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岩手の鉱工業生産指数158.9|7月は3.5%上昇・業種別の読み方

岩手の鉱工業生産指数158.9|7月は3.5%上昇・業種別の読み方

岩手県の統計サイト「いわての統計情報」で2026年10月5日に更新された「岩手県鉱工業生産指数 令和8年7月分」によると、7月の県の鉱工業生産指数(季節調整済指数・令和2年=100)は158.9でした。前月の153.6から3.5%上がっています。同じ月の東北は116.6から2.7%下がって113.4、全国は104.6から0.2%下がって104.4で、3つのうち岩手だけが前月を上回りました(岩手県ふるさと振興部「岩手県鉱工業生産指数 令和8年7月分」(2026年10月5日更新))。

前年同月と比べる原指数は166.0で、前年同月の132.4から25.4%上がりました。業種別では、県内でウエイトの大きい電子部品・デバイス工業の原指数が前年同月より44.7%、生産用機械工業が66.3%上がっています。一方で前月と比べると、生産用機械工業や輸送機械工業は下がっており、同じ月の数字でも、どの指数を見るかで印象が変わります。

6月分までの動きは岩手県の景況2026|生産指数153.6・小売は6か月ぶり減で整理しました。この記事では7月分を、県全体、東北・全国との比較、業種別のウエイト、業種別と財別の動きの順に読み、県内の製造業や取引先が自社の計画に使うときに、生成AIへ任せてよい作業と任せない作業を整理します。記事中の数字は、2026年10月6日時点で県の統計サイトから取得したExcelの公表資料で確認した値です。

この記事の要点

  • 7月の岩手県鉱工業生産指数(季節調整済)は158.9で、前月比3.5%上昇。東北は2.7%低下の113.4、全国は0.2%低下の104.4
  • 前年同月と比べる原指数は166.0で、前年同月比25.4%上昇。東北は7.1%、全国は3.9%の上昇
  • ウエイトが大きいのは食料品工業2,154、電子部品・デバイス工業1,474、生産用機械工業1,299(合計10,000)
  • 電子部品・デバイス工業は季節調整済指数360.9で前月比2.3%上昇、原指数は前年同月比44.7%上昇
  • 前月比で大きく上がったのは化学工業40.2%、電気機械工業28.1%、鉄鋼業27.2%。下がったのは鉱業33.5%、輸送機械工業6.8%、生産用機械工業3.3%など
  • 7月分は速報値で、6月分までは確報値。県の資料は上昇の理由や企業別の内訳を載せていない

対象読者

岩手県内の製造業の経営者・生産管理や営業の担当者、製造業と取引している運輸・卸売・設備工事・人材サービスの担当者、金融機関や支援機関で地域の景気を説明する担当者。

読了後にできること

県の公表資料(Excel)から自社と取引先に関係する業種の行を抜き出し、季節調整済指数と原指数を混ぜずに社内資料にまとめ、受注や設備、採用の計画を話し合う材料を作れます。

7月分の数字|岩手158.9、東北と全国は低下

県の公表資料には、前月と比べる「季節調整済指数」と、前年同月と比べる「原指数」の2種類が載っています。冒頭の158.9は季節調整済指数、166.0は原指数です。

図: 7月の季節調整済指数は岩手県158.9で3.5%上昇、東北113.4で2.7%低下、全国104.4で0.2%低下
図解1|7月の季節調整済指数と前月比(岩手県・東北・全国)
地域 季節調整済指数(7月) 前月比 原指数(7月) 前年同月比
岩手県 158.9 3.5%上昇(前月153.6) 166.0 25.4%上昇
東北 113.4 2.7%低下(前月116.6) 117.9 7.1%上昇
全国 104.4 0.2%低下(前月104.6) 110.3 3.9%上昇

出典:岩手県「岩手県鉱工業生産指数 令和8年7月分」岩手県・東北・全国比較鉱工業生産指数(Excel)

13か月で最も高い水準

岩手の季節調整済指数は、資料に載っている2025年7月から2026年7月までの13か月で最も高い値です。2025年7月の126.8から、2026年1月に142.0、3月に147.1、6月に153.6と上がってきました。四半期で見ると、2026年4〜6月期は144.7で、1〜3月期の143.7から0.7%上がっています。同じ4〜6月期に、東北は前期より1.0%下がり、全国は0.2%上がりました。

年平均の原指数も並べておきます。岩手は2021年121.2、2022年126.7、2023年121.7、2024年123.3、2025年131.1でした。2025年の年平均は、東北が107.1、全国が100.9です。全国はほぼ令和2年と同じ水準にとどまり、岩手は令和2年を大きく上回る水準で推移しています。

季節調整済指数と原指数を混ぜない

資料の「利用上の注意」によると、季節調整済指数は、気候の変化や盆・正月、決算期のように1年の周期で繰り返す変動を取り除いた指数で、前月や前の四半期と比べるのに使います。原指数は、指数を作るためのデータをそのまま指数にしたもので、前年同月と比べるのに使います。社内資料に引用するときは、数字の横に「季節調整済」か「原指数」かを書き添えます。

7月は速報値、6月までは確報値

同じく注意書きにあるとおり、当月の7月分は速報値で、前月までは確報値です。翌月の公表で7月の値が改訂されることがあるので、7月の数字を使った資料には「速報値」と書いておきます。指数は経済産業省の生産動態統計調査、岩手県生産動態統計調査、各官公庁や団体の資料をもとに作られており、品目別の指数は月報に載っていません。利用したい場合は県の調査統計課に問い合わせる形です。

ウエイトで見る岩手の製造業|食料品・電子部品・生産用機械

鉱工業生産指数は、業種ごとの指数をウエイト(重み)で合成した数字です。合計10,000のうち、製造工業が9,910、鉱業が89.5です。岩手のウエイトを大きい順に10業種並べると、次のとおりです。

図: ウエイト合計10,000のうち、食料品工業2,154、電子部品・デバイス工業1,474、生産用機械工業1,299で半分近く
図解2|ウエイト合計10,000のうち上位3業種
業種 ウエイト
食料品工業 2,154
電子部品・デバイス工業 1,474
生産用機械工業 1,299
輸送機械工業 792.1
はん用機械工業 690.2
その他工業 608.3
プラスチック製品工業 475.8
窯業・土石製品工業 470.7
金属製品工業 424
化学工業 366.9

出典:岩手県「岩手県鉱工業生産指数 令和8年7月分」業種別鉱工業生産指数(Excel)

上位3業種のウエイトを足すと4,927で、合計10,000の半分近くになります。岩手の指数は、食料品、電子部品・デバイス、生産用機械の3業種の動きに大きく左右される作りです。

ウエイトが小さい業種の大きな変化に注意する

指数が大きく動いても、ウエイトが小さい業種は県全体への影響が小さく、ウエイトが大きい業種は小さな動きでも全体を動かします。たとえば7月の電気機械工業は前月より28.1%上がりましたが、ウエイトは93です。電子部品・デバイス工業は2.3%の上昇でしたが、ウエイトは1,474あります。業種の数字を社内で紹介するときは、変化率とウエイトを並べて書くと、読み手が大きさを取り違えにくくなります。

業種別の動き|電子部品・デバイスは前年同月比44.7%上昇

主な業種の7月の数字を、ウエイトの大きい順に並べます。前月比は季節調整済指数、前年同月比は原指数で比べた値です。

図: 前月より上がった業種は化学工業、電気機械工業、鉄鋼業。前月より下がった業種は鉱業、輸送機械工業、生産用機械工業
図解3|前月より上がった業種と下がった業種(季節調整済)
業種(ウエイト) 季節調整済指数(7月) 前月比 原指数の前年同月比
食料品工業(2,154) 114.0 4.9%上昇 6.7%上昇
電子部品・デバイス工業(1,474) 360.9 2.3%上昇 44.7%上昇
生産用機械工業(1,299) 201.3 3.3%低下 66.3%上昇
輸送機械工業(792.1) 136.4 6.8%低下 13.0%上昇
はん用機械工業(690.2) 130.1 3.3%上昇 17.5%上昇
その他工業(608.3) 102.1 7.4%低下 7.8%低下
化学工業(366.9) 122.5 40.2%上昇 32.1%上昇
鉄鋼業(271.7) 135.2 27.2%上昇 24.8%上昇
電気機械工業(93) 107.7 28.1%上昇 8.0%上昇
鉱業(89.5) 45.8 33.5%低下 16.9%低下

出典:岩手県「岩手県鉱工業生産指数 令和8年7月分」業種別鉱工業生産指数(Excel)

電子部品・デバイス工業の季節調整済指数360.9は、令和2年を100とした水準です。生産用機械工業も201.3で、令和2年の水準を大きく上回っています。

前月より上がった業種

前月比(季節調整済)で上がったのは、化学工業40.2%、電気機械工業28.1%、鉄鋼業27.2%、情報通信機械工業19.5%、パルプ・紙・紙加工品工業8.7%、食料品工業4.9%、窯業・土石製品工業3.6%、はん用機械工業3.3%、電子部品・デバイス工業2.3%などです。ウエイトの大きい食料品工業と電子部品・デバイス工業が、そろって前月を上回りました。

前月より下がった業種

下がったのは、鉱業33.5%、ゴム・皮革製品工業21.3%、その他工業7.4%、輸送機械工業6.8%、印刷業6.2%、生産用機械工業3.3%、非鉄金属工業2.6%などです。生産用機械工業は前月より下がりましたが、原指数では前年同月より66.3%高い水準です。前月比だけを見て「生産用機械は落ち込んだ」とまとめると、前年との比較の姿と食い違います。

前年同月と比べると

原指数の前年同月比では、生産用機械工業66.3%、電子部品・デバイス工業44.7%、化学工業32.1%、鉄鋼業24.8%、はん用機械工業17.5%、木材・木製品工業14.9%、輸送機械工業13.0%が上がりました。下がったのは、その他製品工業19.8%、鉱業16.9%、ゴム・皮革製品工業9.7%、情報通信機械工業9.2%などです。

財別で見る|生産財は197.7、消費財は前月比6.4%上昇

財別の指数は、作られた製品がどう使われるかで分けた数字です。設備や建物、家庭で使われる製品は最終需要財、ほかの製品の材料や部品として使われる製品は生産財に分かれます。

財の区分(ウエイト) 季節調整済指数(7月) 前月比 原指数の前年同月比
最終需要財(5,084) 120.4 0.4%上昇 17.0%上昇
投資財のうち資本財(1,489) 155.2 5.9%低下 36.6%上昇
投資財のうち建設財(986.2) 85.5 1.4%上昇 4.0%上昇
消費財(2,609) 115.4 6.4%上昇 10.1%上昇
生産財(4,916) 197.7 4.6%上昇 31.1%上昇

出典:岩手県「岩手県鉱工業生産指数 令和8年7月分」財別鉱工業生産指数(Excel)

生産財と資本財の読み方

生産財の季節調整済指数は197.7で、前月より4.6%、原指数では前年同月より31.1%上がっています。資本財は前月より5.9%下がりましたが、原指数では前年同月より36.6%上がっています。業種別で生産用機械工業が前月比で下がり、前年同月比で上がっていた動きと同じ形です。消費財は前月より6.4%上がり、内訳は非耐久消費財が6.3%上昇、耐久消費財が8.7%低下でした。

北上の半導体投資と、求人の数字をどう重ねるか

県の資料は業種別の数字を載せていますが、企業別や品目別の内訳、上昇の理由は載せていません。電子部品・デバイス工業の上昇が、どの事業所の生産によるものかは、この資料からは分かりません。

図: 岩手県鉱工業生産指数の電子部品・デバイス工業は7月分、一般職業紹介状況(令和8年8月分)の電子部品・デバイス・電子回路製造業は8月分。月と集計の単位を書き分ける
図解4|生産の数字と求人の数字は月と集計の単位を書き分ける

県内の電子部品・デバイスに関わる発表

北上市では、キオクシアが2026年8月27日に、北上工場で新製造棟(K3棟)を建設すると発表しました(キオクシア「北上工場 新製造棟(K3棟)の建設について」(2026年8月27日))。発表の内容と県の計画との関係はキオクシア北上のK3(Fab3)とは|2029年度稼働・1.8兆円で整理しています。県も「戦略産業クラスター計画(AI・半導体分野)」を公表しています(岩手県「戦略産業クラスター計画(AI・半導体分野)の策定・公表について」)。新しい製造棟の計画は今後の話で、7月の生産指数とは時期が違います。

求人の数字は月と集計の単位を書き分ける

雇用の側では、岩手労働局の「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」で、電子部品・デバイス・電子回路製造業の新規求人数(原数値)が154人と前年同月の3倍(202.0%増)、製造業全体では1,392人(57.8%増)でした。北上の安定所の有効求人倍率(受理地別・原数値)は2.06倍です(岩手労働局「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」(PDF・2026年10月2日発表))。生産指数は7月分、求人は8月分で、集計の単位も違います。同じ表に並べるときは、それぞれの月と出典を必ず書き分けます。

自社の計画に落とす手順

1. 自社と取引先の業種の行を決める

県全体の158.9ではなく、自社と主な取引先が属する業種の行を見ます。部品加工の会社なら取引先の電子部品・デバイスや生産用機械、食品の包装資材を扱う会社なら食料品工業、というように、売上の大きい取引先の業種から決めます。

2. 前月との差は季節調整済、前年との差は原指数で見る

前月比と前年同月比は、使う指数が違います。生産用機械工業のように、前月比では低下、前年同月比では上昇という組み合わせもあるので、両方を並べて書きます。

3. ウエイトを添えて、県全体への影響の大きさを示す

変化率が大きくても、ウエイトの小さい業種は県全体への影響が小さくなります。社内資料では「化学工業(ウエイト366.9)前月比40.2%上昇」のように、ウエイトを括弧で添えます。

4. 全国の動きと公表の時期を確かめる

全国の8月分は、経済産業省の速報で前月比1.7%低下の102.6でした(経済産業省「鉱工業指数 結果概要」(2026年8月分速報・2026年10月6日確認))。県の8月分は、公表されると同じ統計のページに追加されます。指数は取引先の受注そのものではないので、取引先の計画は取引先から直接聞くのが基本です。

生成AIに任せてよい作業と、任せない作業

任せてよい作業

  • Excelの公表資料から、自社と取引先の業種の行を抜き出して表にすること。抜き出した数字は原本のExcelで照合します
  • 抜き出した数字をもとにした、社内向けの短い要約の下書き
  • 季節調整済指数と原指数の違いなど、用語の説明文の下書き

任せない作業

  • 数字の最終確認。表の列がずれることや、速報値と確報値の取り違えがあるので、人が原本で確かめます
  • 上昇や低下の理由づけ。県の資料に理由は書かれていません。生成AIに理由を書かせると、資料に無い話が混ざります
  • 受注、設備投資、採用の判断。指数は材料で、判断は会社が行います

プロンプトの例

あなたは岩手県内の部品加工会社の営業企画の補助です。
添付した「岩手県鉱工業生産指数 令和8年7月分」のExcelから、
次の業種の数字を抜き出して表にしてください。

・電子部品・デバイス工業
・生産用機械工業
・はん用機械工業

表の列は「業種」「ウエイト」「季節調整済指数(7月)」「前月比」
「原指数の前年同月比」の5つにしてください。

・前月比は季節調整済指数、前年同月比は原指数の値を使う
・7月分は速報値であることを表の下に1行書く
・資料に無い数字や理由は書かず、「資料に無い」と書く
・最後に「原本のExcelで照合すること」と1行入れる

社内に回す前に原本で確かめる4点

生成AIが作った表は、原本のExcelで照合してから社内に回します。確かめるのは、業種の行、季節調整済指数か原指数か、前月比か前年同月比か、速報値か確報値かの4点です。

図: 任せてよい作業は業種の行を抜き出して表にする、社内向けの短い要約の下書き、用語の説明文の下書き。任せない作業は数字の最終確認、上昇や低下の理由づけ、受注、設備投資、採用の判断。原本のExcelで照合
図解5|生成AIに任せてよい作業と、任せない作業

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よくある質問

Q. 7月の岩手県鉱工業生産指数はいくつですか。
A. 季節調整済指数(令和2年=100)で158.9です。前月の153.6から3.5%上がりました。前年同月と比べる原指数は166.0で、前年同月比25.4%の上昇です。

Q. 東北や全国と比べてどうですか。
A. 7月の季節調整済指数は、東北が113.4で前月比2.7%低下、全国が104.4で0.2%低下でした。岩手だけが前月を上回っています。

Q. 岩手でウエイトが最も大きい業種はどれですか。
A. 食料品工業の2,154です。次いで電子部品・デバイス工業1,474、生産用機械工業1,299で、この3業種で合計10,000の半分近くを占めます。

Q. 電子部品・デバイス工業の7月の数字は。
A. 季節調整済指数が360.9で前月比2.3%上昇、原指数は前年同月比44.7%上昇です。

Q. 上昇の理由や企業ごとの内訳は資料に書いてありますか。
A. 書いてありません。県の資料は業種別と財別の指数を載せていますが、理由、企業別、品目別の内訳は載せていません。品目別の指数は県の調査統計課への問い合わせで利用する形です。

Q. 8月分はいつ分かりますか。
A. 全国の8月分は経済産業省の速報が出ており、前月比1.7%低下の102.6でした。県の8月分は、公表されると県の統計サイトの同じページに追加されます。

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参考・出典