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通年雇用助成金|岩手は全市町村が対象・届出は12月16日から

通年雇用助成金|岩手は全市町村が対象・届出は12月16日から

通年雇用助成金は、冬に離職せざるを得ない季節労働者を、冬の間も雇い続けた事業主に賃金などの一部を助成する厚生労働省の制度で、岩手県は県内の全市町村が対象地域です。令和8年度の冬(2026年12月16日から2027年3月15日まで)の分は、2026年12月16日から2027年1月31日までに「通年雇用届」を出します。冬の間も働いてもらう場合、1回目の対象者には対象期間に支払った賃金の2/3(上限71万円)が支給されます(厚生労働省「通年雇用助成金」)。

岩手では、盛岡でも日最低気温が0℃未満になる冬日が平年で年121.6日、日最高気温が0℃未満の真冬日が年12.4日あります(気象庁「平年値(年・月ごとの値)」盛岡)。屋外の工事や山の作業が冬に細る事業所では、毎年同じ人を春に呼び戻すより、冬の仕事を作って雇い続けるほうが人を確保しやすくなります。この助成金は、その冬の賃金の負担を軽くするためのものです。

この記事では、制度の中身、岩手が対象になる地域と業種、令和8年度の冬の日程、助成額、対象になる労働者、岩手の窓口、12月1日の最低賃金1,090円との関係、12月16日までに社内でそろえること、生成AIに任せる作業を順にまとめます。内容は2026年10月14日時点で、厚生労働省の「通年雇用助成金支給要領」(令和8年4月1日)と岩手労働局の案内を確かめたものです。

この記事の要点

  • 対象地域(指定地域)は、岩手県は全市町村です。北海道・青森県・秋田県も全市町村が対象で、宮城県や新潟県など9県は一部の市町村です。
  • 対象業種(指定業種)は、林業、建設業、農業(畜産農業と畜産サービス業を除く)など11の業種です。
  • 令和8年度の冬の分は、通年雇用届を2026年12月16日から2027年1月31日までに出し、支給申請は2027年3月16日から6月15日までに行います。
  • 冬の間も同じ事業所や他の事業所で働いてもらう場合の助成額は、1回目が対象期間の賃金の2/3(上限71万円)、2回目と3回目が1/2(上限54万円)です。
  • 1回目の対象は、2026年9月16日以前から雇っていて、通年で雇わなければ冬に離職して雇用保険の特例一時金を受けると見込まれる人のうち、一定の条件に当たる人です。
  • 岩手の提出先は、盛岡・釜石・宮古・花巻・一関・北上・大船渡・二戸・久慈の各安定所の管内なら、盛岡市のマリオス19階にある岩手労働局の助成金センターです。
  • 中小企業向けの賃上げ促進税制を使う会社は、受け取った通年雇用助成金のうち給与等の支給額に対応する分(事業所内就業・事業所外就業・休業・業務転換・季節トライアル雇用)を、給与等の支給額から差し引いて計算します。

対象読者

  • 岩手県内で建設業・林業・農業・水産食料品製造業などを営み、毎年冬に季節労働者を離職させてきた事業主
  • 冬の間の仕事(屋内作業、配置転換、在籍出向など)を用意して、人を雇い続けたいと考えている経営者・総務担当者
  • 事業主から相談を受ける社会保険労務士や商工団体の担当者

読了後にできること

  • 自社の業種が指定業種に当たるかを確かめられる
  • 令和8年度の冬の届出と申請の期限を、社内の予定に入れられる
  • 1回目の対象になりそうな人を、雇い入れ日と前の冬の離職歴から洗い出せる
  • 岩手での提出先(助成金センターか、ハローワーク水沢か)を決められる
  • 書類の下書きで、生成AIに任せる作業と自分で確かめる作業を分けられる

通年雇用助成金とは|冬に離職する季節労働者を通年で雇う助成

厚生労働省の説明では、通年雇用助成金は「北海道、東北地方等の積雪または寒冷の度が高い地域の事業主が、冬期間に離職を余儀なくされる季節労働者を通年雇用した場合に助成されます」というものです。平成29年4月に、通年雇用奨励金から今の名称に変わりました(厚生労働省「通年雇用助成金」)。

図: 左は季節労働者が冬期間に離職して特例一時金を受ける流れ、右は通年雇用で対象期間中継続して雇用し、継続雇用予定期限まで雇い続ける流れ
図解1|冬に離職させる雇い方から、冬の間も雇い続ける雇い方へ

季節労働者と特例一時金

ここでいう季節労働者は、その業務が季節の影響で一定の時期に偏る「季節的業務」に就き、冬になると離職する人です。冬に離職すると、雇用保険の特例一時金を受け取ることが多くなります。支給要領は、通年で雇う措置を取らなければ特例一時金の支給を受けることになると見込まれる人を、助成の対象にしています(厚生労働省「通年雇用助成金支給要領」(令和8年4月1日))。

事業主の側から見ると、冬に離職させずに、対象期間中継続して雇用し、さらに翌年度の12月15日(継続雇用予定期限)まで雇い続ける見込みがあることが、助成を受ける前提になります。

助成の対象になる雇い方

厚生労働省のページでは、受給できる場合として次の7つを挙げています。

  1. 冬の間も同じ事業所で働いてもらう(事業所内就業)
  2. 配置転換・労働者派遣・在籍出向で他の事業所で働いてもらい、冬の間も雇い続ける(事業所外就業)
  3. 冬の間も雇い続け、その間に一時的に休業させる(休業)
  4. 季節的業務以外の業務に転換して雇い続ける(業務転換)
  5. 職業訓練を行う(職業訓練)
  6. 通年で雇うために新分野の事業所を設置・整備する(新分野進出)
  7. 試行(トライアル)雇用の後、常用雇用として雇い入れる(季節トライアル雇用)

岩手は全市町村が指定地域|対象になる11の業種

助成を受けられるのは、厚生労働大臣が指定した地域(指定地域)にある事業所で、指定した業種(指定業種)の事業を行う事業主です。2つの条件の両方に当たる事業主が、事業所内就業から新分野進出までの支給対象事業主になります。

図: 指定地域(岩手は全市町村)と指定業種(11の業種)の2つの門を通ると支給対象事業主。指定業種に当たらない事業主は季節トライアル雇用だけが対象
図解2|指定地域と指定業種の2つを通った事業主が対象

指定地域

支給要領の別表第1では、北海道・青森県・岩手県・秋田県は全市町村が指定地域です。宮城県・山形県・福島県・新潟県・富山県・石川県・福井県・長野県・岐阜県は、県内の一部の市町村だけが対象です(厚生労働省「通年雇用助成金支給要領」(令和8年4月1日))。岩手県内なら、盛岡市でも沿岸の市町村でも、所在地で外れることはありません。

指定業種(11の業種)

支給要領の別表第2に載っている指定業種は、次の11の業種です。

  1. 林業
  2. 採石業及び砂、砂利又は玉石の採取業
  3. 建設業
  4. 水産食料品製造業
  5. 野菜缶詰、果実缶詰又は農産保存食料品の製造業
  6. 一般製材業
  7. セメント製品製造業
  8. 建設用粘土製品(陶磁器製のものを除く。)の製造業
  9. 特定貨物自動車運送業(支給要領の別表第2の表記は「特定貨物事業者運送業」)
  10. 建設現場において据付作業を行う「造作材製造業(建具を除く)」「建具製造業」「鉄骨製造業」など8つの製造業
  11. 農業(畜産農業および畜産サービス業を除く)

冬の対象期間だけ指定業種以外の仕事をする場合も、指定業種の事業を行う事業主として扱われます。指定業種に当たらない事業主は、季節トライアル雇用だけが対象です。

令和8年度の冬の日程|届出は12月16日から1月31日

支給要領は日付を「当該年度」(対象期間が属する年度)で書いています。令和8年度の冬(2026年12月16日からの冬)に当てはめると、次の表のとおりです。

項目 令和8年度の冬の分 支給要領の書き方
1回目の対象者の雇用 2026年9月16日以前から継続して雇用 当該年度の9月16日以前から
通年雇用届の提出 2026年12月16日から2027年1月31日まで 当該年度の12月16日から1月31日まで
対象期間 2026年12月16日から2027年3月15日まで 12月16日から翌年3月15日まで
休業期間(休業の助成) 2027年1月1日から4月30日まで 1月1日から翌年度4月30日まで
支給申請 2027年3月16日から6月15日まで(休業の助成は、休業手当の額が確定した日から6月15日まで) 当該年度の3月16日から翌年度の6月15日まで
継続雇用予定期限 2027年12月15日 当該年度の翌年度の12月15日

出典:厚生労働省「通年雇用助成金支給要領」(令和8年4月1日)

期限に遅れたとき

天災その他やむを得ない理由で通年雇用届を期間内に出せなかった場合は、理由がやんだ後1か月以内に、理由を書いた書面を添えて出すことができます。ほかの提出書類も同じ扱いです。それ以外の遅れは救われないので、1月31日を社内の締切にしておきます(厚生労働省「通年雇用助成金支給要領」)。

郵送するとき

岩手労働局の助成金センターに郵送する場合は、期限日までに助成金センターに届いていることが必要です(岩手労働局「岩手労働局職業対策課 助成金センターのお問い合わせ先」(令和8年4月1日))。2027年1月31日は日曜日で、助成金センターの窓口は土日祝が休みです。1月31日の消印では間に合わないと考え、期限日が休日に当たる場合の扱いも助成金センターに確かめたうえで、1月29日(金)までに届くように送ります。

助成の種類と金額|1回目は賃金の2/3

事業所内就業・事業所外就業

冬の間も同じ事業所で働いてもらう場合と、他の事業所で働いてもらう場合は、支給対象者1人あたり、1年ごとに最大3回支給されます(厚生労働省「通年雇用助成金」)。

  • 1回目(新規継続労働者):対象期間に支払った賃金の2/3(上限71万円)
  • 2回目・3回目(継続労働者・再継続労働者):対象期間に支払った賃金の1/2(上限54万円)

ここでいう「対象期間に支払った賃金」は、12月の賃金締切日の翌日から3月の賃金締切日までの労働に対して支払った賃金の合計で、臨時に支払われる賃金は除きます(厚生労働省「通年雇用助成金支給要領」)。指定地域の外で請負の仕事をさせるために住所を移す経費を負担した場合は、移動に要した経費も助成されます(移動距離が400km以上の場合に限り、距離に応じて最高15万円・令和10年3月15日までの暫定措置)(厚生労働省「通年雇用助成金のご案内」)。

休業・業務転換・職業訓練・新分野進出・季節トライアル雇用

種類 助成額 上限
休業(1回目) 1月から4月に支払った休業手当(最大60日分)と対象期間の賃金(休業手当を除く)の合計の1/2 新規継続労働者71万円、継続・再継続労働者54万円
休業(2回目) 同じ合計の1/3 54万円
業務転換 業務転換の開始日から6か月の賃金の1/3 71万円
職業訓練(季節的業務) 訓練に要した費用の1/2 3万円
職業訓練(季節的業務以外) 訓練に要した費用の2/3 4万円
新分野進出 事業所の設置・整備に要した費用の1/10(1年ごとに3回) 500万円
季節トライアル雇用 常用雇用に移行してから6か月の賃金の1/2から、トライアル雇用助成金の額を引いた額 71万円

出典:厚生労働省「通年雇用助成金」

休業の助成は、1人につき事業所内・外就業の申請回数3回のうち2回まで受けられ、事業所内・外就業か休業かのどちらかを選びます。令和10年4月30日までの暫定措置です(厚生労働省「通年雇用助成金のご案内」)。

全員が対象になるとは限らない

厚生労働省のリーフレットは、申請の対象となる労働者のすべてについて助成金を受けられるとは限らないとしています。支給の対象になる人数は「申請時の対象労働者の数から、基礎数と3月15日現在の継続雇用労働者の数の差を引いた数」で求め、支給額の高い人、申請回数の少ない人の順に、その人数に達するまで選びます。基礎数は、初めて支給を受ける場合(直前3年間以上受けていない場合を含む)はその年度の12月15日現在の継続雇用労働者の数で、それ以外は前年までに支給が確定した人数から計算します(厚生労働省「通年雇用助成金のご案内」)。人数が多い事業所は、届出の前に助成金センターで見込みを聞いておきます。

対象になる季節労働者|9月16日以前から雇っている人

1回目(新規継続労働者)

1回目の対象は、当該年度の9月16日以前から継続して雇用されている人で、通年で雇う措置を取らなければ、当該年度の1月31日に特例受給資格を得て特例一時金を受けると見込まれる人です。そのうえで、次のどれかに当たる必要があります(厚生労働省「通年雇用助成金支給要領」(令和8年4月1日))。

図: 9月16日以前から雇っている人が1回目の新規継続労働者、次の年度が2回目の継続労働者、その次が3回目の再継続労働者という3段の階段
図解3|1回目から3回目まで、同じ人を続けて申請する
  • 前年度の2月1日から3月15日までの間、その事業主に継続して雇われていなかった人
  • 前年度の10月1日から1月31日までの間に失業給付を受けたことがある人
  • 前年度に初めてその事業主の申請対象労働者となり、前年度の3月16日以後に離職した人

令和8年度の冬に当てはめると、2026年9月16日以前から雇っていることが入口です。2026年9月17日以降に雇い入れた人は、1回目の対象から外れます。

2回目・3回目(継続労働者・再継続労働者)

2回目は、前年度に初めて1回目の対象になり、前年度の3月16日以後も雇われ続けている人(継続労働者)です。3回目は、前年度に2回目の対象になり、同じく3月16日以後も雇われ続けている人(再継続労働者)です。1回目、2回目、3回目と続けて申請していく形になります。

対象から除かれる人と65歳以上の人

管理監督的業務に従事する人、事務など季節の影響を直接受けない業務に従事する人、出稼就労を常態とする人は、対象から除かれます。一方、65歳以上の人も、申請対象労働者の要件を満たしていれば、継続(2回目)・再継続(3回目)として申請できます(厚生労働省「通年雇用助成金のご案内」)。

岩手の窓口|マリオス19階の助成金センター

9つの安定所の管内は助成金センター

岩手労働局は、盛岡・釜石・宮古・花巻・一関・北上・大船渡・二戸・久慈の9つの安定所の管内の事業主について、通年雇用助成金の相談と支給申請を助成金センターで受け付けています(岩手労働局「岩手労働局職業対策課 助成金センターのお問い合わせ先」(令和8年4月1日))。

図: 上の段は9つの安定所の管内から助成金センター(マリオス19階)へ、下の段は水沢安定所の管内からハローワーク水沢へ。どちらも郵送の場合は期限日までに届く必要がある
図解4|9つの安定所の管内は助成金センター、水沢安定所の管内はハローワーク水沢に確認
  • 窓口:岩手労働局 職業対策課 助成金センター
  • 所在地:盛岡市盛岡駅西通二丁目9番1号 マリオス19階
  • 電話:019-606-3285
  • 受付時間:8時30分から17時15分まで(土日祝・年末年始を除く)

ハローワーク花巻・北上の管内(花巻市・北上市・西和賀町)は令和7年4月1日から、ハローワーク一関の管内(一関市・平泉町)は令和8年4月1日から、申請窓口が助成金センターに変わりました(岩手労働局「雇用関係助成金の申請窓口が『岩手労働局 助成金センター』に変更となります」(令和8年4月1日から))。以前はハローワークに出していた事業所は、提出先が変わっていないか確かめます。

水沢安定所の管内は扱いを確かめる

同じ岩手労働局の案内では、水沢安定所の管内の事業主について助成金センターで扱う助成金は、人材開発支援助成金・人材確保等支援助成金・キャリアアップ助成金・早期再就職支援等助成金(中途採用拡大コース)の4つで、通年雇用助成金は入っていません。水沢安定所の管内の事業所は、ハローワーク水沢に提出先を確かめてから書類を用意します。

郵送と電子申請

郵送の場合は、先に書いたとおり期限日までに届いている必要があります。支給要領では、雇用関係助成金ポータルからの電子申請も用意されています(厚生労働省「通年雇用助成金支給要領」)。岩手労働局の助成金センターのページには、窓口の変更や問い合わせ先の最新の案内が載っています(岩手労働局「岩手労働局職業対策課 助成金センター」)。

12月1日の1,090円と対象期間の賃金

対象期間はすべて1,090円の発効後

岩手県最低賃金は、2026年12月1日に1,090円になります(岩手労働局「岩手県最低賃金が1,090円になります」(令和8年10月2日))。通年雇用助成金の対象期間は12月16日からなので、対象期間の賃金はすべて1,090円の発効後に働いた分です。冬の屋内作業や配置転換先の仕事でも、時間あたりの賃金が1,090円を下回らないように、冬の賃金の決め方を見直しておきます。県外の事業所への配置転換・労働者派遣・在籍出向で働いてもらう場合は、その事業所がある都道府県の最低賃金を確かめます。

助成額は対象期間の賃金の2/3(1回目)または1/2(2回目・3回目)で計算するので、賃金が上がれば助成の基になる額も上がります。ただし上限は1回目71万円、2回目と3回目54万円で変わりません。

賃上げ促進税制では差し引く

中小企業庁のガイドブックは、給与等に充てるために国などから受け取る補助金等を「補塡額」とし、賃上げ促進税制の計算では給与等の支給額から差し引くとしています。補塡額に当たる国の補助金等の例の表には、通年雇用助成金(事業所内就業、事業所外就業、休業、業務転換、季節トライアル雇用)が載っています。表の注記では、どれも給与等の支給額に対応する交付額に限るとしています(中小企業庁「中小企業向け賃上げ促進税制ご利用ガイドブック」)。12月1日の賃上げに合わせて賃上げ促進税制も使う会社は、顧問税理士に通年雇用助成金の受給額を伝えておきます。

12月16日までに社内でそろえること

対象者の名簿を作る

まず、冬に離職させてきた人の名簿を作ります。列は、雇い入れ日(2026年9月16日以前か)、前の冬に離職したか、前の冬に失業給付を受けたか、これまでに何回この助成金の対象になったか、冬の間の仕事の内容です。この名簿が、届出に付ける対象労働者申告書の下書きになります。

図: 上の層は提出する通年雇用届と対象労働者申告書、中の層は冬の仕事の見込みを示す工事請負契約書の写し、下の層は就業規則・労働者名簿・出勤簿・賃金台帳
図解5|通年雇用届と、一緒にそろえる書面・帳簿

冬の仕事の見込みを書面で示す

通年雇用届には、対象期間中と対象期間後の就労見込みを証する書面を付けます。事業所内就業の場合は事業の実施見込みを証する書面で、建設業では工事請負契約書の写しや元請事業主の証明などです。配置転換なら辞令の写しや雇用契約書の写しなど、在籍出向なら出向契約書の写し、労働者派遣なら労働者派遣契約書の写しなどを付けます(厚生労働省「通年雇用助成金支給要領」)。冬の工事や作業の予定が決まった段階で、書面をそろえておきます。

初めて支給を受ける事業主と、直前3年度以上この助成金を受けていない事業主は、12月15日現在の継続雇用労働者名等を書いた「通年雇用助成金継続雇用労働者名簿(通様式第3号)」と、同じ日現在で事業所に雇われているすべての労働者の労働者名簿も出します。令和8年度の冬なら、名簿の基準日は2026年12月15日です。

帳簿と許可の写しをそろえる

通年雇用届には、申請対象労働者の出勤簿・賃金台帳・労働者名簿の写しも付けます。そのうえで、支給を受ける事業主は、就業規則、労働者名簿、出勤簿、賃金台帳、配置転換協定、出向協定などを整え、労働局から求められたらすぐに出せるようにしておく必要があります。建設業の許可を受けた建設業者は、許可を証する書面も添付します。

届出の様式

通年雇用届は「通年雇用助成金通年雇用届(通様式第1号)」、対象者の一覧は「通年雇用助成金対象労働者申告書(通様式第2号)」です。電子申請の場合は、雇用関係助成金ポータルの計画届(事業所内就業・事業所外就業)で出します(厚生労働省「通年雇用助成金支給要領」)。記載例は、厚生労働省の「通年雇用助成金制度 その利用の仕方」(令和7年10月1日現在)に載っています。様式は、厚生労働省の「通年雇用助成金」のページにある最新版(対象労働者申告書の通様式第2号はR8.4.1版)を使います。

生成AIに任せる作業と任せない作業

任せてよい作業

  • 対象者の名簿に必要な列を考え、表の形を作る
  • 支給要領の該当部分を貼り付けて、届出に必要な書類のチェックリストに直す
  • 冬の間の作業計画(屋内作業、機械の整備、資材の加工など)を、社内向けに読みやすく整える
  • 従業員に「この冬は離職せずに働いてもらう」ことを伝える説明文の下書きを作る

任せない作業

  • 対象者が要件に当たるかの判断(雇い入れ日、前の冬の離職歴、失業給付の受給歴)
  • 指定業種に当たるかの判断
  • 助成額の計算と、基礎数による人数の見込み
  • 氏名・生年月日・雇用保険被保険者番号などの個人情報の入力

プロンプトの例

あなたは建設業の総務担当の補助です。
次の貼り付けは「通年雇用助成金支給要領」の通年雇用届の提出と添付書類の部分です。
1. 通年雇用届と一緒に出す書類を、チェックリストの形にしてください。
2. 各項目に「どの部署が用意するか(総務・現場・経理)」の欄を付けてください。
3. 原文に書かれていないことは足さず、分からないところは「要確認」と書いてください。
(ここに支給要領の該当部分を貼り付ける)

出す前に確かめる3点

  • 名簿の全員について、2026年9月16日以前の雇い入れか、前の冬の離職や失業給付の記録と照らしたか
  • 冬の仕事の見込みを、契約書の写しなどの書面で示せるか
  • 提出先(助成金センターか、ハローワーク水沢か)と、届く日が1月31日に間に合うか

よくある質問

Q. 岩手県内なら、どの市町村の事業所でも対象ですか。
A. 所在地については、岩手県は全市町村が指定地域なので外れません。あわせて、事業が11の指定業種に当たることが必要です。指定業種に当たらない事業主は、季節トライアル雇用だけが対象です。

Q. 通年雇用届はいつまでに出せばよいですか。
A. 令和8年度の冬の分は、2026年12月16日から2027年1月31日までです。郵送の場合は、期限日までに助成金センターに届いている必要があります。

Q. 冬の間、仕事がない日は休ませてもよいですか。
A. 冬の間も雇い続け、一時的に休業させる場合の助成があります。1回目は1月から4月に支払った休業手当(最大60日分)と対象期間の賃金の合計の1/2です。事業所内・外就業か休業かのどちらかを選ぶ形で、令和10年4月30日までの暫定措置です。

Q. 申請した人は全員、助成の対象になりますか。
A. 全員が対象になるとは限りません。基礎数を使った算定式で支給の対象になる人数を求め、支給額の高い人、申請回数の少ない人の順に選びます。

Q. 秋に雇い入れた人は1回目の対象になりますか。
A. 1回目の対象は、当該年度の9月16日以前から継続して雇用されている人です。令和8年度の冬なら、2026年9月17日以降に雇い入れた人は1回目の対象になりません。

Q. 賃上げ促進税制と一緒に使えますか。
A. 両方を使うことはできますが、賃上げ促進税制の計算では、通年雇用助成金のうち給与等の支給額に対応する分(事業所内就業・事業所外就業・休業・業務転換・季節トライアル雇用)を「補塡額」として給与等の支給額から差し引きます。中小企業庁のガイドブックの例の表に載っています。

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参考・出典