申請書を使い回すときは、人口を引用している箇所を先に洗い出しておくと差し替えが楽になります。県の統計がどこにあり何がいつ更新されるかは、岩手県の統計データの探し方|国勢調査は9月29日公表予定にまとめています。

33市町村すべてで減少|減少数と減少率は別の話

県の速報では、前回の国勢調査と比べて33市町村すべてで人口が減りました(岩手県「国勢調査」結果ページ)。ただし、減少数の順位と減少率の順位はまったく違う並びになります。

6市町村の人口・減少数・減少率を並べた表の図
減少数が大きい3市と減少率が大きい3町村

減少数が大きい3市

市町村 令和7年人口 対前回増減数 対前回増減率
盛岡市 278,636人 ▲11,095人 ▲3.8%
一関市 101,916人 ▲10,016人 ▲8.9%
奥州市 103,899人 ▲9,038人 ▲8.0%

人数で見ると県庁所在地の盛岡市が最も大きく減っています。ただし率では3.8%で、県平均7.0%の半分ほどです。母数が大きいぶん、減少数は大きく出ます。

減少率が大きい3町村

市町村 令和7年人口 対前回増減数 対前回増減率
西和賀町 4,354人 ▲780人 ▲15.2%
岩泉町 7,429人 ▲1,297人 ▲14.9%
普代村 2,132人 ▲355人 ▲14.3%

率で見ると、5年で6分の1近くが減った町村があります。人数では780人でも、もとが5,134人なので影響の大きさは別物です。営業エリアや配送ルートを見直すときは率、人員配置や店舗の売上計画を組むときは実数、と目的で使い分けます。

世帯数が増えた市町がある

人口はすべての市町村で減りましたが、世帯数は6市町で増えています。北上市が1,677世帯増で最も多く、紫波町611世帯、滝沢市381世帯、花巻市301世帯、金ケ崎町297世帯、矢巾町107世帯と続きます。いずれも内陸で、北上市は世帯数が4.3%、紫波町は5.4%、金ケ崎町は5.0%増えました。世帯向けの商品やサービスを扱っているなら、この6市町は「人口減少地域」と一括りにしないほうが判断を誤りません。

内陸6.0%・沿岸11.6%|広域振興圏別の差

県の速報は内陸と沿岸でも集計しています。内陸計は924,716人で58,715人・6.0%の減少、沿岸計は200,786人で26,317人・11.6%の減少でした(岩手県「国勢調査」結果ページ(内陸沿岸別・広域振興圏別))。減り方の速さがおよそ2倍違います。

県全体を中心に4つの広域振興圏を配置した図
広域振興圏別の人口と対前回増減率(令和7年国勢調査)

内陸計と沿岸計

同じ資料で世帯数を見ると、沿岸は5,966世帯・6.3%減で、内陸の94世帯・0.0%減とは水準が違います。内陸は人口が減っても世帯数がほぼ横ばいなのに対し、沿岸は世帯そのものが減っています。宮古市は世帯数1,435減(6.7%減)、釜石市は1,106減(7.5%減)、岩泉町は459減(11.6%減)でした。

4つの広域振興圏

広域振興圏 令和7年人口 対前回増減数 対前回増減率
県央 442,724人 ▲20,462人 ▲4.4%
県南 432,510人 ▲31,884人 ▲6.9%
沿岸 156,318人 ▲21,273人 ▲12.0%
県北 93,950人 ▲11,413人 ▲10.8%

(出典:岩手県「国勢調査」結果ページ(広域振興圏別))

県央と県南を合わせると県人口の大半を占めます。一方、減少率は沿岸12.0%・県北10.8%が県平均を大きく上回りました。県全体の「7.0%減」をそのまま自社のエリアに当てはめると、沿岸・県北では過小評価、県央では過大評価になります。

岩手の会社がこの数字を実務に落とす手順

数字を眺めるだけでは判断は変わりません。手を動かす単位に落とします。

商圏を市町村単位で置き直す

自社の売上や顧客を市町村ごとに分けて、その市町村の増減率を横に並べます。盛岡市中心なら3.8%減、一関市中心なら8.9%減、沿岸の市町なら10%台前半が前提です。5年で1割減るエリアでは、同じ売上を維持するだけでも1世帯あたりの単価か、シェアのどちらかを上げる必要があります。

採用計画の前提を世帯数でも見る

採用の分母は人口ですが、住まいの確保は世帯単位です。北上市のように人口が2.3%減でも世帯が4.3%増えている市では、住宅需要と人手不足が同時に起きています。求人の条件を考えるときは、人口の増減率だけでなく世帯数の増減も添えて社内で共有すると、議論がかみ合いやすくなります。あわせて、求人側の需給は岩手の有効求人倍率1.16倍|就業地別と正社員の差で毎月の数字が確認できます。

人件費の前提も同じ資料に並べる

人口の前提を置き直すときは、賃金の前提も同じ表に載せておくと会議が一度で済みます。岩手県の最低賃金は令和8年度の答申で1,031円から1,090円へ引き上げられる見通しで、発効日は2026年12月1日の予定です(官報告示前・厚生労働省 令和8年度地域別最低賃金の答申資料)。人口減で採用が難しくなるエリアほど、賃金改定の影響も同時に効きます。改定内容と申請期限の整理は岩手の最低賃金と助成金の使い方にまとめています。

生成AIに任せてよい作業と、任せてはいけない作業

国勢調査のように表が多い統計は、生成AIと相性の良い部分と悪い部分がはっきり分かれます。

生成AIに任せてよい作業と任せてはいけない作業を上下2列に分けた図
国勢調査の数字を扱うときの生成AIの線引き

任せてよい

  • 確定させた数値を貼り付けたうえでの、説明文の下書き。
  • 市町村別の表から、指定した条件(減少率が10%を超える市町村など)に当てはまる行を抜き出す整形作業。
  • 同じ内容を社内向け・取引先向けに書き分ける文体の調整。
  • 用語(要計表、常住人口、速報集計、基本集計)の説明文づくり。

任せてはいけない

  • 数値そのものを思い出させること。学習データの中の古い国勢調査の値が混ざります。
  • 公表されていない期間の推計。令和8年時点の市町村別人口を国勢調査から「計算して」と頼むと、それらしい数字が返ってきますが根拠がありません。
  • 出典URLを書かせること。実在しないページのURLが混ざることがあります。出典は自分で開いて確認した先だけを書きます。

指示文のひな形

数値は人が確定させ、AIには加工だけを頼みます。

以下は岩手県が公表した令和7年国勢調査の速報値です。この表の数値だけを使って、当社の営業エリア(宮古市・山田町・大槌町)の人口と世帯数の5年間の変化を、社内会議用に300字で説明してください。表にない数値は書かないでください。推計や将来予測は書かないでください。
(ここに表を貼り付ける)

「表にない数値は書かないでください」の一文があるかないかで、返ってくる文章の信頼度がはっきり変わります。出てきた文章は、数値を1つずつ元の表と突き合わせてから社内に回します。

まとめ

令和7年国勢調査の速報で、岩手県の人口は1,125,502人・7.0%減、世帯数は486,376世帯・1.2%減となりました。33市町村すべてで人口が減り、内陸6.0%に対して沿岸11.6%と、県内でも減り方が倍近く違います。県平均をそのまま自社のエリアに当てはめず、市町村単位に置き直すところから始めます。令和8年9月29日公表予定の人口等基本集計で確定数と年齢構成が出るため、資料に引用するときは「速報値」であることを明記しておきます。

よくある質問

Q. 岩手県の令和7年国勢調査の人口は何人ですか。

A. 1,125,502人です(速報値・令和7年10月1日現在)。前回の令和2年国勢調査の1,210,534人から85,032人、7.0%の減少です。世帯数は486,376世帯で、6,060世帯・1.2%の減少でした。

Q. この数字はもう確定ですか。

A. 確定ではありません。現在公表されているのは要計表をもとにした速報集計で、確定数は調査票の審査を経た「人口等基本集計」で公表されます。全国結果の公表予定は令和8年9月です。総務省統計局も、速報値と確定数は必ずしも一致しないと注記しています。

Q. 毎月人口推計の数字と合わないのはなぜですか。

A. 作り方が違うためです。毎月人口推計は前回の国勢調査を出発点に届出を積み上げた推計で、国勢調査はその日に住んでいる人を調べ直した結果です。同じ令和7年10月1日で比べると、毎月人口推計は1,126,813人、国勢調査速報は1,125,502人で、1,311人の差があります。

Q. 減少率が最も高い市町村はどこですか。

A. 県の速報では西和賀町の15.2%減です。次いで岩泉町14.9%減、普代村14.3%減となっています。減少数で見ると順位は変わり、盛岡市11,095人減、一関市10,016人減、奥州市9,038人減の順です。

Q. 人口が減っているのに世帯数が増えている市町村はありますか。

A. 人口はすべての市町村で減りましたが、世帯数は北上市(1,677世帯増)、紫波町(611世帯増)、滝沢市(381世帯増)、花巻市(301世帯増)、金ケ崎町(297世帯増)、矢巾町(107世帯増)の6市町で増えています。

Q. 提案書に引用するとき、何を書き添えればよいですか。

A. 調査名(令和7年国勢調査)、時点(令和7年10月1日現在)、速報値か確定数かの3点です。市町村別の値を使う場合は、出典を岩手県の速報にするか総務省統計局の速報集計にするかもそろえておきます。

運営元 Uravation より自社に近い業務から着手先を選ぶ材料として、業務別の生成AI活用事例50例を無料で公開しています。 生成AI活用事例 業務別50選を受け取る(無料)

参考・出典