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岩手の県民意識調査2026|ニーズ度1位は安定した就職環境

岩手の県民意識調査2026|ニーズ度1位は安定した就職環境

岩手県が毎年行っている「県の施策に関する県民意識調査」の令和8年の結果で、県民の「ニーズ度」がもっとも高かった項目は「安定した就職環境」でした。重要だと答えた人は85.6%いるのに、満足と答えた人は10.4%にとどまります(岩手県「令和8年 県の施策に関する県民意識調査結果報告書」)。

ニーズ度は、重要度の平均点から満足度の平均点を引いた値です。上位5項目のうち3つが「仕事・収入」の分野で、2位は「農林水産業の担い手確保」、3位は「商店街のにぎわい」でした。この記事の数字は、2026年10月8日時点で取得した報告書(令和8年7月・PDF 158ページ)で確認しています。

ここでは、調査の仕組み、ニーズ度の上位項目と地域・年代による差、幸福の実感、「情報通信技術の活用」の評価を順に整理し、採用・事業計画・地域の企画での使い方と、生成AIで報告書を読むときの注意をまとめます。

この記事の要点

  • 令和8年の県民意識調査は、県内に住む18歳以上の5,000人に郵送で行い、3,318人が回答しました(有効回収率66.4%)。調査時期は令和8年1~2月です。
  • 57項目のうちニーズ度の1位は「安定した就職環境」(2.055)。重要は85.6%、満足は10.4%、不満は37.9%です。30歳代では不満が51.2%に上ります。
  • ニーズ度の2位は「農林水産業の担い手確保」(1.991)、3位は「商店街のにぎわい」(1.932)、4位は「公共交通機関の維持・確保」(1.922)でした。
  • 幸福だと感じる人は58.5%で、前回より1.5ポイント増えました。一方で「仕事にやりがいを感じる」は39.9%で、前回の42.1%から下がっています。
  • 「情報通信技術の活用」は、満足(29.5%)が不満(15.3%)を上回っている項目です。重要と答えた人は20歳代で86.7%でした。
  • 採用ページや補助金の申請書で「地域の課題」を書くときの根拠に使えます。生成AIで報告書を読むときは、重要度・満足度・ニーズ度と、平均点と割合の取り違えに気をつけます。

対象読者

  • 岩手県内で採用や人材の定着に取り組む経営者、総務・人事の担当者
  • 補助金の申請書や事業計画で、県内の地域課題を数字で書きたい事業者
  • 商店街・農林水産・交通の団体で、企画書や会議資料を作る方
  • 自治体や支援機関で、県民の受け止めを施策の説明に使いたい方

読了後にできること

  • 重要度・満足度・ニーズ度の意味を説明し、数字を取り違えずに引用できる
  • ニーズ度の上位項目を、自社の採用や事業の課題と結び付けて書ける
  • 広域振興圏別・年代別の差を、自社の地域や採用の対象に合わせて読める
  • 生成AIに下書きを任せる範囲と、自分で確かめる範囲を分けられる

県民意識調査とは|18歳以上の5,000人に毎年聞く県の調査

調査の概要

岩手県は「いわて県民計画(2019~2028)」に基づく施策について、県民がどの程度重要と感じ、どの程度満足しているかを把握するため、平成12年度から毎年この調査を行っています。令和8年が24回目で、調査項目数は120項目です(岩手県「県の施策に関する県民意識調査結果」)。

図: 57項目それぞれについて、重要度の平均点から満足度の平均点を引いた値がニーズ度。重要度が高く、住民の満足度が低い状態をニーズが高いと読む
図解1|ニーズ度は重要度から満足度を引いた値
項目 内容
調査対象 県内に住む18歳以上の個人
調査対象者数 5,000人(選挙人名簿から層化二段無作為抽出)
調査方法 設問票による郵送のアンケート
調査時期 令和8年1~2月(毎年調査)
回収者数 3,318人(有効回収率66.4%)
主な調査項目 生活全般の満足度、10の政策分野に関連する57項目の重要度と満足度、幸福度、家事時間と生活時間、県民の普段の行動
公表 令和8年7月(岩手県ふるさと振興部)

回答者のうち70歳以上が36.3%で、20~29歳は5.2%です。県は広域振興圏ごとに一定の精度を確保するため、沿岸と県北に多めに調査票を割り振っています。そのうえで、市町村別の18歳以上人口で重み付けをして県全体の値を出しています(母集団拡大集計)。報告書の「県計」は、回答者の単純な割合ではありません。

重要度・満足度・ニーズ度の読み方

重要度は「重要」を5点から「重要でない」を1点、満足度は「満足」を5点から「不満」を1点として点数にし、「わからない」と無回答を除いた回答者数で割った平均点です。ニーズ度は重要度から満足度を引いた値で、報告書は「重要度が高く、住民の満足度が低い状態を(行政)ニーズが高いと読む」と説明しています。

57項目の平均は、重要度4.196、満足度2.989、ニーズ度1.207でした。報告書には、平均点のほかに「重要」「満足」「不満」と答えた人の割合(%)も載っています。数字を引用するときは、どの指標なのか、平均点なのか割合なのかを書き添えます。

ニーズ度1位は「安定した就職環境」|満足は10.4%

重要は85.6%、満足は10.4%

「安定した就職環境」の設問文は「県内に職を求める人が希望どおりに就職できる環境であること」です。重要度は4.531(57項目中12位)、満足度は2.476(55位)で、差のニーズ度2.055は57項目でもっとも高い値でした。前回(令和7年)もニーズ度は1位です。

図: 安定した就職環境について、重要と答えた人は85.6%、不満は37.9%、満足は10.4%
図解2|「安定した就職環境」は重要85.6%、不満37.9%、満足10.4%

割合で見ると、重要(「重要である」+「やや重要である」)は85.6%、満足(「満足」+「やや満足」)は10.4%、不満(「不満」+「やや不満」)は37.9%でした。前回の満足は10.5%、不満は39.9%なので、不満は2.0ポイント減っていますが、満足はほとんど動いていません(同報告書 問2-35)。

30歳代は不満が51.2%

年代別の満足と不満は次のとおりです(報告書の属性別集計から抜粋)。

年代 満足 不満
18・19歳 35.3% 20.9%
20歳代 17.6% 34.1%
30歳代 7.7% 51.2%
40歳代 8.8% 46.8%
50歳代 8.3% 44.7%

30歳代では半数が不満と答えています。前回の30歳代は満足13.0%、不満48.5%でした。同じ調査の「仕事と生活を両立できる環境」でも、30歳代は不満が50.0%で、全体の28.8%を大きく上回っています。

沿岸と県北は不満が4割を超える

広域振興圏別に見ると、不満は沿岸が43.4%、県北が42.8%、県央が37.0%、県南が35.8%でした。満足は県南の11.5%がもっとも高く、沿岸は8.9%、県北は8.8%、県央は9.9%です。沿岸と県北の不満は、前回(沿岸45.7%、県北46.6%)より下がっています。

有効求人倍率1.21倍との違い

岩手労働局によると、県内の有効求人倍率(受理地別・季節調整値)は令和8年8月分で1.21倍で、求人の数が求職者の数を上回っています(岩手労働局「一般職業紹介状況(令和8年8月分)」)。調査時期は違いますが、求人の数と、県民が「希望どおりに就職できる」と感じているかどうかは別の物差しです。職種・賃金・勤務地のどこにずれがあるのかは、この調査からは分かりません。

ニーズ度の上位5項目のうち3つが「仕事・収入」

上位5項目

ニーズ度の高い順に5項目を並べると、次のようになります(同報告書 参考1・参考3)。

図: 仕事・収入の分野を中心に、安定した就職環境、農林水産業の担い手確保、商店街のにぎわい、県内経済の活性化、中小企業の成長・発展がつながる
図解3|ニーズ度の上位に並ぶ「仕事・収入」の分野の項目
順位 項目 政策分野 重要度 満足度 ニーズ度 前回順位
1 安定した就職環境 仕事・収入 4.531 2.476 2.055 1
2 農林水産業の担い手確保 仕事・収入 4.327 2.336 1.991 3
3 商店街のにぎわい 仕事・収入 4.269 2.337 1.932 4
4 公共交通機関の維持・確保 居住環境・コミュニティ 4.404 2.482 1.922 2
5 いじめや不登校への適切な対処 教育 4.613 2.724 1.889 5

満足度の低い順に見ても、57位が「農林水産業の担い手確保」、56位が「商店街のにぎわい」、55位が「安定した就職環境」、54位が「公共交通機関の維持・確保」です。仕事・収入の分野では、「県内経済の活性化」(ニーズ度1.536・12位)と「中小企業の成長・発展」(1.468・15位)も上位にあります。

商店街のにぎわい|不満は49.2%

設問は「身近な商店街が、住民に利用され、にぎわっていること」です。重要は80.0%、満足は11.9%、不満は49.2%でした。広域振興圏別の満足は県央が15.7%でもっとも高く、県南は8.9%で、不満は54.8%に上ります。

農林水産業の担い手確保|満足は4.7%

「地域の農林水産業の担い手が確保されていること」の満足は4.7%、不満は39.2%で、「わからない」も19.8%ありました。重要と答えた人は全体で74.2%、18・19歳では87.6%です。

公共交通機関の維持・確保|不満は49.0%

「鉄道、バスなどの公共交通機関が維持・確保されていること」の満足は19.2%、不満は49.0%でした。満足は県央の23.8%に対し、県南は15.8%です。通勤の手段は、採用で応募をためらう理由にもなります。

幸福と感じる人は58.5%|仕事のやりがいは39.9%

幸福の実感

「現在、どの程度幸福だと感じていますか」に、幸福(「幸福」+「やや幸福」)と答えた人は58.5%で、前回より1.5ポイント増えました。5段階を点数にした平均は5点満点中3.54点です。生活全般については、満足が34.4%、不満が35.3%で、不満は前回の36.9%から1.6ポイント減っています(同報告書 問1・問3)。

図: 仕事にやりがいを感じると答えた人は、前回の42.1%から令和8年は39.9%になり、2.2ポイント下がった
図解4|「仕事にやりがいを感じる」は前回の42.1%から39.9%へ

仕事と収入の実感

自分自身についての12の問いのうち、「仕事にやりがいを感じますか」に「感じる」(「感じる」+「やや感じる」)と答えた人は39.9%で、前回の42.1%から2.2ポイント下がりました。「必要な収入や所得が得られていると感じますか」は23.3%(前回23.0%)で、12の問いの中でもっとも低い値です。

幸福かどうかを判断するときに重視した事項(複数回答)では、「健康状況」が77.7%、「家族関係」が73.0%で上位でした。仕事に関係する事項は、「職場の人間関係」が27.6%、「仕事のやりがい」が26.2%(前回29.7%)、「就業状況」が17.5%です。

共働き世帯の家事時間

夫婦の世帯のうち、二人とも仕事を持っている世帯は50.9%(前回48.0%)でした。共働き世帯の1日の家事時間は夫が139分、妻が300分で、夫は妻の46.3%です(前回は42.6%)。仕事と生活の両立を考えるときの、県内の実情を示す数字です。

「情報通信技術の活用」は満足が不満を上回る

重要70.0%、満足29.5%

設問は「インターネットや携帯電話・スマートフォンなどの利用により、情報通信技術が暮らしや仕事に生かされていること」です。重要は70.0%(前回68.7%)、満足は29.5%、不満は15.3%で、満足が不満を上回っています。平均点では重要度4.097(38位)、満足度3.186(10位)、ニーズ度0.912(41位)でした(同報告書 問2-52)。

年代による差

重要と答えた人は、20歳代で86.7%、30歳代で82.7%、40歳代で79.6%、50歳代で74.6%でした。満足は18・19歳で50.2%、20歳代で41.8%、50歳代で31.0%です。広域振興圏別の重要は、県央が71.1%、県北が65.9%でした。

この設問は生成AIそのものを聞いてはいません。言えるのは、情報通信技術が暮らしや仕事に生かされることを7割が重要と答え、20歳代から50歳代までは年代が上がるほど「重要」の割合が下がっている、というところまでです。ニーズ度の高い「安定した就職環境」や「仕事と生活を両立できる環境」に、事業者が情報通信技術をどう結び付けるかは、各社が考える部分になります。

事業者が使える場面

採用ページ・求人票

県民がもっとも強く求めているのは「希望どおりに就職できる環境」で、30歳代の半数が不満と答えています。採用ページや求人票では、仕事内容・賃金・勤務時間・休日・通勤の手段など、応募する人が「希望どおりか」を判断できる情報を具体的に書くことが、この数字への答え方になります。公共交通への不満が49.0%あることを踏まえると、車通勤の可否や駐車場、送迎の有無も書いておくと判断の材料が増えます。採用の進め方は岩手の人材不足×AI戦略の記事や高卒採用×AI活用ガイドにまとめています。

補助金の申請書・事業計画

事業計画書や補助金の申請書で「地域の課題」を書くとき、県の公表資料の数字は根拠として使いやすい材料です。引用するときは、資料名(県の施策に関する県民意識調査結果報告書)、調査年(令和8年)、公表元(岩手県ふるさと振興部)、指標(ニーズ度、満足の割合など)を書きます。申請書は審査を受けるため、数字を引用しても採択されるとは限りません。引用は、自社の取り組みが地域のどの課題に向いているかを説明する材料として使います。

商店街・地域の企画

「商店街のにぎわい」は、満足11.9%、不満49.2%で、県央と県南で受け止めが分かれています。イベントや販促の企画書では、自分の地域が属する広域振興圏の数字を使うと、会議で話がかみ合います。販促の具体的な進め方は岩手の商店街・個人商店のAI集客の記事で扱っています。

生成AIで報告書を読むときの手順

任せてよい作業

  • 人が報告書から書き写した数字を使って、採用ページの文案、企画書の背景説明、会議資料の要点を下書きする
  • 同じ内容を、経営会議向け・現場向け・取引先向けに書き分ける
  • 報告書の目次や設問の一覧から、自社に関係しそうな設問番号を探す手がかりを出す

任せない作業

  • 数字そのものを答えさせること。重要度(平均点)と「重要」の割合(%)、満足度と「満足」の割合を取り違えやすい
  • 158ページのPDFを丸ごと渡して、要約だけを使うこと。令和8年と令和7年の表が並んでいるページが多く、前回の値を今回の値として拾うことがある
  • 調査に書かれていない理由を補わせること。「なぜ不満なのか」は、この調査からは分からない

プロンプトの例

あなたは岩手県内の中小企業の採用担当です。以下の数字だけを使い、
採用ページに載せる「私たちが大切にしていること」の下書きを400字で作ってください。
数字を足したり、書かれていない理由を推測したりしないでください。

【使ってよい数字】
・岩手県「令和8年 県の施策に関する県民意識調査結果報告書」(岩手県ふるさと振興部・令和8年7月)
 「安定した就職環境」のニーズ度は57項目中1位(2.055)
 重要85.6%、満足10.4%、不満37.9%
・当社の実績(自社で確認した数字):ここに書く

確かめること

出す前に3点を確かめます。1つめ、数字が報告書と同じか(指標名と単位も含めて)。2つめ、令和8年の値と令和7年の値が混ざっていないか。3つめ、出典に資料名・調査年・公表元が書かれているか。県の統計の探し方は岩手県の統計データの探し方の記事も参考になります。

図: 任せてよい作業は採用ページの文案と書き分け。任せない作業は数字そのものを答えさせること、要約だけを使うこと、書かれていない理由を補わせること
図解5|生成AIに任せてよい作業と任せない作業

よくある質問

Q. 県民意識調査の最新はいつの調査ですか。
A. 2026年10月8日時点で最新は令和8年の調査です。調査は令和8年1~2月に行われ、報告書は令和8年7月に公表されています。調査は毎年行われています。

Q. ニーズ度とは何ですか。
A. 重要度の平均点から満足度の平均点を引いた値です。報告書は、重要度が高く満足度が低い状態をニーズが高いと読む、と説明しています。

Q. 「安定した就職環境」の満足10.4%は、求人が少ないという意味ですか。
A. そうとは言えません。設問は「県内に職を求める人が希望どおりに就職できる環境であること」を聞いています。岩手労働局の有効求人倍率は令和8年8月分で1.21倍です。どこにずれがあるかは、この調査からは分かりません。

Q. 地域ごとの結果はありますか。
A. 県央・県南・沿岸・県北の4つの広域振興圏別と、男女別、年代別の割合が報告書に載っています。市町村別の値は載っていません。

Q. 事業計画や補助金の申請書に引用してもよいですか。
A. 県が公表している資料なので、出典を書いて引用できます。資料名・調査年・公表元・指標名を書き、数字は報告書の表から書き写してください。

Q. 生成AIに報告書のPDFを読ませてもよいですか。
A. 目次から設問を探す手がかりにする使い方はできます。数字は報告書の表から人が書き写し、生成AIには文章の組み立てを任せてください。

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参考・出典