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岩手の空き家10万戸|空き家率17.3%の読み方

岩手の空き家10万戸|空き家率17.3%の読み方

この記事の要点

  • 総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査(確報・2026年時点の最新)によると、岩手県の空き家は100千戸、つまり10万戸です。総住宅数579千戸に対する空き家率は17.3%で、全国の13.8%を3.5ポイント上回ります。
  • 空き家率には2つあります。17.3%は賃貸中の空室や売り出し中の家、別荘まで含めた数字です。それらを除いた「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」は54千戸、率にして9.3%。放置されている家の話をするときはこちらを使います。
  • 岩手県の総住宅数は2018年も579千戸で、5年間の増減率は0.0%です。全国が4.2%増えている中で、岩手は住宅の総数が増えていません。家は増えていないのに空き家率が高い、という構図です。
  • 居住世帯のある住宅477千戸のうち、一戸建が344千戸(72.2%)、持ち家が335千戸(70.3%)。全国の一戸建52.7%・持ち家60.9%と比べて、岩手は一戸建の持ち家が中心の県です。空き家になるのも一戸建が中心になります。
  • 空き家を放置して市町村長から勧告を受けると、その土地の固定資産税の住宅用地特例が外れます。県には無料の「空き家相談窓口」があります。生成AIには、数字を確定させたあとの説明文づくりや、相続・管理の論点整理の下書きを任せます。

岩手の空き家は10万戸・空き家率17.3%(2023年)

まず県全体の数字を押さえます。出典は総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要」の付表「都道府県別の主な指標(2023年)」です(総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要」(2024年9月25日公表))。

岩手県と全国の総住宅数・空き家数・空き家率を並べた表
岩手県と全国の空き家数・空き家率(2023年)

岩手県と全国を並べる

項目 岩手県 全国
総住宅数(2023年) 579千戸 65,047千戸
総住宅数(2018年) 579千戸 62,407千戸
2018年〜2023年の増減率 0.0% 4.2%
空き家数 100千戸 9,002千戸
空き家率 17.3% 13.8%
賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家数 54千戸 3,856千戸
同・率 9.3% 5.9%

100千戸は10万戸です。県内にある住宅のおよそ6戸に1戸が空き家、という計算になります。

47都道府県の中での位置

付表の空き家率を高い順に並べると、上位は徳島県21.3%、和歌山県21.2%、鹿児島県20.5%、山梨県20.4%、高知県20.3%と続きます。岩手県の17.3%は長崎県と同じ値で、上から11〜12番目の水準です。全国平均より高いものの、いわゆる「空き家率が突出して高い県」の並びとは少し離れます。

一方、賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率9.3%は、青森県と同率です。この率で見ると上位は鹿児島県13.6%、高知県12.9%、徳島県12.2%、愛媛県12.2%で、岩手はこちらでも全国5.9%を3.4ポイント上回っています。

調査の時点と性質

この調査は5年ごとの標本調査で、令和5年10月1日午前零時現在で実施されました。全国の調査区から約5分の1を抽出し、約20万単位区・約340万住戸を対象にしています。全数調査ではないので、市町村の窓口が持つ実際の空き家台帳の件数とは一致しません。「統計上の推計値」として引用します。

「空き家率」には2つある|17.3%と9.3%の違い

空き家の話がかみ合わなくなる原因は、2つの率が混ざることです。ここを分けておくと、資料でも顧客説明でも誤解が減ります。

空き家100千戸を、除く空き家54千戸とそれ以外46千戸に分け、2つの空き家率を対応させた図
岩手県の空き家100千戸の内訳と2つの空き家率

4つの種類に分かれる

統計局は空き家を次の4つに分けています(総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要」(2024年9月25日公表))。

  • 賃貸用の空き家:新築・中古を問わず、賃貸のために空き家になっている住宅
  • 売却用の空き家:新築・中古を問わず、売却のために空き家になっている住宅
  • 二次的住宅:別荘など
  • 賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家:上の3つ以外で人が住んでいない住宅

岩手県の空き家100千戸のうち、4つ目の「除く空き家」が54千戸です。残りの46千戸は、賃貸中の物件の空室、売り出し中の家、別荘ということになります。

どちらの率を使うか

  • 「県内の住宅ストックがどれだけ使われていないか」を言いたいとき → 17.3%
  • 「管理されないまま放置されている家がどれだけあるか」を言いたいとき → 9.3%(54千戸)

行政の空き家対策や、相続で困っている家の話をするときは9.3%の側です。不動産会社が「空室が多い」と言うときは17.3%の側に賃貸の空室が含まれます。同じ「空き家」という言葉で別の話をしていることが、実務ではよく起こります。

速報値と確報値で変わった県、変わらなかった県

この調査は、2024年4月30日に速報(住宅数概数集計)、2024年9月25日に確報(住宅及び世帯に関する基本集計)の順で公表されました。統計局のFAQによると、47都道府県のうち19都府県で空き家率が速報から変わっています。岩手県はその19都府県に入っていないので、速報でも確報でも17.3%です。

古い記事や他社の資料から数字を引くときは、速報と確報のどちらかを確かめます。岩手の場合はどちらも同じ値ですが、たとえば滋賀県は12.1%から12.3%へ0.2ポイント動いています。

総住宅数が5年で増えていない|579千戸のまま

岩手の数字でいちばん特徴的なのは、空き家率より総住宅数の方かもしれません。

2018年と2023年の総住宅数を岩手県と全国で比べた前後比較図
総住宅数の5年間の変化(岩手県と全国)

全国は4.2%増、岩手は0.0%

2018年の579千戸から2023年の579千戸へ、増減率0.0%。全国は62,407千戸から65,047千戸へ4.2%増えています。東北で見ると、青森県はマイナス0.4%、秋田県はマイナス1.1%と総住宅数が減っており、宮城県は3.7%増、山形県は1.4%増です。岩手はその中間で、増えも減りもしていません。

増えていないのに空き家率が上がる理由

住宅の数が変わらないまま、世帯数が減れば空き家率は上がります。県の人口は自然減が続いており、2025年の人口動態でも自然増減はマイナス14,704人でした(岩手県の統計データの探し方で統計の探し方をまとめています)。新築が建つ一方で、古い家が使われなくなり、統計上は住宅として残り続ける。この積み重ねが空き家率に出ます。

新築住宅がどれだけ建っているかは着工統計の側の話で、住宅・土地統計調査の総住宅数とは別の統計です。同じ資料の中で並べるときは、調査名を必ず添えます。

持ち家70.3%・一戸建72.2%|岩手の住宅の形

空き家対策の打ち手は、どんな家が空くのかで変わります。岩手の住宅の形を確認します。

一戸建・共同住宅・持ち家の割合を岩手県と全国で並べた表
居住世帯のある住宅の構成(岩手県と全国)

岩手と全国の住宅構成

項目 岩手県 全国
居住世帯のある住宅 477千戸 55,665千戸
うち一戸建 344千戸(72.2%) 29,319千戸(52.7%)
うち共同住宅 119千戸(24.9%) 24,968千戸(44.9%)
うち持ち家 335千戸(70.3%) 33,876千戸(60.9%)

一戸建が7割を超え、持ち家も7割です。全国は一戸建52.7%・持ち家60.9%なので、岩手は明らかに一戸建・持ち家に寄っています。

一戸建の持ち家が空くということ

全国の数字では、一戸建の空き家352万3千戸のうち80.9%が「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」です。共同住宅は逆に78.5%が「賃貸用の空き家」でした。つまり、一戸建が空くと、そのまま放置される方向に流れやすい。一戸建が7割を占める岩手で「除く空き家」が54千戸ある背景には、この構造があります。

工務店・リフォーム事業者から見ると、空き家は解体だけでなく改修・利活用の対象でもあります。見積や実行予算の実務は岩手の工務店・リフォーム会社がAIで安全書類・実行予算・見積を効率化する実践ガイドにまとめています。

放置すると税が上がる|管理不全空家等と住宅用地特例

数字の次は制度です。ここは顧客説明で最も効く部分なので、正確に押さえます。

管理不全空家等が指導・勧告を経て住宅用地特例を外れるまでの流れを示したゲート図
指導・勧告と住宅用地特例の関係

勧告を受けると住宅用地特例が外れる

空家等対策の推進に関する特別措置法は、令和5年12月13日に改正法が施行されました(国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)について」)。

国土交通省の空き家対策特設サイトは、こう書いています。「『管理不全空家』や『特定空家』への指導に従わず勧告を受けると、その税負担の軽減措置(住宅用地特例)が受けられなくなります」(国土交通省「空家法とは」(空き家対策特設サイト))。

住宅用地特例は、住宅の敷地として使われている土地の固定資産税を軽くする仕組みです。同サイトでは、小規模住宅用地は固定資産税が6分の1に、一般住宅用地は3分の1に減額されると説明されています。この軽減が外れれば、土地の税負担は上がります。

「管理不全空家等」は特定空家の一歩手前

従来の「特定空家等」は、倒壊の危険があるなど深刻な状態の空き家でした。改正で加わった「管理不全空家等」は、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれのある空き家です。市区町村長が指導し、従わなければ勧告できます。つまり、まだ倒れていない家でも対象になり得ます。

相続で実家を引き継いだまま何年も手を付けていない、という県内のケースはここに当たる可能性があります。墓じまいや実家じまいの相談と同時に出てくる話でもあり、関連する実務は岩手の石材店×AI|墓じまい相談とお盆明けの繁忙期対応でも触れています。

実際の運用は市町村ごと

指導・勧告を出すのは市区町村です。空家等対策計画の有無や、どの段階でどう動くかは市町村ごとに違います。自社の商圏の市町村の空き家担当窓口に、現在の運用を直接確認するのが確実です。この記事の数字や制度の説明を、そのまま個別案件の結論にはしません。

県内で相談する先|岩手県「空き家相談窓口」

岩手県は、空き家の所有者向けの相談先を用意しています。顧客に案内できる公的な窓口として覚えておくと使えます。

中央に岩手県の空き家相談窓口、周囲に建築・不動産・土地境界・法律・相続・行政手続の専門家を配置した図
岩手県「空き家相談窓口」から専門家につながる形

岩手県「空き家相談窓口」

項目 内容
窓口名 岩手県「空き家相談窓口」
運営 一般財団法人岩手県建築住宅センター
電話 019-604-3722
場所 盛岡市盛岡駅西通一丁目7番1号 アイーナ2階
受付 月曜日から金曜日の午前9時から午後5時(祝休日・年末年始を除く)
費用 相談窓口への相談は無料(専門家相談は有料の場合あり)

相談できるのは「相続・維持管理・解体・賃貸・売却など、お持ちの空き家についての悩み」で、建築、不動産、土地境界、法律、相続、行政手続などの専門家につないでもらえます。対象は空き家の所有者や相続予定者で、県内に住んでいる方、または県内に空き家がある方です(岩手県「空き家相談窓口」)。

県のその他の窓口・資料

県の空き家対策のページには、次のものが並んでいます(岩手県「空き家対策」)。

  • 空き家等相談窓口の御案内(岩手県空家等対策連絡会議)
  • 岩手県空き家バンク利活用促進マニュアル(市町村担当者向け)
  • 空き家活用事例集
  • 危険な空き家になる前に

空き家バンクは市町村ごとに運営されています。県のマニュアルは市町村担当者向けですが、どんな仕組みで動いているかを把握しておくと、所有者への説明がしやすくなります。移住・定住とセットで語られることが多い制度でもあります。

資料づくりの手順と生成AIの使いどころ

空き家の数字を提案書や顧客説明に落とす作業は、数字を確定させる工程と、文章に整える工程に分かれます。生成AIに任せるのは後者だけです。

付表から数字を取り、どちらの空き家率かを明示し、生成AIに説明文を書かせ、突き合わせるまでの流れ図
数字を確定させてから生成AIに渡す手順

手順1:数字は付表から直接取る

統計局の概要PDFの付表「都道府県別の主な指標(2023年)」の岩手県の行を、そのまま転記します。AIに「岩手県の空き家率を教えて」と聞いて出た数字は使いません。学習時点が平成30年調査(2018年)のままだったり、速報値と確報値が混ざったりします。岩手の場合は速報でも確報でも17.3%ですが、他県を並べる資料ではここが食い違います。

手順2:どちらの空き家率かを明示する

表の見出しや本文に、「空き家率(賃貸・売却用・二次的住宅を含む)17.3%」「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率 9.3%」と書き分けます。この1行があるだけで、後から読んだ人が別の数字と取り違えなくなります。

手順3:AIに説明文と想定問答を書かせる

数字が固まったら、次のように渡します。

「以下の数字は変えずに、岩手県の空き家の状況を、工務店の営業担当が施主に口頭で説明する想定で250字にまとめてください。数字は渡した値だけを使い、他の数字は足さないでください。岩手県の空き家100千戸、空き家率17.3%、賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家54千戸・9.3%、全国の空き家率13.8%。」

出てきた文章は、渡した数字と1つずつ突き合わせます。率と実数の取り違え、「6戸に1戸」のような言い換えの計算違い、出典にない年の追加をチェックしてから使います。

手順4:制度の説明はAIに書かせない

固定資産税の住宅用地特例や管理不全空家等の扱いは、AIの説明が古い制度や一般論に流れやすいところです。国土交通省のページの文言を自分で引き、そのうえで「この文をお客様向けに平易に言い換えてください。制度の内容は変えないでください」と指示します。個別の案件は、市町村の担当窓口と専門家に確認します。

手順5:次の調査で差し替える

住宅・土地統計調査は5年ごとです。次の調査は令和10年(2028年)で、結果の公表はさらに先になります。それまでは2023年調査が最新のままなので、資料には「令和5年住宅・土地統計調査(2023年10月1日現在)」と調査時点を書いておきます。

よくある質問

Q. 岩手県の空き家率は何%ですか。

令和5年住宅・土地統計調査(2023年10月1日現在)で17.3%です。空き家数は100千戸、総住宅数は579千戸。全国の空き家率は13.8%です。

Q. 「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」とは何ですか。

賃貸に出している空室、売り出し中の家、別荘のいずれでもない、人が住んでいない住宅です。岩手県では54千戸、率にして9.3%。放置されている家の話をするときはこの数字を使います。

Q. 市町村別の空き家率はどこで見られますか。

住宅・土地統計調査の基本集計は、市区および人口1万5千人以上の町村まで結果が表章されています。政府統計の総合窓口(e-Stat)の統計表で確認できます。この記事では県全体の数字のみを扱っています。

Q. 空き家を放置すると税金が上がるというのは本当ですか。

市区町村長から「管理不全空家」または「特定空家」として指導を受け、それに従わず勧告を受けた場合に、その土地の固定資産税の住宅用地特例が受けられなくなります。勧告に至る運用は市町村ごとに異なるので、担当窓口に確認してください。

Q. 岩手の総住宅数が5年で増えていないのはなぜですか。

住宅・土地統計調査は理由までは示しません。2018年579千戸、2023年579千戸で増減率0.0%という事実が分かるだけです。全国は4.2%増、青森県はマイナス0.4%、秋田県はマイナス1.1%でした。

Q. 空き家の相談はどこにすればよいですか。

岩手県「空き家相談窓口」(一般財団法人岩手県建築住宅センター・019-604-3722)が無料で相談を受け付け、必要に応じて専門家につないでいます。市町村の空き家担当窓口や空き家バンクも併せて確認してください。

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参考・出典