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岩手の基準地価2026|住宅地0.7%下落・工業地上昇

岩手の基準地価2026|住宅地0.7%下落・工業地上昇

岩手の2026年の基準地価は、用途で向きが分かれました。住宅地は0.7%の下落で3年連続の下落、商業地は0.9%の下落で33年連続の下落、一方で工業地は1.1%の上昇で8年連続の上昇です。岩手県が2026年9月16日に公表した令和8年度の地価調査の結果で、価格時点は2026年7月1日、対象は県内33市町村の354地点です。

同じ県の中で、用途によって向きが逆になっています。ここを「岩手の地価は下がった」と一行でまとめてしまうと、用地を探している製造業にも、駅前に店を構えている小売にも、相続を控えた家族にも使えない資料になります。この記事では、県が公表した一次資料の数字をそのまま並べ、自社のどの判断に当てればよいのか、そして生成AIにどこまで任せてよいのかを整理します。

地価公示は国土交通省が1月1日時点で、地価調査は岩手県が7月1日時点で出すという違いを、左右2列に分けて示した図。
図1 地価公示と地価調査は、出し手も価格時点も違う

この記事の要点

  • 令和8年度の岩手県地価調査は2026年9月16日公表、価格時点は2026年7月1日、県内33市町村の354地点が対象です(住宅地256、商業地72、工業地13、林地11、宅地見込地2)。
  • 用途別の平均変動率は、住宅地が0.7%の下落(前年は0.2%の下落)、商業地が0.9%の下落(前年も0.9%の下落)、工業地が1.1%の上昇(前年は1.7%の上昇)、林地が0.6%の下落でした。
  • 1平方メートル当たりの平均価格は、住宅地26,800円、商業地45,900円、工業地12,900円です。
  • 下落の中にも上がっている場所があります。住宅地は256地点のうち72地点が上昇、商業地は72地点のうち15地点が上昇、工業地は13地点のうち9地点が上昇しました。
  • 盛岡市の住宅地は平均0.8%の上昇で12年連続の上昇、商業地の県内最高価格は盛岡駅前通の1平方メートル当たり336,000円で、変動率は9.4%の上昇でした。
  • 国土交通省は同じ調査の全国分を2026年9月15日に公表しています。全国21,466地点で、全用途平均は5年連続の上昇です。
  • 地価調査(7月1日時点・県)と地価公示(1月1日時点・国)は別の調査で、岩手県では調査地点の数も違います。平均変動率をそのまま並べて「半年で反転した」と読むことはできません。
  • 生成AIは、読み取った数字を資料や説明文に組み立てる作業に向いています。価格そのものを推測させたり、PDFから拾わせた数字を確認せずに社外へ出したりすると、事実と違う説明を取引先や金融機関に渡すことになります。

対象読者

  • 岩手県内で用地取得や工場・倉庫の増設を検討していて、候補地の相場観を社内で説明する必要がある製造・物流の担当者の方
  • 店舗や事務所の賃料交渉、出店・退店の判断をひかえている小売・飲食・宿泊・サービス業の経営者の方
  • 相続や事業承継で土地の扱いを決める必要があり、まず公表されている価格を知りたい経営者・ご家族の方
  • 融資や補助金の申請書に、所在地の地価動向を客観的に書く必要がある総務・経理の方

読了後にできること

  • 令和8年度の岩手県地価調査の主要な数字を、出典付きで自社の資料に書ける
  • 「県全体は下落」と「自社の周辺は上昇」を混ぜずに、用途別・市町村別に分けて説明できる
  • 地価公示・基準地価・路線価・固定資産税評価額の役割の違いを、社内で一言で言える
  • 自社の所在地に近い基準地を探し、前年と比べるところまで自力でできる
  • 生成AIに下書きさせてよい範囲と、自分で確認しなければならない範囲を線引きできる

令和8年度の地価調査で何が公表されたのか

地価調査は、国土利用計画法施行令第9条第1項に基づいて都道府県が行う調査です。岩手県の場合、調査主体は岩手県、価格時点は毎年7月1日で、不動産鑑定士の鑑定評価結果に基づいて県が基準地の標準価格を判定します。目的は、土地の正常な価格を示して一般の取引価格に指標を与えること、そして公共事業用地の補償金の算定などに資することだと、県の令和8年度岩手県地価調査結果の概要に記載されています。

調査の枠組み

令和8年度の対象は県内33市町村の354地点です。内訳は住宅地256地点、商業地72地点、工業地13地点、林地11地点、宅地見込地2地点で、このうち351地点は前年から継続して調査されている基準地です。継続している地点が大半なので、前年と同じ場所の価格を並べて比べられる、というのがこの調査の使いどころになります。

よく混同されるのが地価公示です。地価公示は地価公示法に基づいて国が毎年1月1日時点の正常な価格を判定して公示するもので、調査主体も価格時点も違います。岩手県の令和8年地価公示は2026年3月18日に公表され、住宅地125地点・商業地53地点・工業地4地点が対象でした。地価調査の住宅地256地点に対して、地価公示は125地点です。対象としている地点の数も分布も違うので、二つの平均変動率をそのまま並べて増減を語ることはできません。

用途別の4つの数字

県全体の令和8年度の平均変動率と平均価格は次のとおりです。平均価格は全基準地を対象に、十円の位を四捨五入したものです。

用途 地点数 平均変動率(令和8年) 前年(令和7年) 平均価格
住宅地 256 0.7%の下落 0.2%の下落 26,800円/㎡
商業地 72 0.9%の下落 0.9%の下落 45,900円/㎡
工業地 13 1.1%の上昇 1.7%の上昇 12,900円/㎡
林地 11 0.6%の下落 0.4%の下落 54,600円/10a

住宅地は3年連続の下落で下落幅が拡大、商業地は33年連続の下落で下落幅は横ばい、工業地は8年連続の上昇で上昇幅は縮小、林地は32年連続の下落です。「連続」の年数が用途ごとにまったく違うことが、岩手の土地の事情をよく表しています。

国土交通省は全国分を2026年9月15日に公表しました。令和8年都道府県地価調査の報道発表によれば、全国21,466地点が対象で、全国平均は全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続の上昇、地方圏も4年連続の上昇です。全国は上昇、岩手県は住宅地・商業地が下落。この差を埋める説明を、次の章から市町村単位で見ていきます。

住宅地は3年連続の下落、盛岡市は12年連続の上昇

住宅地の県全体の平均変動率は0.7%の下落でした。ただし256地点のうち72地点は価格が上がっています。上昇した地点があるのは盛岡市28地点、滝沢市8地点、北上市7地点、矢巾町7地点、花巻市6地点、一関市5地点、紫波町5地点、大船渡市2地点、奥州市2地点、金ケ崎町2地点です。

住宅地の平均変動率が上がった盛岡市・滝沢市・紫波町・矢巾町と、下がった久慈市・一戸町・田野畑村を、上下2つの帯に分けて示した図。
図2 県全体は下落でも、平均が上がった市町と下がった市町村に分かれる

平均が上がった市町

市町村別の住宅地の平均変動率で上昇したのは6市町です。滝沢市2.1%、紫波町1.6%、矢巾町1.2%、金ケ崎町0.9%、盛岡市0.8%、北上市0.8%。盛岡市とその周辺、そして北上・金ケ崎という内陸の工業集積地に集中しています。

盛岡市はこれで12年連続の上昇です。ただし上昇幅は前年の2.2%から0.8%へ落ちています。滝沢市も前年の3.6%から2.1%、紫波町も2.5%から1.6%と、上昇はしているが勢いは弱まっている、という形です。県は住宅地について、人口減少が進む県北・沿岸部で下落が続くなか、これまで地価の上昇を牽引してきた県央都市部でも建築費の高騰を背景に新設住宅着工数が減少したこと等により上昇幅が縮小した、と説明しています。

県内の住宅地で最も価格が高かったのは盛岡市本宮3丁目の1平方メートル当たり107,000円で、変動率は0.0%でした。最も上昇率が高かったのは盛岡市永井18地割で5.1%、標準価格は67,500円です。

平均が下がった市町村

下落幅が大きいのは県北と沿岸です。一戸町4.0%の下落、久慈市3.5%の下落、田野畑村3.3%の下落、岩泉町3.1%の下落、山田町3.0%の下落、大槌町2.9%の下落と続きます。住宅地の最大下落地点は大槌町吉里吉里1丁目で4.3%の下落、標準価格は17,900円でした。前年は2.1%の下落だったので、下がり方そのものが速くなっています。

ここが「県全体は0.7%の下落」という一行に押し込まれてしまう部分です。盛岡市の0.8%上昇と一戸町の4.0%下落を平均した数字を、久慈市の不動産の話に使っても意味がありません。資料に書くときは、県全体の数字と、自社や物件のある市町村の数字を、必ず二段で並べてください。

自社の周辺の数字を先に見る

住宅地の数字が効いてくるのは、社宅や寮の取得、従業員の住宅手当の設計、そして相続や事業承継での土地の扱いです。県内で採用のために住まいを用意する話であれば、上がっている盛岡・滝沢・矢巾と、下がっている県北・沿岸では、同じ予算でもまったく違う判断になります。空き家として抱えている物件の扱いについては、岩手の不動産・空き家をAIで整理する記事もあわせて読んでください。

商業地は33年連続の下落、盛岡駅前通は9.4%の上昇

商業地の県全体の平均変動率は0.9%の下落で、前年と同じ下落幅でした(岩手県「令和8年度岩手県地価調査結果の概要」)。33年連続の下落という数字だけを見ると重いのですが、72地点のうち15地点は価格が上がっています。内訳は盛岡市11地点、北上市2地点、滝沢市1地点、矢巾町1地点です。

盛岡駅前通を中心に、インバウンド、企業誘致、宿泊需要、ホテル等の新規投資という需要の中身を結び付けて示した図。
図3 上がっている場所で挙げられている需要の中身

県内最高価格は336,000円

商業地で最も高く、そして最も上昇率が高かったのは、盛岡市盛岡駅前通です。県の公表資料によれば、標準価格は1平方メートル当たり336,000円、変動率は9.4%の上昇でした。前年の上昇率は6.2%なので、上がり方が加速しています。2番目に上昇率が高かったのも同じ盛岡駅前通の別の地点で、188,000円・7.4%の上昇です。

同じ資料の市町村別の商業地の平均変動率で上昇したのは盛岡市1.7%、滝沢市0.7%、北上市0.4%、矢巾町0.4%の4市町、金ケ崎町が0.0%で横ばい、残りはすべて下落です。下落幅が大きいのは西和賀町4.5%の下落、岩手町4.2%の下落、九戸村3.5%の下落、洋野町3.1%の下落でした。商業地の最大下落地点は西和賀町川尻で4.5%の下落、標準価格は6,340円です。

県が挙げた背景

県は商業地について、コロナ禍前から商圏人口の減少や後継者難を抱えている地域で需要回復が弱く県全体の平均変動率は下落が継続しているものの、インバウンドや企業誘致に伴う宿泊需要を見越したホテル等の新規投資が見られ、県全体の下落幅には縮小傾向が見られる、と説明しています。

つまり、盛岡駅前で起きているのは宿泊と投資の話で、商圏人口が減っている町の商店街で起きているのは後継者の話です。同じ「商業地」という分類に入っていますが、別のことが起きています。賃料の値上げを持ちかけられたとき、あるいは自分から交渉するときに、県全体の0.9%の下落を根拠にするか、自分の所在地の地点価格を根拠にするかで、話はまったく変わります。

出店・退店の判断に使うとき

出店候補を比べるなら、候補地に近い基準地の標準価格と変動率を、二期分そろえて並べるところから始めてください。前年の価格が同じ表に載っているので、上がっているのか下がっているのかは自分で計算しなくても分かります。判断材料としては、価格の水準(高いか安いか)と、方向(上がっているか下がっているか)は別の情報なので、分けて書くと社内の議論がぶれません。

工業地は8年連続の上昇、上がっているのは内陸の工業団地

県全体の工業地の平均変動率は1.1%の上昇で、8年連続の上昇です。上昇幅は前年の1.7%から縮小しました。13地点のうち9地点が上昇しており、上昇した地点があるのは盛岡市、宮古市、北上市、一関市、奥州市2地点、紫波町、矢巾町、金ケ崎町です。

最も上昇率が高かったのは奥州市江刺岩谷堂で4.8%の上昇、標準価格は7,650円でした。続いて矢巾町大字西徳田3.1%の上昇で19,700円、北上市北工業団地2.4%の上昇で12,800円、盛岡市黒川2.0%の上昇で15,400円、金ケ崎町西根森山2.0%の上昇で10,000円です。最大下落地点は大船渡市盛町で1.9%の下落、標準価格は15,200円でした。

県が挙げた需要の中身

県は工業地について、高速道路網の充実等の優位性が認知され、EC市場拡大や2024年問題に伴う物流用地の需要が継続しているほか、サプライチェーンの国内回帰や災害を意識したBCP等による生産製造用地の需要が旺盛であることから県全体の平均変動率は上昇した、と説明しています。

あわせて県の資料には、国の全国動向として、大手半導体メーカーの工場が進出する地域では関連企業も含めた従業員向けの住宅需要のほか、関連企業の工場用地や店舗等の需要も引き続き堅調であり、住宅地・商業地・工業地ともに高い地価上昇が継続していると記載されています。北上・金ケ崎・奥州という上昇地点の並び方は、この説明とそのまま重なります。北上市の投資については北上の半導体投資と求人をまとめた記事で扱っています。

用地を探しているときの見る順番

工業地の基準地は県内13地点しかありません。候補地のすぐ近くに基準地があるとは限らないので、工業地の数字は「その地域の方向を知る材料」として使い、個別の取得価格の判断には使わない、という線引きが必要です。価格の目安を知りたいだけなら基準地の標準価格で足りますが、実際の売買や担保の評価が必要になる場面では、不動産鑑定士による鑑定評価が別に要ります。基準地の標準価格も、県が不動産鑑定士の鑑定評価結果に基づいて判定したものです。

公示地価・基準地価・路線価・固定資産税評価額の違い

土地の価格には公的なものが複数あり、目的も時点も出し手も違います。ここを混ぜると、相続の話に基準地価を持ち込んだり、固定資産税の話に地価公示を持ち込んだりして、話がかみ合わなくなります。

4つの価格の役割

価格 出し手 時点 主な用途
地価公示 国土交通省 毎年1月1日 一般の土地取引価格の指標、公共用地の取得価格の算定
地価調査(基準地価) 都道府県 毎年7月1日 一般の土地取引価格の指標、公共事業用地の補償金の算定
相続税路線価 国税庁 毎年1月1日 相続税・贈与税の土地の評価
固定資産税評価額 市町村 評価替えの基準年度 固定資産税・都市計画税の計算

相続や贈与で土地を評価するときに使うのは国税庁が公表している路線価で、基準地価ではありません。固定資産税の額に納得がいかないという話であれば、見るのは総務省の固定資産税の制度説明と市町村からの通知です。基準地価が役に立つのは、取引や賃料の相場観を持つとき、そして地域の方向を説明するときです。

1月1日と7月1日を混ぜない

同じ2026年の話でも、地価公示は1月1日時点、地価調査は7月1日時点です。岩手県の令和8年地価公示結果の概要では住宅地の平均変動率が0.3%の上昇、今回の地価調査では0.7%の下落ですが、これは半年で反転したという意味ではありません。調査地点の数と分布が違います(地価公示の住宅地は125地点、地価調査の住宅地は256地点)。資料には必ず、どちらの調査の、いつ時点の数字なのかを書いてください。

自社の判断に落とすときの手順

数字は集めた時点では資料になりません。自社の判断に当てて、はじめて使えるものになります。

価格時点を確かめ、近くの基準地を探し、前年の価格と比べ、自社の判断に当て、出典を書くという資料づくりの順番を示した図。
図4 公表値を自社の資料にするまでの順番

五つの段取り

まず価格時点を確かめます。2026年7月1日の価格である、ということを資料の先頭に書きます。次に、自社の所在地や候補地の近くの基準地を探します。県の公表資料には基準地番号と所在地・地番が載っており、国土交通省の不動産情報ライブラリでは地図の上から探せます。

見つけたら、前年の価格と比べます。県の一覧表には令和8年度と令和7年度の標準価格と変動率が並んでいるので、自分で計算する必要はありません。そのうえで自社の判断に当てます。出店なら賃料、用地なら取得予算、承継なら資産の扱いです。最後に出典を書きます。「岩手県『令和8年度岩手県地価調査結果の概要』(2026年9月16日公表・価格時点2026年7月1日)」のように、資料名と公表日と価格時点まで入れておけば、後から誰が読んでも確認できます。

賃料交渉に持っていくとき

賃料の話に地価を持ち込むときは、地価は背景の説明で、賃料の根拠は別だと分けてください。周辺の地価が下がっているから賃料を下げてほしい、という話は始まりとしては成り立ちますが、決め手にはなりません。自社の売上や来店数、近隣の募集条件といった自分の数字を横に置いて、地価はその裏づけとして添える形が現実的です。

金融機関や補助金の申請書に書くとき

事業計画に所在地の環境を書くときは、県全体の数字と市町村の数字を二段で書くのが分かりやすい形です。「県全体の工業地は1.1%の上昇で8年連続、うち北上市北工業団地は2.4%の上昇」と書けば、地域の傾向と自社の立地が一度に伝わります。数字の横に出典を置いておけば、担当者が確認する手間も減ります。なお、賃上げと助成金の期限が絡む申請は地価とは別の締切で動くので、岩手の最低賃金と賃上げ支援をまとめた記事のほうで確認してください。

生成AIに任せてよい作業と、任せてはいけない作業

地価の資料づくりは、読み取る作業と書く作業に分かれます。分けたうえで、書く側だけをAIに渡すのが安全です。

数字を読み取る、用途を見分ける、出す前に確認するは人がやり、説明文の下書き、資料の構成、質問への答え方はAIに任せるという2つの層に分けた図。
図5 人がやる層とAIに任せる層を分ける

数字は人が読み、AIは文章にする

人がやるのは、公表資料から数字を読み取ること、住宅地・商業地・工業地の用途を見分けること、そして社外へ出す前に確認することです。AIに任せてよいのは、読み取った数字をもとにした説明文の下書き、社内資料の構成、想定される質問への答え方の整理です。

PDFをそのままAIに読ませて要約させるのは、下書きの補助としては使えますが、出てきた数字をそのまま資料へ載せないでください。地価調査の資料は用途別に表が分かれており、住宅地の数字と商業地の数字、県全体の数字と市町村の数字が同じページに並んでいます。取り違えが起きやすい構造なので、数字は人が公表資料から書き写す形にしてください。

プロンプトの例

数字を先に自分で書いてからAIに渡す形にすると、取り違えが起きません。

あなたは社内向けの資料を整える担当です。以下の数字は確定値なので変更しないでください。

- 出典: 岩手県「令和8年度岩手県地価調査結果の概要」(2026年9月16日公表・価格時点2026年7月1日)
- 県全体の住宅地の平均変動率: 0.7%の下落(3年連続の下落)
- 県全体の工業地の平均変動率: 1.1%の上昇(8年連続の上昇)
- 北上市北工業団地の変動率: 2.4%の上昇(標準価格12,800円/㎡)

この4点だけを使って、用地取得の社内稟議に添える説明を300字で書いてください。
数字を足さないでください。推測を書かないでください。最後に出典の行をそのまま残してください。

「数字を足さないでください」「推測を書かないでください」の2行が効きます。これを入れないと、全国平均や他県の話が混ざった文章が返ってくることがあります。

出す前に自分で戻して確認する

できあがった文章は、公表資料をもう一度開いて突き合わせてください。確認する箇所は決まっています。用途(住宅地か商業地か工業地か)、範囲(県全体か市町村か地点か)、向き(上昇か下落か)、価格時点(2026年7月1日か)、そして出典の記載です。この5点だけ見れば、地価の資料で起きる間違いはほとんど防げます。

次にどこを見るか

地価調査は年に一度、7月1日時点の価格が9月に公表されます。地価公示は1月1日時点の価格が3月に公表されます。年に二回、同じ作業をする日をカレンダーに置いておけば、必要になったときに探すところから始めずに済みます。

地点ごとの価格を地図から探したいときは国土交通省の不動産情報ライブラリ、県内の全地点の一覧と市町村別の平均を見たいときは岩手県のページに掲載されているPDFが入口です。県のページには、概要のほかに価格及び変動率の一覧、変動率上位地点の一覧、用途別の推移といった資料が用途別に分かれて置かれています。業種ごとのAIの使いどころは岩手×AI業種別インデックスから探せます。

よくある質問

Q. 岩手の基準地価はいつ公表されましたか。
A. 岩手県は2026年9月16日に令和8年度地価調査結果の概要を公表しました。国土交通省の全国分の公表は2026年9月15日です。いずれも価格時点は2026年7月1日です。

Q. 「基準地価」と「地価調査」は別のものですか。
A. 同じものです。国土利用計画法施行令に基づいて都道府県が行う調査が地価調査で、そこで価格が判定される地点を基準地と呼びます。公表資料では地価調査、報道では基準地価と書かれることが多い、という違いです。

Q. 県全体は下落なのに、自分の土地は上がっていると聞きました。矛盾していませんか。
A. 矛盾しません。住宅地は256地点のうち72地点、商業地は72地点のうち15地点、工業地は13地点のうち9地点が上昇しています。県全体の平均変動率は上昇地点と下落地点をならした数字なので、個別の地点の動きとは一致しません。

Q. 相続の話に基準地価を使ってよいですか。
A. 相続税・贈与税で土地を評価するときに使うのは国税庁が公表する路線価です。基準地価は地域の相場観や方向を説明する材料として使ってください。実際の税額の計算は税理士に確認してください。

Q. 自社の土地の値段が基準地価で分かりますか。
A. 分かりません。基準地の標準価格は、その地点の正常な価格です。個別の土地の価格は、形状・接道・用途地域・建物の状況などで変わります。売買や担保の評価が必要な場面では、不動産鑑定士による鑑定評価が別に要ります。

Q. AIに地価を予想させてもよいですか。
A. 社内の議論のたたき台としても勧められません。地価の判定は不動産鑑定士の鑑定評価結果に基づいて県が行うもので、AIが出した数値には根拠がありません。AIには、公表された数字を説明文に組み立てる作業だけを任せてください。

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参考・出典